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歌麿・玉木宏に叩きのめされる若き北斎・柳楽優弥 初対面シーン解禁
 江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の人生を題材にした映画『HOKUSAI』。今月28日からの劇場公開に先駆け、まだ“葛飾北斎”という名を持たず勝川春朗という名で絵師をしていた若き日の北斎(柳楽優弥)と、その時すでに江戸中に名を馳せる売れっ子絵師となっていた美人画の大家・喜多川歌麿(玉木宏)の初対面シーンがWEBで解禁された。

まだ何者でもない若き日の葛飾北斎に大きな刺激を与える美人画の大家・喜多川歌麿(玉木宏) (C)2020 HOKUSAI MOVIE

まだ何者でもない若き日の葛飾北斎に大きな刺激を与える美人画の大家・喜多川歌麿(玉木宏) (C)2020 HOKUSAI MOVIE

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 九十年の生涯で描いた作品は3万点以上、代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、新千円札のデザインやパスポートに採用されるなど、今なお愛され続けている葛飾北斎。ゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちにも大きな影響を与え、米「LIFE」誌の“この 1000年で偉大な功績を残した100人”に選ばれた唯一の日本人でもある。

 本作は、北斎自身に関する資料がほとんど残されていない中、現存する関連資料や史実、作品が生まれた年代などをつなぎ合わせ、同時代に生きた人々との関わりの中でいかに才能を開花させ、「冨嶽三十六景 」などの傑作を生み出し、人生を全うしたのかを浮かび上がらせるオリジナル・ストーリー。今までほとんど語られる事のなかった青年時代の北斎も描かれる。
 
 解禁された本編映像は、北斎が数々の名絵師を世に送り出した希代の版元、蔦屋重三郎(阿部寛)を尋ねて吉原遊郭へ行くと、そこに遊郭一の花魁・麻雪(芋生悠)を描く歌麿もいた、という場面。「上手い魚があるぜ、お前さんも食っていけや!」と迎え入れる歌麿に、北斎は「贅沢な物は口に合わん」と反発すると、「まるで坊さんみてえな野郎だな! だから女に色気がねえんだよ」と歌麿に切り捨てられてしまう。

 さらに、歌麿に「おめえの描く女には色気がねえ。下手だとは言わねえよ、ただそうだな、てめえの絵は目の前にあるものを似せて描いただけの絵だ。上っ面だけで、命が見えねえ」と核心を突かれた北斎は、言葉を失いその場から逃げ出そうとするが、蔦屋の「逃げるのか。お前だけじゃねえぞ、絵師などほかにいくらでもいる」という言葉に踏みとどまる。

 歌麿が描くモデルの魅力や命が宿った絵を目の当たりにした北斎は、絵師としての魂に火がつき、周囲に認められる絵師になる決意と闘志をあらわにする。蔦屋の言葉を聞いた歌麿もまた、才能を秘めた若い芽に危機感を募らせ、誰にも負けないというプライドをたぎらせる。互いの存在が創作意欲を刺激し、切磋琢磨することで隆盛を極める浮世絵文化。自らの情熱を追い求め、常に高みを目指す彼らの向上心は、私たちにも力を与えてくれそうだ。

 青年期の北斎を演じた柳楽は「『面白くないな』という感じですよね。こういう世界では『ほめられたい』と思うでしょうし、蔦屋(重三郎)さんが歌麿を称賛するのは相当悔しかっただろうなと思います。それでも、周りの人から刺激を受けることはとても大事なことだと感じたので、北斎の“ハングリー精神”みたいなものを演じるのは楽しかったです」と、資料にもほとんど残されていないという知られざる青年期の北斎を自分なりの解釈で役作りに挑んでいた。

 また、大人の色気あふれる天才絵師・歌麿を演じた玉木も、「四角い部屋の中で、四者四様それぞれ違う思いを抱えて座っている面白さが詰まったシーンだと思います。最初に北斎が部屋に入ってきた時は、上から彼を攻めるような言葉を言っていたのですが、(蔦屋)重三郎が発した一言、『絵師なんて、いくらでもいる』という言葉は歌麿にも当然響いていて、常に新しい人が出てくる危機感というものがあったのだと思うんです。ぬるい気持ちで絵を描くのではなく、自分がヒットを生み出したいという思いも当然あると思うし、『このままじゃヤバい』という危機感のもとスイッチが入って、『見てろよ』と火がついた感じになればいいな、と思って演じました」と、絵師としてのプライドを胸に秘めながら演じたことを明かしている。

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