あいみょん“お茶の間への浸透”で第2のステージへ 新曲「マリーゴールド」が自己最高初動を記録

シンガー・ソングライターのあいみょん

 女性シンガー・ソングライターのあいみょんが、5枚目のシングル「マリーゴールド」を8月8日に発売、最新の8/20付週間シングルランキングで自己最高の初週売上3536枚を記録し、シングルとしてはこちらも自己最高となる26位に初登場した。本作はCD発売に先駆けて、デジタル、音楽ストリーミングサービスへの配信を行っていたが、ここ最近の彼女の活動状況も踏まえながら、今回の好セールスを振り返ってみたい。
センセーショナルな世界観の楽曲が、若者をはじめ音楽ファンの心を掴む
 あいみょんは、歌手を夢見ていた祖母や、音響関係の仕事に就く父の影響で幼少の頃から音楽に触れて育ち、中学時代からソングライティングを開始。高校卒業後にYouTubeへ楽曲を配信しはじめるとネットで話題を集めるようになり、16年11月に、きゃりーぱみゅぱみゅやWANIMAなど、気鋭のアーティストを擁するワーナーミュージック・ジャパンの「unBORDE」からデビューした。

 センセーショナルな世界観の楽曲はもちろん、カルチャー誌やファッション誌に登場するなどして、はじめは若年層を中心に人気を集めていたが、「Spotify」が選ぶネクストブレイクアーティストに選出されたり、音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)内で、たびたび楽曲が紹介されたりと、徐々に幅広い音楽ファンへと存在が知れ渡っていった。
「LINE MUSIC」などのサブスクで長く聴かれるアーティスト
 自身が注目を集めるきっかけがそうだったように、デジタルネイティブである彼女は、音楽ストリーミングとの相性が良いアーティストの1人。10代〜20代の利用が多いとされるLINE MUSICでは、「愛を伝えたいだとか」「満月の夜なら」などの過去楽曲がロングヒット中。そのほか、AWAやSpotify、Apple Musicなどでも彼女の楽曲がロングテールで聴かれている。

 そんななか、新曲「マリーゴールド」は音楽ストリーミングとデジタルで先行してリリースを開始。音楽ストリーミングでは、週刊エンタテインメントビジネス誌8/6号掲載のLINE MUSIC「Weekly Songs TOP25」2位、同「BGMランキング」でも3位に初登場し、翌週もランキング入り。前述のサービスでもよく聴かれており、過去作と同様に長く聴かれていくことが予想される。
朝の情報番組『スッキリ』に生出演したことで、普段とは異なる層のリスナーが反応
  • あいみょんの5枚目のシングル「マリーゴールド」

    あいみょんの5枚目のシングル「マリーゴールド」

 一方、7月18日より配信を開始したデジタルは、7/30付の週間デジタルランキング(単曲)12位(6395DL)に初登場以降、8/6付で29位(4484DL)→ 8/13付で36位(3617DL)→ 8/20付で5位(1万115DL)と推移。8/20付で大きく数字を伸ばしているが、それはフィジカル(CD)発売日の8月8日に、日本テレビ系『スッキリ』へ生出演し、同曲をテレビで初めて生歌唱したことから、ライトユーザーが反応したとみられる。

 また、これまでテレビ朝日系『ミュージックステーション』などの音楽番組には度々出演してきたが、朝の情報番組への出演によって普段とは異なる層のリスナーが反応したことで、フィジカルの売上にも跳ね返っていることが予想される。現に今週は、昨年9月発売の1stフルアルバム『青春のエキサイトメント』も前週129位→59位と大きく順位を上げている。

あいみょんのシングル売上推移

 今現在は、デジタルのほうがリスナーの反応の度合いが大きいが、彼女自身はフィジカルを売ることに強いこだわりを持っている。昨秋、本誌が行ったインタビューでは、「私はギリギリCD世代なので、バイトを頑張って、CDショップにフラゲしにいくっていう感覚は青春やったなって思って。もちろん、デジタルやサブスクも大事だけど、CDを作るためにレコーディングして、写真を撮って、デザインするっていう感覚を無駄にしたくない。私はCDを売りたいから特典をつけるっていうのも悪いことではないと思ってるんです。売れる人は売れてるし、決してCDが売れへん時代じゃないんだから、私も自分のCDが世にたくさん出回るアーティストになっていかないといけないと思いますね」と語っていた。

 ビジュアルやアートワークも込みで表現と捉えており、現に1stアルバム『青春のエキサイトメント』のジャケットもこだわりの出来となっている。今回フィジカルが自己最高の初週売上を記録したが、CDも売れるアーティストとして彼女の今後のさらなる飛躍に期待したい。

(『コンフィデンス』8/20号掲載)

提供元: コンフィデンス

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