女優の吉永小百合（67）が3日、主演映画『北のカナリアたち』（阪本順治監督）の公開初日舞台あいさつを都内の映画館で行った。壇上には柴田恭兵（61）、仲村トオル（47）、里見浩太朗（75）、森山未來（28）、満島ひかり（26）、勝地涼（26）、宮崎あおい（26）、小池栄子（31）、松田龍平（29）といったベテランから若手まで共演者10名が顔をそろえ、いずれも吉永を大絶賛。吉永は言葉をかけられる度に笑顔をみせ、「本当に幸せです」と万感の想いを明かした。

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　それぞれが作品への想いを書いた黒板に、松田は雪をハートマークで囲ってみせ「雪の中にいる吉永さんがすごい素敵で。雪がすごく似合う方だな」と告白。「ありがとうございます」と感謝しながらも頬を赤らめる吉永のかわいらしい姿が印象的だった。

　そんな吉永は黒板に「輪になって」と記入。「こんなそれぞれ主演を務められるような素敵な皆さんとうまくアンサンブルがとれるのかなと心配でした」と撮影前の不安要素を明かした。無事初日を迎え「俳優の皆さん、監督、スタッフみんなと輪になって作品を作ったという思いがあります。誰が前に出るとかじゃなくて、みんなで力を合わせ、心を合わせて映画を作ったという思いです」と振り返って感謝を伝えた。

　長い女優人生のなかで「こんなことは初めてのことで、本当に幸せです」と感謝をかみしめる吉永の隣で、柴田は「それは、みんな吉永さんに褒められたかったんです。監督より、みんな吉永さんに褒められたかった」と共演陣の気持ちを代弁。会場からは温かい拍手が送られていた。

　東映60周年記念作で、吉永自身にとっても芸能生活55周年の節目での主演作となった同作は、『告白』や『贖罪』など次々と実写化作品が話題を集める女流作家・湊かなえの『往復書簡』が原案。北海道の一つの小学校を舞台に20年の時間をつなぐ感動作。昨今はミドル、シニア層をターゲットにした高倉健主演『あなたへ』などもヒットを記録しており、こちらも期待がかかる。