北野武が自ら監督、脚本、編集を手掛け主演も務めた映画『アウトレイジ ビヨンド』の公開を目前に控え、俳優・加瀬亮とそろってORICON STYLEのインタビューに応じた。北野監督は前作での“二枚舌”や“歯医者の治療台”といった衝撃の暴力シーンが話題を集めたことに触れ、続編での暴力描写の変化を語った。
時に思わず目を伏せたくなる痛々しさで観る者を惹きつける北野作品。前作では特にその描写が話題を集めたが、「前回あまりにも『暴力がすごい』ってことばっかり言われたんで、じゃあ逆の撮り方をしてやろうと思って、因数分解みたいに死体を囲っちゃったっていうか…」と、続編ではアプローチの変化があったと告白。
「普通はaがxyzを殺すのは、ax+ay+azになるんだけど、今回はaが拳銃を持って歩くと、次のシーンではxyzの死体だけ映すみたいなやり方をした」と得意の数学を用いて解説し、新たな試みとして「大阪弁と関東弁の暴力。言葉での罵り合いもひとつの暴力描写だなと思って」と、北野作品では異例ともいえる膨大なセリフを用いた理由も明かした。
さらに、同作の抗争劇はヤクザ社会に限ったことではないとし「暴力的だってよく言われるけど、人間社会だからそう見えるだけで、これがシマウマだ、ライオンだ、キリンだって言ったら、これほど素晴らしい自然描写はない」と声を上げて笑い飛ばした。
「人間社会だと殺し合いにならないようにルールを守って生きていかなきゃならない。時々そのルールを破っちゃうやつが悪人と言われる人なわけ。こういう暴力的な世界は現実社会とかけ離れているようなイメージだけど、この映画に出てくるのは、どこの会社でも、どこの国でもある構図なんだよね」と北野節で作品をアピールした。
加瀬が演じた石原はそんな社会の縮図を象徴するかのような存在。前作では古参の先輩ヤクザを小バカにしていたが、のし上がった途端に自分が蹴落としてきた存在に悩まされ、足元をすくわれてしまう。
加瀬は、石原について「組長に忠誠を誓って自分の役割を果たそうとしているけれども、その器じゃないのか、思うように行かなくて。その苛立ちと、監督演じる大友が出所してきてからの後ろめたさや不安で自己崩壊していく」と語り、監督も「古参を脅しているんだけど、本当は怯えてるんだよね」と作品に色濃く反映させた“男の本質”を力説していた。
北野監督が初めて続編に挑んだ映画『アウトレイジ ビヨンド』は6日から全国公開。
北野武と加瀬亮が『アウトレイジ』対談
時に思わず目を伏せたくなる痛々しさで観る者を惹きつける北野作品。前作では特にその描写が話題を集めたが、「前回あまりにも『暴力がすごい』ってことばっかり言われたんで、じゃあ逆の撮り方をしてやろうと思って、因数分解みたいに死体を囲っちゃったっていうか…」と、続編ではアプローチの変化があったと告白。
「普通はaがxyzを殺すのは、ax+ay+azになるんだけど、今回はaが拳銃を持って歩くと、次のシーンではxyzの死体だけ映すみたいなやり方をした」と得意の数学を用いて解説し、新たな試みとして「大阪弁と関東弁の暴力。言葉での罵り合いもひとつの暴力描写だなと思って」と、北野作品では異例ともいえる膨大なセリフを用いた理由も明かした。
さらに、同作の抗争劇はヤクザ社会に限ったことではないとし「暴力的だってよく言われるけど、人間社会だからそう見えるだけで、これがシマウマだ、ライオンだ、キリンだって言ったら、これほど素晴らしい自然描写はない」と声を上げて笑い飛ばした。
「人間社会だと殺し合いにならないようにルールを守って生きていかなきゃならない。時々そのルールを破っちゃうやつが悪人と言われる人なわけ。こういう暴力的な世界は現実社会とかけ離れているようなイメージだけど、この映画に出てくるのは、どこの会社でも、どこの国でもある構図なんだよね」と北野節で作品をアピールした。
加瀬が演じた石原はそんな社会の縮図を象徴するかのような存在。前作では古参の先輩ヤクザを小バカにしていたが、のし上がった途端に自分が蹴落としてきた存在に悩まされ、足元をすくわれてしまう。
加瀬は、石原について「組長に忠誠を誓って自分の役割を果たそうとしているけれども、その器じゃないのか、思うように行かなくて。その苛立ちと、監督演じる大友が出所してきてからの後ろめたさや不安で自己崩壊していく」と語り、監督も「古参を脅しているんだけど、本当は怯えてるんだよね」と作品に色濃く反映させた“男の本質”を力説していた。
北野監督が初めて続編に挑んだ映画『アウトレイジ ビヨンド』は6日から全国公開。
北野武と加瀬亮が『アウトレイジ』対談
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2012/10/05