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この夏、新作映画が3本公開 三木孝浩監督ってなんなん?

【第1回】青春恋愛映画の名手です

映画『今夜、世界からこの恋が消えても』メイキング写真(左から)三木孝浩監督、福本莉子(C)2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会

映画『今夜、世界からこの恋が消えても』メイキング写真(左から)三木孝浩監督、福本莉子(C)2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会

――結果として、夏休み中に新作映画が3本も公開される心境は?

三木文化祭と体育祭と修学旅行がいっぺんに来たみたい、ですよね(笑)。みんなでつくった映画が劇場公開されて、観てもらえるというのは、何よりも喜ばしいことなので、すごくうれしいです。

――3本も大変だったのではないですか?

三木同時に撮影してたわけではないので、これまでと違った動きをしていたわけではないんです。昨年の3月末から5月上旬頃まで『TANG タング』を撮って、その後、7月下旬から8月にかけて『アキラとあきら』。『今夜、世界からこの恋が消えても』(以下、『セカコイ』)は今年2月から3月上旬の撮影でした。『TANG タング』はポストプロダクションに時間が必要だったこともあって、たまたま公開時期が重なってしまった感じです。

――3本とも見事にタイプに異なる作品ですね。まず、『セカコイ』は…
 主演は、いまをときめくアイドルグループ・なにわ男子の道枝駿佑と、『思い、思われ、ふり、ふられ』(三木監督)の福本莉子。原作は、2019年「電撃小説大賞」を受賞した一条岬の同名恋愛小説。脚本は、『君の膵臓をたべたい』の監督・月川翔と『明け方の若者たち』の監督・松本花奈が共同で担当した。

 高校生の神谷透(道枝)は、あるきっかけで同級生の日野真織(福本)と「お互い本気で好きにならないこと」を条件に付き合い始める。実は真織は、眠りにつくとその日の記憶を失ってしまう「前向性健忘」を患っていて、毎朝、前日の日記を読み返すことでどうにか記憶をつなぎ止めていた。透はそんな真織と1日限りの恋を積み重ねていくが、自らも大きな秘密を隠し持っていた…。
――三木監督の得意分野とも言える青春恋愛映画ですね。

三木そうですね。これまで10代20代の男女の恋愛もの、特に主人公が高校生のラブストーリーが多かったので、これまで積み重ねてきた経験を一番いかせる作品だったと思います。

――青春恋愛映画がお好きなんですか?

三木好きですね。学生時代から今、思い出すと恥ずかしいくらい甘酸っぱい青春映画を作っていました。商業映画を撮るようになって思うのは、青春恋愛映画の主人公にキャスティングされる方たちというのは、フレッシュな魅力と伸びしろのある若手俳優の方たちばかりなんです。撮影しながら日々成長していくので、その過程を映画に刻み込む、ある種ドキュメンタリーを撮っている感覚です。キャストの成長とキャラクターがシンクロすることで、その時にしか撮れない作品になる。今回の『セカコイ』もそういう映画になったと思います。

――三木監督のフィルモグラフィーを見れば、「青春恋愛映画の名手」と称される理由が一目瞭然。本当に旬の俳優たちばかりですね。

三木青春映画って、本当に楽しいです。俳優さんたちのつぼみが花開く瞬間を現場で見られるというのは、監督冥利に尽きると思います。

――『セカコイ』の現場で見れてよかった!と思った瞬間は?

三木福本さんは『思い、思われ、ふり、ふられ』でご一緒して2年ぶりだったんですけど、その間に経験したことから多くを学んで成長されたんだな、と思いました。今回、ヒロインとして覚悟を持って、真織という、難しい役に向き合っている姿がとても心強かったです。

 道枝くんに関しては、初主演映画という緊張があったと思うんですけど、その緊張感と、透の初めて本気で人を好きになった緊張感がリンクしていいな、と思っていたんですね。映画の中で透には恋愛の階段を一つ上がる瞬間というのが用意されていて、それは花火のシーンだったんですが、道枝くんも必死に踏み越えようとしていた。それがシンクロして、現場ですごく感動したことを覚えています。

――圧巻のフィルモグラフィーですが、ターニングポイントになった作品はありますか?

三木一番大きかったのは『僕等がいた』だったと思います。少女漫画原作を前後篇で実写化して連続公開するというのは、当時は珍しくて、しかも興行的に成功を収めることができた。それ以降、少女漫画を実写化する企画が急増したんですよね。『僕等がいた』の経験はその後も役に立ったし、それをきっかけにオファーをいただくことが増えた気がします。

映画『今夜、世界からこの恋が消えても』

道枝駿佑(なにわ男子) 福本莉子
古川琴音/前田航基 西垣 匠
松本穂香
野間口徹 野波麻帆 水野真紀/萩原聖人

原作:一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても』(メディアワークス文庫/KADOKAWA)
監督:三木孝浩
脚本:月川翔 松本花奈
音楽:亀田誠治

(C)2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会

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