多彩なオープニングフェスが盛況、未来型ライブ劇場「harevutai」が掲げる新たなビジネスモデル
スマホで完結できる新たなライブの仕組みを提案
その特徴は、最新の映像技術とライブ配信環境。スクリーンは、4K対応の特大LED、同じく4K対応のプロジェクター用スクリーン、透過スクリーンの3つが備えられ、eスポーツ、YouTuber、バンド、アイドルなどのほか、3Dホログラムが使用可能になることで、ボカロやVTuberなどのCGライブやアニメ系イベントなどにも幅広く対応。
また、アーティストライブの映像演出としても、従来の同キャパのハコと比較して、クリエイティブの幅を格段に向上させている。
ポニーキャニオン・経営企画部の檀原由樹氏は「ライブ市場規模が右肩上がりな一方で、新たなエンタメも生まれ続けており、朝からグッズの先行販売に並んだり、ライブ後の遅い時間に混雑のなか遠くまで帰宅するなど、従来のようなライブに使える可処分時間はどんどん少なくなるという側面もあるのではないかと考えました。また、地方のお客様の移動コスト、物理的なライブ会場数やキャパの制約なども気になった点です。そうしたなか、お客様にはいつどこにいてもスマホで高画質/高音質なライブを楽しめる環境を提供し、主催者様には有料ライブ配信やユーザー参加型の課金システムを提供する。テクノロジーを活用することにより、スマホ一台で完結できるようなライブの仕組みを提案していきたい」と、新たな価値の創出をテーマにするharevutaiのねらいを語る。
harevutaiブランドのグローバル展開も模索
また、バーチャル男性タレント7人がデビューをめざすリアルオーディション番組『ReFlap』のKICKOFF Meetingは、早くも女性人気急上昇中でチケットは即完。バーチャルタレントとの交流や、生き残りがかかるオーディション投票にファンが熱狂した。池袋が舞台となる『ReFlap』は、今後、ハコに根付いたコンテンツとして展開していき、来年2020年の1月にもイベント開催が決定している。
今後の運用については「VTuber、eスポーツ、アニクラなどの定期公演もいろいろ仕込んでいます。曜日ごとのイベントを定着させるなど、『harevutaiに行けば楽しいイベントがある』という仕組みを作りたい」(檀原氏)と意気込む。
そして、もうひとつねらうのは、海外配信からのインバウンド需要の掘り起こし。「海外にもファンが多いアニメ系コンテンツのライブ配信を積極的に行うことで、harevutaiというキーワードをブランドとして定着させ、認知を広めていくイメージです。日本政府観光局(JNTO)さんにも海外向け観光サイトでharevutaiを紹介していただいたり、インバウンド向けのイベント実施についても動き出しています」(檀原氏)。アニメ、サブカルの聖地として外国人観光客の誘致を図る。
ジャンルに捉われないさまざまなライブ配信からのマネタイズ、さらにグローバルへの展開と、最新技術を備えたハコをベースに新たなビジネスモデルを提案していく。
(文:編集部・武井保之)