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テレビ界の“復活ブーム” その背景とは?
多くの人気番組が復活 ドラマは“続編”としての復活も増加
一方、ドラマの場合は、“復活”というより“続編”といった意味合いも強く、先の『ぼくらの勇気 未満都市2017』にしても、元のドラマの最終回で「20年後、またこの場所で会おう」と言って別れるという伏線があったため、内容に違和感はない。嵐のふたりも当時はジャニーズJr.で脇を固める扱いだったが、今やそれぞれが主役級。それでもサブの立場で出演したからこそ、SNSでも「モリ(松本潤の劇中のあだ名)が可愛すぎ」などと好評だったわけだし、20年を経た登場人物たちの成長ぶりが胸に迫るわけである。
また7月期の新ドラマでも、“月9”枠で『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』(フジテレビ系)も3rd seasonとして7年ぶりに復活を果たした。続投された出演者たちもやはりそうそうたる俳優へと成長、その“プレミアム感”もあってか高視聴率を獲得している。ある映画評論家は、「日本のアニメでは登場人物が歳をとらない。アメリカのアニメはみんな平等に歳を取っていくので大人でも感情移入できる」という主旨のことを言っていたが、そのあたりに復活系番組が視聴者の支持を得られるかどうかの鍵が隠されているかもしれない。
コンテンツ不足解消の一手? ノスタルジックなだけでは失敗の可能性大
復活シリーズとしては、“あの番組が復活する!”“懐かしい!楽しみ!”といったことだけでは、視聴者からの共感を得るには不十分。番組の復活にかける出演者やスタッフたちの熱量、新たなターゲットの視聴者層をどこにおくかなど、番組が復活する明確な意図や必然性がなければ、なかなか視聴者の期待値も上がらないのが実情だ。
復活大成功を遂げた『学校へ行こう』は“現在”らしさ反映し成功
そして、この8月30日には、先の『学校へ行こう!』のスタッフとV6が再集結した3時間スペシャル番組『V6の愛なんだ2017 史上最高の夏まつり!』(TBS系)が放送されるが、V6の三宅健が「今の若者と触れ合える番組をとても楽しみにしています。この夏、若者たちと最高の思い出を作り、彼らの背中をそっと押してあげられるような、そんな素敵な番組にしたいなと思っています」とコメントを寄せている。きちんと“オンタイム”の若者と触れ合って、共感していく。昔と同様に復活させてただ懐かしむだけではなく、こうした“現在進行形”の姿勢が復活系番組のキモとなるのかもしれない。