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『マザーウォーター』3人の男はどう観る?

 『かもめ食堂』『めがね』『プール』と、人と場所の関係性をテーマに描くプロジェクトの第4弾『マザーウォーター』(松本佳奈監督)が30日(土)より公開される。フィンランド・ヘルシンキ、日本・与論島、タイ・チェンマイに続く舞台となったのは、日本の古都・京都。どこかからやって来た小林聡美小泉今日子市川実日子が演じる3人の女たちが京都の街に住み始める。

映画『マザーウォーター』に出演するメンズ3人 光石研(左)、加瀬亮(中央)、永山絢斗(右) 

映画『マザーウォーター』に出演するメンズ3人 光石研(左)、加瀬亮(中央)、永山絢斗(右) 

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 ウイスキーしか置いていないバーを営むセツコ(小林)。疎水沿いにコーヒーショップを開くタカコ(小泉)。豆腐を作るハツミ(市川)。彼女たちに感化される街の住人たちを演じるのは、家具工房で働くヤマノハ役の加瀬亮、銭湯の主人オトメ役の光石研、オトメの銭湯を手伝うジン役の永山絢斗。男たちはこの映画をどう観るのか?

【光石】 加瀬君と出会ったのは6、7年前だったと思うけど、それからいつ、どんな現場で会っても加瀬君は加瀬君であるというか。自分をしっかり持っていて、動じない印象。作品に対する意見も明確だし。今回の現場でも、ちゃんと腰を据えて取り組んでいて、あっ、椅子から落ちていたか…。

【加瀬】 もしかして、それが言いたかっただけですか?(※映画を観ればわかります)

【光石】 (笑)。加瀬君も永山君もちゃんとあの“場所”に存在していて、さすがだと思いました。

【加瀬】 永山君こそ、今回が初めての参加なのに、現場にスッと入り込んでいてすごいと思っていました。自分のことを思い出すと、『めがね』(2007年)で初めてこのプロジェクトに参加させていただいた時はすごく戸惑ったし、現場で怒られたこともありました。もたいまさこさんに「わからないままやって大丈夫だから」と声をかけていただき、やっと吹っ切れた感じでした。でも、後で聞いたら永山君もいろいろ悩んでいたみたいですね…。

【永山】 僕は撮影が始まる4日前に京都に入ったんですが、その日の夜、ばったり光石さんにお会いして、ご飯をご馳走になりました。翌日も「現場を見に行こう」と誘ってくれました。誘ってくれなかったら、僕は見に行かなかっただろうし、撮影が始まる前に現場を見られたことでちょっと落ち着きました。

【光石】 永山君が初めてだから誘ったんではなくて、僕も一人で行くのが心細かったから(笑)。

――企画の霞沢花子さんをはじめ、松本監督、脚本の白木朋子さん、たかのいちこさんと、女性が活躍する制作チーム。現場はどんな雰囲気だったのですか?

【加瀬】 独特の空気が流れていますね。個人的には拳銃が出てくるような映画が好きだし、男は何らかの形で戦いがあったほうが、自然に反応できるような気がするのですが、女性が多い現場にいると、まったく違った豊かさが垣間見えますね。でも正直言うと、女性ってやっぱりわからない、なんて思うこともありながら、なんとなく何かを感じています。

【光石】 そうだね。物語もけっして大きな事件が起きるわけではないんだけど、感覚を研ぎ澄まさせて観ると、かなり五感を刺激する映画だと思う。最初の口あたりはとてもソフトだけど、味わうほどにかなり手の込んだ料理であることに気づく。

【永山】 僕は完成した映画を観終わってから、しばらく、もたいさんの歩いている姿が目に浮かんだりして(笑)。秒針がカチカチと時を刻む音や、足を踏み出した時の足の裏の感触、飲み込んだ水がのどを通って胃に入っていく感じとか、そういうことにも意識が働くようになった気がします。

――映画には「あしたへは、ダイジなことだけもってゆく。」というメッセージが込められているそうですが、あしたへ持っていきたい「ダイジなこと」は何ですか?

【光石】 登場人物の中の一人、ポプラちゃんかな。彼は本当にかわいかった。まだ赤ちゃんだから、彼は映画に出るとかまったく意識していないし、存在そのものが“生”で、彼のように演じることができたらベストなんでしょうね。撮影もすべて彼のご機嫌次第でしたし。そう考えると、時間の使い方って“ダイジなこと”ですね。忙しくて時間に余裕がない時でも、急にスケジュールが空いて暇な時間ができてしまった時でも、若い頃はその時々を楽しんでいた気がします。年齢を重ねてそういうことを忘れていることに、この作品を通じて気付いた。時間をもっと大切するということを、あしたへ持って行きたいですね。

【加瀬】 映画って栄養ドリンクの代わりみたいに一瞬の元気を与えてくれるかもしれないけど、すごく穏やかで心が静かな時でないと、この映画の世界に入っていけない。逆にこの映画の世界を大切にしていくと、もっといろんなことが豊かになっていくのではないかと思いました。

【永山】 身近にあるのに気付けていないものの中に、自分にとって大切なものがあるんじゃないかと思う。それが何かはまだわからないですけど、五感を研ぎ澄ませて、いろいろなことを感じて、気付いたことを大事にしていきたいと思っています。

【動画】映画『マザーウォーター』予告編⇒


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関連写真

  • 映画『マザーウォーター』に出演するメンズ3人 光石研(左)、加瀬亮(中央)、永山絢斗(右) 
  • 『マザーウォーター』に出演する小泉今日子(左)、小林聡美 (C)2010パセリ商会 
  • 『マザーウォーター』に出演するもたいまさこ(左)、市川実日子 (C)2010パセリ商会 
  • 加瀬亮 『マザーウォーター』10月30日(土)より東京・シネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国で公開 (C)2010パセリ商会 
  • 永山絢斗 『マザーウォーター』10月30日(土)より東京・シネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国で公開 (C)2010パセリ商会 
  • 光石研 『マザーウォーター』10月30日(土)より東京・シネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国で公開 (C)2010パセリ商会 
  • 『マザーウォーター』10月30日(土)より東京・シネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国で公開 (C)2010パセリ商会 
  • 『マザーウォーター』10月30日(土)より東京・シネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国で公開 (C)2010パセリ商会 

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