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デビュー45周年の松任谷由実、世代・時代を超えて支持されるワケ

 松任谷由実が3枚組ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』を発売した。歌詞の世界観によって3つに分けて選曲された本作をもとに、オリコン・モニターリサーチが全国の20〜50代の男女1000名を対象に「テーマに最も合うと思う楽曲とその理由」について調査した。世代・時代を超えて支持されているユーミンのもう1つの名曲たちが浮かび上がってきた。

自分のスタイルを貫く姿勢は、強い支持を得続けている要因

  • <DISC 1>で最もテーマにぴったりだと思う楽曲(SA)

    <DISC 1>で最もテーマにぴったりだと思う楽曲(SA)

  • <DISC 2>で最もテーマにぴったりだと思う楽曲(SA)

    <DISC 2>で最もテーマにぴったりだと思う楽曲(SA)

 オリコン・モニターリサーチが全国の20〜50代の男女1000名を対象に調査を行ったところ、「DISC1 Pure Eyes 純粋さを、捨てない。」で最も人気を集めたのは「瞳を閉じて」(74年『MISSLIM』)。長崎県の高校の校
歌として書かれた同曲は、郷愁を誘うメロディーのなかで遠い場所に行った友達に対する思いを綴ったミディアムバラード。「曲の制作過程からして、青春時代のピュアな思いをすくい取ろうとしたところがある。島を旅立つ人へのせつない思い、青春の甘酸っぱい気持ちが表現されている」(千葉県/50代/女性)、「まっさらな心を取り戻そうとしているような歌詞が印象的」(埼玉県/40代/女性)など、思春期に思いを馳せながら愛聴しているリスナーが目立った。また、上位にランクインした「セシルの週末」に対しても「ピュアな心を振り返るような感覚になる歌」(千葉県/40代/女性)、「純真だった過去を思い出す」(東京都/50代/女性)などのコメントが多数寄せられた。ユーミンの音楽とともに青春時代を過ごしたリスナーは現在40代以上。特に70年代〜80年代の楽曲には、多感な時期のピュアな思い出を呼び起こすパワーがあるようだ。

 「DISC2 Urban Cowgirl“私”で、生きてゆく。」で最も人気を集めたのは「ふってあげる」(88年『Delight Slight Light KISS』)。デジタルサウンドを取り入れたハイブリッドな音像に、恋の終わりを告げる女性を主人公にした歌詞からは、強い意思を持った自立した女性像が伝わってくる。アンケートでも、「本当はまだ好きなのに相手を思って振ってあげる芯の強さを感じる」(愛知県/20代/女性)、「相手のことを想うようで、自分の気持ちに決着をつけている」(東京都/50代/女性)など、20代から50代まで幅広い年代の女性から支持を得た。「タイトルからして気丈で自立した女性を彷彿させる」(東京都/40代/男性)と男性人気も高いのがこの曲の特徴だ。また、ユーミンのアーティストイメージに関しても「活動を通して女性の自立を促した先駆者だと思う」(三重県/50代/男性)、「人に左右されない強い信念がある」(北海道/50代/女性)、「歳を重ねても時代に乗り遅れず、だけど決して迎合することもなく自分というモノを持っている」(熊本県/50代/女性)など“強さ”“自立性がある”“かっこいい”というワードが目立つ。その凛とした存在感、媚びることなく自分のスタイルを貫く姿勢は、彼女が強い支持を得続けている要因と言えるだろう。

人生経験を重ねるたびに響く普遍的なテーマを含んだ楽曲群

  • <DISC 3>で最もテーマにぴったりだと思う楽曲(SA)

    <DISC 3>で最もテーマにぴったりだと思う楽曲(SA)

 そして「DISC3 Mystic Journey 旅を、やめない。」で最も人気を集めたのは「輪舞曲」(95年『KATMANDU』)。ラテン音楽のテイストを色濃く反映したこの曲は、さまざまな音楽を取り入れながら発展した90年代のユーミンを象徴するナンバーの1つだ。「素敵な人とめぐり逢って、そこから始まる生活が1つの旅だと思う」(千葉県/40代/女性)、「これから結婚生活という旅を紡いでいくというイメージ」(大阪/50代/男性)など、男女を問わず“恋愛”“結婚”と結びつけるリスナーが多い。さらに「人生と旅が懸かっていると思う」(福岡県/50代/男性)、「人生は旅のようなものだからと言っている気がする」(東京/40代/女性)など、楽曲と人生を重ねているリスナーも。ファン歴が長くなるにつれて、ユーミンの楽曲が人生に深く関わっていることが窺える。

 純粋さを持ち続け、人生を主体的に生き、精神的な旅を続ける。「ユーミンからの、恋のうた。」に掲げられた3つのテーマは、松任谷由実の音楽の本質そのものと言っていいだろう。40代、50代と年齢を重ね、さまざまな経験を重ねるたびに、普遍的なテーマを含んだ楽曲に対する共感が増していく。これこそが、ユーミンが45年にわたりリスナーに支持され続ける最大の理由なのだと思う。

(文:森朋之)

1位になった楽曲にまつわるエピソード

「瞳を閉じて」にまつわるエピソード
・いつ聴いても、子供の頃の思い出が蘇り涙が出そうになる(愛媛県/50代/女性)
・中学生の時に初めて聴いて、詩と曲に感激したのを覚えている(東京都/50代/女性)
・高校卒業時に、離れ離れになる友達といよいよ別々の道を歩いていくんだなと泣いた日を思い出した(福岡県/50代/女性)

「ふってあげる」にまつわるエピソード
・当時好きな人がいて上手くいかないときに聴いて、こんな強さが欲しいと思った(大阪府/40代/女性)
・何があっても前向きになることを教えてくれた(北海道/40代/女性)
・失恋したときに曲と自分をダブらせ、強がって何でもないと自分に言い聞かせた(北海道/50代/男性)

「輪舞曲」にまつわるエピソード
・当時は歌詞の意味を分かっていない年齢だったが、いま聴くと印象が変わる(千葉県/30代/女性)
・高校生のときよく友達がカラオケで歌ってくれた。いまは会わなくなったけど、どこかで元気でいてほしいと思う(東京都/30代/女性)
・海外に旅していた時にこの曲を聞いていたのでピッタリだと思いました(神奈川県/30代/男性)
【調査概要】
調査時期:2018年3月15日(木)〜3月22日(木)
調査対象:自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ(外部サイト)】会員20代、30代、40代、50代の男女1000名
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
松任谷由実 オフィシャルサイト(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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