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『鋼の錬金術師』なぜ今実写化? 曽利監督「自信があるから踏み切った」

 アニメ化もされた人気漫画“ハガレン”こと『鋼の錬金術師』の実写映画化が発表され、大きな話題を集めている。錬金術が存在するファンタジーな世界観は、日本で映像化は不可能と言われ、ハリウッドでの映画化もうわさされてきた作品。大役を務める曽利文彦監督は“生きていくことの真実”を描いた原作に深い愛情を持ち、「このすばらしいストーリーを映画化するのが自分の悲願でもありますし、このために生きていると言っても過言ではない」と並々ならぬ熱意を語り、技術に自信が持てるようになったと断言できる今だからこそ、人気作の実写化に踏み切った。

 同作は、幼き日に最愛の母親を亡くした兄・エドワードと弟・アルフォンスの波乱に満ちた冒険と成長のストーリー。主演のエドワード・エルリックを人気グループ・Hey! Say! JUMP山田涼介、ヒロインで機械鎧(オートメイル)技師のウィンリィ・ロックベルを本田翼、原作でも人気の高い“焔(ほのお)の錬金術師”ロイ・マスタング大佐をディーン・フジオカが演じるほか、松雪泰子佐藤隆太らが出演。前後編の予定はなく、1作で完結させる。

 曽利監督は、松本大洋氏の漫画を実写化した『ピンポン』(2002)以来、初めて自ら企画した作品になるといい、「実写でできると思っていたし、(技術ができるまで)待ってもいいと思っていた」と思い入れたっぷり。米アカデミー賞の視聴効果賞を獲得したジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』(1997)でCGを手掛けた実績の持ち主で、本場の技術は十分に理解している。その上で「映像化不可能だったものが、昨今の技術の進歩で日本でも映像化できる時代に入ってきました。ハリウッドに肉薄する技術ですばらしい作品をつくりたい」と意気込んでいる。

 『ピンポン』でもCGを多用していたが、「今回は初めて全面にデジタル技術をアピールできる場ができた」と腕を鳴らす。「今までは(CGを)感じさせない場所に使っていたけれど、今回は『観てください』っていうようなCGを初めて披露できる。“感じさせないCG”と“観ていただきたいCG”が両方大量に入ると思う」。

 原作ファンが気になるのは、魂を大きな鎧(よろい)に定着させた体を持つアルフォンスの表現方法。ネット上では早くも不安な声も上がっているが、「ファンの方たちに十分満足していただけるものをお見せできると思う。アルフォンスに自信があるから、映画化に踏み切ったと言える」と含みを持たせた。

 技術面も含めて企画が実現に向けて具体的に動き出したのは、約3年前から。キャストは全員日本人で挑み、文化背景はヨーロッパがベースとなる。主人公の年齢は、原作の15歳から20歳前後に変更するが、「日本人ですと言うような表現は一切ない」と断言し、漫画の世界観を再現することにこだわる。

 自身と同じような原作ファンが多くいることも理解し、「この世界観でいかに優れたストーリーを展開できるか、映画として成り立つかが勝負なので、CGなど外側のものは当たり前にある映画にしたい。そこを語るのではなく、飾りがなくても皆さんの心に響く作品を映画として成立させるのが悲願」とストーリーにも重点を置く。

 6月にイタリアロケから撮影がスタートし、日本での撮影を経て8月下旬に撮影終了、2017年冬の公開を目指す。

 「原作が有名であればあるほど、役者さんとしてためらいがあると思う。そこを乗り越えて、役者さんに勇気をもってもらうために丁寧に口説いていった。今は皆さん前向きで一緒に作り上げていこうっていうチーム感が盛り上がっている」と胸を張る。目前に迫った撮影を前に「完成してからも、同じことを言えるように頑張ります」と宣言した。



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