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「第80回べネチア国際映画祭」(8月30日〜9月9日)でワールドプレミア上映を行った塚本晋也監督(※塚は旧字の点あり)の最新作『ほかげ』が、「第36回東京国際映画祭」(10月23日〜11月1日)ガラ・セレクション部門への正式出品が決まり、アジア初上映の場となることが発表された。塚本監督の作品が東京国際映画祭で上映されるのは、第28回に『野火』がJapan Now部門に出品されて以来、8年ぶり2度目。上映スケジュールは映画祭公式サイト等で後日発表となる。 映画『鉄男』(1989年)でのセンセーショナルな劇場デビュー以後、世界中に熱狂的ファンを持ち、多くのクリエイターに影響を与えてきた塚本監督。戦場の極限状況で変貌する人間を描いた『野火』(2014年)、太平の世が揺らぎ始めた幕末を舞台に生と暴力の本質に迫った『斬、』(18年)の流れを汲み、『ほかげ』では太平洋戦争を民衆の目線で描き、戦争を生き延びた人々が抱える痛みと闇に向き合っていく。 主演は、NHKで10月2日にスタートする連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロインに抜てきされた俳優、趣里。孤独と喪失をまといながらも、期せずして出会った戦争孤児との関係にほのかな光を見出す様を繊細かつ大胆に演じ、戦争に翻ろうされたひとりの女を見事に表現した。 森山未來が片腕が動かない謎の男役で共演。戦争で家族をなくし、焼け残った居酒屋で体を売って生きている女と交流を深めていく戦争孤児を『ラーゲリより愛を込めて』(22年)や大河ドラマ『青天を衝け』(21年)に出演している子役・塚尾桜雅。復員した若い兵士役に、PFFグランプリ受賞作品『J005311』の監督でもある河野宏紀。そして、映画監督、俳優としても活躍する利重剛大森立嗣が脇を固める。 本作は、ベネチア国際映画祭では、オリゾンティ部門に出品され、日本人初のNETPAC賞(最優秀アジア映賞)を受賞。また、「第48回トロント国際映画祭」(9月8日〜17日)センターピース部門にも出品された。同映画は、11月25日より東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開予定。 「第36回東京国際映画祭」は初日(10月23日)に、昨年同様東京宝塚劇場でオープニングセレモニーを予定しているほか、生誕120年となる小津安二郎の特集を組むことが発表されている。また、映画監督の安藤桃子がナビゲーターに就任し、東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献することを基本理念に運営していくという。映画『ほかげ』が正式出品される「ガラ・セレクション」部門は、2021年から始まり、世界の国際映画祭で注目された話題作や国際的に知られる巨匠の最新作、邦画大作等を中心に上映する部門(非コンペティション)。

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  • 「第36回東京国際映画祭」での上映が決まった塚本晋也監督『ほかげ』(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
  • 主演を務めた趣里=塚本晋也監督『ほかげ』(11月25日より全国順次公開) (C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
  • 塚本晋也監督『ほかげ』(11月25日より全国順次公開)(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
  • 塚本晋也監督『ほかげ』(11月25日より全国順次公開)(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
  • 塚本晋也監督『ほかげ』(11月25日より全国順次公開)(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
  • 塚本晋也監督『ほかげ』(11月25日より全国順次公開)(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
  • 塚本晋也監督『ほかげ』(11月25日より全国順次公開)(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

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