第1作公開から52周年を迎え、10月からはBSテレ東にて全作放映されるなど、昭和から平成、そして令和になった今もなお、日本中に笑いと涙を届け続ける『男はつらいよ』シリーズ。来年は“寅年”ということで、 “寅年の寅さん”と題しさまざまな企画が目白押しなのだが、フランスのパリ日本文化会館にて、「UN AN AVEC TORA SAN」(One year with 寅さん)と題し、1年をかけて『男はつらいよ』全シリーズ50作が上映されることになった。海外で大々的に上映されるのは初となる。 これに先駆けて、11月20日に『男はつらいよ』本編先行上映(第1作『男はつらいよ』、第5作『男はつらいよ 望郷篇』)と「山田洋次が見た日本」の著者、クロード・ルブラン氏の講演会が開催された。「寅さんの人間像と映画で取り上げられるさまざまな風景、テーマといった山田監督独自の作風が確立されたのは5作目からではないか?」という視点で、『男はつらいよ』の世界を深く掘り下げるトークが繰り広げられた。 フランスにおいては、『男はつらいよ』シリーズの配給、映画祭などでの上映機会がほとんどなかったのだが、「“寅さん”の映画が上映されるのは素晴らしいことだ。日本人の日常生活はもっとフランスに知られるべき」と、今回の施策が実現。フランス人が日本社会や文化について理解を深める絶好の機会となることへ期待が膨らんでいる。 年明け1月15日から本格上映がスタート。『続・男はつらいよ』(2作目)から50作目『男はつらいよ お帰り 寅さん』までの全50作が2022年12月までに上映される。上映にあわせて、パリ日本文化会館のエントランスホールにて『男はつらいよ』の展示会も実施。オリジナルポスター8枚、レプリカポスター49枚、書籍、雑誌、新聞記事、ロビーカード等の関連資料が数回に分けて展示される予定だ。
2021/12/13
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