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『るろうに剣心』撮影現場ルポ:香川照之、役作りで身長を15cm伸ばす!?

 人気マンガの実写映画『るろうに剣心』(大友啓史監督、2012年8月25日公開)に武田観柳役で出演する俳優・香川照之。映画『あしたのジョー』(2010年)では特殊メークを施し、原作そのものの丹下段平になり、NHK総合のスペシャルドラマ『坂の上の雲』(2009〜2011年)では病床の正岡子規を演じるため、5ヶ月で17kgも減量して話題をさらった香川だが、『るろ剣』ではなんと身長を伸ばして(?)役に魂を込める。

香川版観柳の足元は劇場の大スクリーンで確かめて (C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会

香川版観柳の足元は劇場の大スクリーンで確かめて (C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会

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 「今度は背を伸ばしてみましょう」。

 10月初旬、同作の撮影が行われている京都・太秦の東映京都撮影所を訪れた際、共演の江口洋介(斉藤一役)や青木崇高(相楽左之助役)らと並び立つ香川の姿がいつも以上に大きく見えた。NHK大河ドラマ『龍馬伝』以来の再タッグとなる大友監督に、「今度は背を伸ばしてみましょう」と冗談半分で誘われたという香川。監督が目指す「新しい悪、ただの悪ではないもの」を表現するため、香川は「シークレットシューズというか、おもいっきりビジュアルで見ているんで、シークレットでもなんでもないんですけど(笑)、今回、15cmくらいヒールのある靴を履いています。本来なら見上げていた江口さんや青木くんと同じ目線で芝居ができるという憧れを叶えてくれた」と嬉々として話す。

 長回しを多用する演出方法で、撮影中という意識や緊張感を取り除き、俳優たちの感情を解放させる。自由に遊ばせて、面白がらせて、生き生きとした演技を引き出していく。それが大友流。勝手知ったる香川は、箍(たが)が外れたような異常なテンションで暴れまくっていた。

  同作のクライマックスの一つが、佐藤健扮する主人公・緋村剣心と、新政府転覆を企てる悪の親玉・観柳との対決。この日はちょうど、剣心達を皆殺しにしようと、観柳が回転式機関砲(ガトリングガン)の銃撃を浴びせるシーンの撮影が行われていた。

 ガトリングガンをぶっ放す観柳の口から斬新な罵詈雑言が繰り出される。台本には書いてない香川のアドリブだ。「観柳ならきっと相手を恥ずかしめるようなことを言うんじゃないかと思ったから、まるで台本にそう書かれているかのように自然と罵詈雑言が出てきましたね。台本に書き尽くせない部分を体現するのが役者の使命だし、だからこそ好きに演じていいんだという空気になっているのが大友組の良さなんです」。

 ちなみに香川がおもちゃのようにして戯れたガトリングガンは、鳥羽伏見の戦いなどで実際に使われたものを参考にして作ったオリジナルデザインで、制作に約2ヶ月、280万円も要した。屋敷内のシーンはセットを組んで撮ったが、屋敷の外観は鳥取市にある国の重要文化財、仁風閣(フレンチルネッサンス様式の洋館)でロケを敢行。徹底的に画作りを追求する大友組の熱い姿勢がうかがえる。

 こうした緻密なカットの積み重ねがあるからこそ、役者たちが体を張って演じるアクションシーンが際立つというもの。香川も「見どころは一も二もなくアクション」と言い切り、“敵”ながら佐藤“剣心”への称賛を惜しまない。

 「佐藤健という男は猛烈。今回もアクションに裂いている時間は半端ないですね。ただでさえ出来るのに、こっちが置いていかれてしまうから、もう練習するのは辞めて欲しいって思うくらい、練習している。とんでもないことになっていますよ」と期待させる。さらに香川は「健くんと武井さんは、顔が似ているんだよね、まるで双子を見ているよう。そんなお似合いの二人と、得体の知れないおじさんたち(香川、江口、鵜堂刃衛役の吉川晃司)が対峙する構図が、面白いバランスになっていると思う」と手応えに自信をみせていた。

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  • 3台のカメラ(内1台はハイスピードカメラ)を駆使し、観柳邸でのガトリングガンを使用したアクションシーンが実写でどう表現されているか、大きな見どころだ (C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会

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