■テレ東深夜の話題作に3連チャン

　俳優の村上淳（43）が「芝居ができるなら、なんだって」と、仕事への意欲をあらわにする。テレビ東京ほかで放送中の土曜ドラマ24『銀と金』（毎週土曜　深0：20）にレギュラー出演するほか、同局系で2月24日に放送されたドキュメンタリードラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』（毎週金曜　深0：52）第8話からゲスト出演。同じくテレビ東京系ドラマ24『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』（毎週金曜　深0：12）にもゲスト出演が決まっている。同じクールの（ドキュメンタリー）ドラマ3作品に顔を出すなんてめったにないこと。村上も「テレ東の人たちもびっくりですよ、またこいつ？って（笑）。この冬のことは、一生の思い出にしようと思っています」と充実感をにじませた。

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　『銀と金』と『カンヌ映画祭』はオファーだが、『バイプレイヤーズ』は「ドラマのことを知って、事務所にもお願いして、お願いして、しつこくお願いして、出させてもらいました」と明かす。『バイプレイヤーズ』には村上のように「ぜひ出たい！」と自ら立候補してきた役者が多数いたらしい。

　幸運にも出演がかなった村上は「6人とも共演させていただいたことがありましたが、遠藤憲一さんと同じフレームに入るのは初めて。憧れの大先輩たち、かっこよかったなぁ。尊敬していた先輩と一緒に仕事をして、もっと憧れる。この喜び、かけがえがないと思いません？」と身を乗り出して、続ける。「同時に、いまのままじゃ追いつけないな。もっと、自分のスキルを上げて、コミュニケーション能力も高めて、もっと頑張らなきゃって、思いました」。

　ファッション雑誌のモデルを経て、1992年に俳優デビュー。2000年に映画『ナビィの恋』『不貞の季節』『新・仁義なき戦い』などの演技で「第22回ヨコハマ映画祭」助演男優賞を受賞し、注目を浴びる。テレビ、映画を中心に独特の存在感を示し続ける一方、アパレルブランドを立ち上げたり、DJとしても活躍したり、ブーツブランドのデザイナーという別の顔も持つ。

　そんな多彩な村上が「芸歴23年の村上淳として、いま攻める時」とまるで20代の若手俳優のように生き生きと目を輝かせ、「40歳を過ぎてから芝居が楽しくて、もっとしたいと思うようになったんです」と話す。

■芝居がどんどん面白く　息子世代への思いも

　その変化は突然やってきた。「39歳も40歳もそんなに変わらないはずなんだけど、確実に40代に入ってから、芝居場で求められるもののレベルが高くなった。それまでは、これやってみてダメならこっち、それもだめならこれはどう？と、試す余裕を与えてもらっていたのだと思う。40代になってから、『一発で決めてください』『すぐできますよね』『できて当たり前』といった感じで周りから見られているのもわかるし、そこで結果を出していかないといけない。だから、どの現場も、もう必死。そうしたらね、芝居がどんどん面白くなって」。

　息子・村上虹郎（19）の俳優デビュー（2014年）とも微妙に時期が重なる。「その影響もなくはないけど、息子と同世代の20歳前後の俳優たちを意識するようになりましたよね。僕が『バイプレイヤーズ』の先輩たちにあこがれたように、後輩である息子たち世代にあこがれてもらえるような、夢を与えるようないい先輩にならないといけない。そういう意識は芽生えました」。

　レギュラー出演する『銀と金』では、年上のリリー・フランキー（53）とマキタスポーツ（47）、年下の池松壮亮（26）、臼田あさ美（32）らと共演。「僕、43歳ですけど、すごく勉強になりました。池松くんは、どうすればよりドラマが面白くなるか、すごく考えていて、出てくるアイデアも目のつけどろが鋭いんです。リリーさんとは初共演でしたが、『ぐるりのこと。』からはじまる日本映画界におけるリリーさんの快進撃が納得できたというか、いろんな周波数を持っていらっしゃる方だから、それぞれと波長を合せてくれて、僕とも合ったし、5人の波長も合ってくるし、そういう心地良さがありました。それが画面にも出ていると思う」。

　テレビドラマに限っても、WOWOW『連続ドラマW連続ドラマW 北斗 -ある殺人者の回心-』（3月25日スタート）、BSスカパー！オリジナル連続ドラマ『バウンサー』（4月14日スタート）と、村上の出演作のオンエアが続く。やる気と学ぶ意欲がある人は、チャンスをつかんでいくものだ。