男子の青春ムービーの傑作に、『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』などのジョン・カーニー監督の半自伝的物語『シング・ストリート 未来へのうた』(2016年)があったが、そのガールズ版ともいえるのが今年度のアカデミー賞5部門ノミネート『レディ・バード』だ。女優グレタ・ガーウィグが初めて単独で監督を務め、脚本も手がけた作品で、17歳のヒロインの、高校生活最後の1年間を瑞々しく描いた物語は、ガーウィング自身が反映されているという。 『シング・ストリート』は、1985年のアイルランド・ダブリンを舞台に、14歳の少年が、ある日出会った年上の女性に一目惚れし、その女性を振り向かせるためにバンドを組んで、最高のミュージック・ビデオを撮ろうと頑張っていく話だった。劇中バンドの楽曲(オリジナルスコア)のほかに、デュラン・デュラン、ザ・キュア、a〜ha、ザ・クラッシュ、ザ・ジャムなどの80年代ブリティッシュサウンドが映画を彩った。
2018/11/21