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　かつてマスコミをにぎわせた歌舞伎俳優・市川海老蔵の“やんちゃ”なイメージは、もはや過去のものになっている。19日（木）放送のNHK人気ドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』のスペシャル内で、海老蔵が全身全霊をかけて芸に打ち込む姿やひたむきさが描かれる。「海老蔵が変わった」と周囲がささやくなか、私生活においても、フリーキャスターの小林麻央と結婚し「守りたいものが増えた。そこは、（結婚して考えが）変わったかな。結婚って、楽しいですよね」と“素顔”をのぞかせている。

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　同番組において歌舞伎俳優を取り上げるのは、坂東玉三郎に続いて2人目。市川家という名門の跡継ぎという宿命を生まれながらに背負い、押しつぶされそうな重圧に苦しみ、時にはもがきながらも、ある転機を迎えて以降、古典の復活や新作の上演に積極的に取り組んでいった海老蔵。父であり師匠の12代目・市川團十郎を超えんとするべく、さらなる高みを日々目指している。

　かつて吸っていたタバコもきっぱり止め、浴びるほど飲んだお酒も極力控えて体のメンテナンスに細心の注意を払う姿や、1人十役に挑んだ『伊達の十役』や今年6月に座頭として挑んだロンドン公演の『義経千本桜』の舞台裏を中心に、ほぼ休む暇もなく芸に精進していく海老蔵に迫っていく。

　去年の夏から約11ヶ月間密着した担当ディレクターの本間一成氏は「練習している時の気合の入り方や、普段の生活でもストイックに取り組んでいらっしゃった姿には、ビックリしましたね」と世間が今まで抱いていた“やんちゃ”ぶりとのギャップを率直に振り返る。今回の取材を通して「努力する才能、時間の使い方などは、（一般の方と比べて）違うのかなって思いました」とプロ根性に敬意を表した。

　歌舞伎に対して知識も深く、もともと海老蔵に注目していたという、司会で脳科学者の茂木健一郎氏と住吉美紀アナウンサーが、時には的確に、時には鋭い切り口で海老蔵の心情を探っているのも見所の1つだ。『プロフェッショナル 仕事の流儀 市川海老蔵夏スペシャル 荒ぶる魂、覚悟の舞台へ』はNHK総合にて後7時30分より後8時45分まで放送。