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【とと姉ちゃん】唐沢寿明「いい役をもらえた。楽しみたい」

 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(月〜土 前8:00 総合ほか)は第13週(6月27日〜7月2日)で太平洋戦争が終わり、第14週(7月4日〜9日)から戦後編に突入。ヒロイン・常子(高畑充希)の“魂のパートナー”にしてカリスマ編集者・花山伊佐治がいよいよ本格的に登場する。花山を演じるのは俳優の唐沢寿明。「いい役をもらえた。楽しもうと思っています」。唐沢の言葉には、やる気が満ちあふれていた。

NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に花山伊佐治役で出演する唐沢寿明(C)NHK

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 唐沢が連続テレビ小説に出演するのは、妻で女優の山口智子と知り合った1988年後期『純ちゃんの応援歌』以来、27年ぶり。低迷した時期もあったものの、最近は高視聴率を獲得するヒット作が続いている同ドラマ枠について「いまの時代に欠けているものが、朝ドラにはつまっていますよね。ヒロインが一生懸命、頑張るとか。そういう単純なことが見えなくなりつつある現代だからこそ、余計に応援したくなったり、自分も頑張らなくちゃと思えたり。そういう単純な欲求はエンターテインメントにとってすごく大事なことかもしれません」。

 『とと姉ちゃん』は、女性編集者、エッセイストとして活躍した大橋鎭子(おおはし・しずこ)さんの足跡をモチーフにした物語。唐沢が演じる花山は、戦後、大橋さんと会社を立ち上げ、雑誌『暮しの手帖』を創刊し、名物編集長として活躍した花森安治(はなもり・やすじ)さんがモチーフ。

 花森さんは…おかっぱ頭でスカートをはき、男なのか女なのかわからない格好をしていたといわれる不思議な人。編集作業には常に全身全霊であたり、画期的な誌面を作り続けた人。そして生まれた名物企画「商品テスト」で、トースターを試すため食パンを4万3000枚以上も焼いたとか、さまざまな火事の原因を想定して家一軒を丸ごと焼いたとか、数々の伝説を残した人…。

 そんな花森さんの生き様が投影された『とと姉ちゃん』の花山もまた、美術的才能と文学的才能に恵まれ、天才的な編集センスと反骨精神にに富み、豪放な性格でユーモアあふれる人物として描かれる。

 一方、特別な才能はなくとも、考え、行動することで一つひとつの問題を乗り越えてきた常子。対照的な2人が繰広げる丁々発止のやりとりは、後半の見どころとなる。

■キャラクターに説得力を持たせる努力は、手を抜かずにやる

 「花森安治さんに関する本は事前に読みましたが、そこに答えが書かれているわけではないですからね。花山をどう演じるのが正解か、モチーフのどこをつかんで、どう表現していったらいいか。自分なりに考えて、周りと一緒に作っているところです」。

 撮影は進み、手応えは十分。「ドラマの中で花山のせりふに『女性のための雑誌を作っている以上、女性の気持ちを理解しないと編集長として失格だ』というのがあるんですが、その言い分はもっともだと思うけど、だからって女性のような格好までするだろうか? そこまでしてしまう花森さんはすごく真面目な人だったんだ、と思いました。真面目な人ってどこか不器用だったりしますよね。そういうところは花山にも取り入れていきたいな、と思いました」。

 図らずも唐沢が指摘した花森さんの「真面目さ」だが、同じことが俳優・唐沢寿明にも言えるのではないか、と思う。鞠子(相楽樹)や美子(杉咲花)が「唐沢さんのアドリブがすごいんです。私たちはもう笑うのをこらえるのに必死で…」と話していたことを唐沢に伝えると、「リハーサル室には小道具がまったくないけど、現場に入るといろんなものが置いてあるでしょう。それを見て急に思いついたことをやったりしてしまうんです。そのほうがより自然な感じになるかな、と思って。そのせいで次のせりふが出てこなくなって、自爆することもあるんですが(笑)」。

 唐沢の場合、単なる「思いつき」ではなく、俳優という仕事に向き合う“姿勢”とでも言うべきか…。「俳優の仕事で一番面白いのはいろいろな人物になれるってことですよね。でも、台本に書いてあるせりふを覚えて、それを言うだけで、その人物になれるかといったら、そんな簡単にことではない。キャラクターに説得力を持たせる努力は、手を抜かずにやる。いろいろ考えて、10個くらいやってみたうちの1個でも成功すれば、やってよかったと思えるし、それが楽しさ、やりがいにもつながっている」。

 唐沢の変幻自在なアドリブにもしっかり対応してくるのが、常子を演じる高畑だ。「ちゃんと常子としてついてくるから、この先どこまで成長するのか、恐しいくらい。すごく良い女優さんだと思います」(唐沢)。

 女装も辞さない花山の強烈なキャラクターは、ヒロインを食ってしまい兼ねない。そんな大きなお世話にも唐沢は「主役を立てようとか、そんなこと気にせず突っ走ります。だいたい、そんなので沈んじゃうような主役、ダメでしょう」とバッサリ。それだけ高畑への信頼は厚い、ようだ。

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