各局、新ドラマが続々スタートする中、この冬一番の“熱波”が押し寄せているのがテレビ東京の4つのドラマだ。そのうち3つは深夜枠の30分ドラマなのだが、簡単に言ってしまうと「出演者がすごく豪華」。人気も演技力もあって、その両方が幅広くて、深い。ただ人気の俳優を集めました…だけではない熱を感じさせる力作感満載なのだ。

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　先陣を切って6日にスタートした『山田孝之のカンヌ映画祭』（毎週金曜　深0：52〜深1：23）では、ナレーションに大河ドラマ『真田丸』で株を上げた女優の長澤まさみ（29）を起用。カンヌ映画祭を目指して、映画を制作することになった山田孝之（33）が連れてきた主役が、芦田愛菜（12）だった。山田の独壇場なので、好き嫌いはあるかもしれないが、彼の（演じる）キャラクターを面白がれたら、楽しい3ヶ月になることは間違いない。

　きょう13日スタートのドラマ24『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』（毎週金曜　深0：12〜0：52※テレビ大阪のみ翌週月曜　深0：12）には、遠藤憲一（55）、大杉漣（65）、田口トモロヲ（59）、寺島進（53）、松重豊（53）、光石研（55）ら“名脇役”6人が本人役で登場し、第1話のゲストが役所広司（61）。いったい何の映画か、大河ドラマかと思わせる顔ぶれが集まっただけでも“熱波”を予感させる。

　しかも、脚本・監督は映画『アフロ田中』や『アズミ・ハルコは行方不明』の松居大悟氏（31）で、彼の尖った感性が芸達者な俳優たちの演技を「渋くてカッコいいのに、ゆる面白い」方向に輝かせる（ものと、期待）。役所のほかにも、第2話に荒川良々、池松壮亮、第3話に山口紗弥加、滝藤賢一のゲスト出演が決まっている。

　7日にスタートした土曜ドラマ24『銀と金』（毎週土曜　深0：20〜0：50）は、ギャンブル漫画の第一人者・福本伸行氏の同名漫画を実写ドラマ化するもので、主演が池松壮亮（26）、相手役がリリー・フランキー（53）。池松は連続ドラマこそ初主演だが、日本の主要映画賞で4つの助演男優賞を受賞し、ドラマ「MOZU」シリーズでは双子の殺し屋を一人二役で演じ、第39回エランドール賞新人賞を受賞するなど、実績は十分。リリーも映画『そして父になる』では、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞等を受賞するなど、いまや映画界には欠かせない存在だ。

　そして、20日スタートの金曜8時のドラマ『三匹のおっさん3〜正義の味方、みたび!!〜』は、北大路欣也（73）、泉谷しげる（68）、志賀廣太郎（68）が演じる私設自警団“三匹のおっさん”が町内の悪をぶった斬る、勧善懲悪ドラマの第3弾。過去2回の放送も親子三世代で楽しめるホームドラマとして好評を博した。第1話には、シャーロット・ケイト・フォックス（31）、長谷川初範（61）、相楽樹（21）がゲスト出演することがすでに発表されているが、結果として“朝ドラ祭り”になっていることに気づく。

　北大路演じるキヨの孫・祐希を演じる大野拓朗（28）は相楽と、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』（2016 年）で共演。北大路、志賀は、同『マッサン』（14年）でシャーロットと共演経験があり、キヨの妻・芳江に扮する中田喜子（63）は同『春よ、来い（第2部）』（94年）で長谷川初範と共演している。『とと姉ちゃん』以来、久々に撮影現場で再会した大野と相楽は、収録の合間に楽しく会話を交わすなど和気あいあいとした時間を過ごしたそう。朝ドラに負けず劣らずの演技合戦が楽しみだ。