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山崎育三郎インタビュー テレビで舞台へ恩返し…夢は「日本初のミュージカル映画」

 『レ・ミゼラブル』のマリウスをはじめ、20代のうちに名だたる作品と役柄を総ナメ、ミュージカルファンからは“プリンス”の愛称で親しまれている山崎育三郎(29)。夏に放送された日本テレビ系『THE LAST COP』に続き、今秋の最注目作品『下町ロケット』(毎週日曜 後9:00 TBS系)で熱血漢の佃製作所若手技術者、真野賢作に抜てきされた。甘いマスクと歌声で多くのファンを魅了するミュージカル俳優が今夏、テレビドラマへと本格進出したその真意を聞く。

TBS系ドラマ『下町ロケット』で熱血漢の若手技術者役を好演している山崎育三郎 (C)ORICON NewS inc.

TBS系ドラマ『下町ロケット』で熱血漢の若手技術者役を好演している山崎育三郎 (C)ORICON NewS inc.

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■ミュージカル界のプリンス、連ドラへ

 きっかけは子どもの頃に観に行った『アニー』。ミュージカルに興味を持ち始め「小3の頃から週に1回くらい歌のレッスンに通っていました」。才能は瞬く間に開花し、1998年に小椋佳の企画によるミュージカル『フラワー』の主演オーディションに2000人の中から選ばれた。

 ダンスや芝居の経験が全くなかったため「演出家に毎日怒鳴られながら、けいこを半年くらい続けました。何回も辞めたいと思うくらいつらくて、すごく厳しかった」。腐らず折れず耐え抜き迎えた初日。3時間近いステージを演じきり、カーテンコールで大拍手を浴びた。「その時に生で反応があるってことに感動して『これを仕事にしたい』って強く思いました」。その時、決意を固めた。

 その後は着実にキャリアを積み上げた。「子どもの頃から目標にして手帳に書いていた」という4作品、それぞれの役柄を射止めた。21歳で『レ・ミゼラブル』のマリウス役、24歳で『モーツァルト』のヴォルフガング・モーツァルト役、26歳で『ミス・サイゴン』のクリス役、そして29歳で『エリザベート』のルイジ・ルキーニ役を実現。今夏、30歳目前で一つの夢をかなえてしまった。

 「ミュージカルというジャンルをもっと知ってほしい。役者としての幅を広げたい」。次のステージを模索していたところ、声がかかった。「ミュージカル界の大先輩、石丸幹二さんが『半沢直樹』に出演されていて、それでプロデューサーさんが石丸さんの舞台を観に来てくれたときに共演していた僕のことを気に入ってくれたみたいで…」。渡りに船の依頼だった。

 もちろん勝手が違う現場では苦労もある。「ドラマの現場では、その日にセリフが変更になることがあるので、瞬発力が必要だなと感じています。舞台は2000人が入るお客様の中で一番後ろまで届くような表現を求められるんですけど、ドラマの場合だと、近い空間だけでお芝居を成立させるということもすごく新鮮です」。

 「福澤(克雄)監督が一つのシーンを長回しして、繰り返しやっていく方なので、すごく緊張感があります。舞台出身の僕としては長回しのほうがむしろ好きなのですが、入念な準備期間をおける舞台に比べて、膨大なセリフを短時間で覚えて一気に詰め込んでいく必要があるので、それは大変ですね」。

■テレビの力を実感、夢は再びミュージカルへ

 ミュージカルでは王子寄りの役が多かった山崎だが、今作ではそのイメージを払拭。華やかな衣装は下町工場の作業着に変わり、ひげを蓄えた。「ミュージカルの僕を知ってる方は『違和感がある』『新鮮だ』って声が多い。逆に僕のことを知らない方にしたら『ひげを生やした真野くん』ってイメージがあるのかも」。

 環境の変化はプライベートにも訪れた。「福井県で撮影があった時に『下町ロケットの真野さんですか?』って声をかけられたんです! そういうことはミュージカル俳優の仕事をしている時にはなかなかないので、やっぱりドラマの反響というのはものすごいんだなと思いました」。

 芝居の幅を広げるべくテレビに進出し、テレビの力を実感。それでも最後はミュージカルに帰結する。「20代はミュージカルのステージを立つことだけを夢見てきたんですけど、30代はチャレンジの年でいろいろと吸収していきたい。ここからは自分はこれ、と決めつけず、歌を歌うことや芝居すること、ストレートプレイ(歌唱を含まない演劇)など、どの舞台に立ってもいろんな表現ができるようなエンターテイナーになりたい」。

 その先にはまだ果たしていないもう一つの夢がある。「日本初のミュージカル映画ができたら面白いなと思ってます」。そう話すと、目の輝きが増した。

 「『レ・ミゼラブル』が映画化された時に、僕は舞台の方をやっていたのですが、映画を観てから生の舞台を観に来てくださるお客様が多くてチケットが完売しました。ミュージカルを観たいと思うきっかけを映画が作ったというのは自分の中ではすごく大きくて…日本でもそういうことができたらいいなっていうのはあります。将来、ミュージカル映画ができた時、自分の名前がなかったら絶対嫌です。そうならないように、これからは自分から『日本初のミュージカル映画をやりたい』と声高に言っていきます」。

 20代で一つの夢をかなえた山崎、次の夢がかなう日はいつになるのか。ちなみに15日放送回の次回予告で、ひげを剃り落とした真野が登場。『下町ロケット』後編「ガウディ編」からは“本来”の山崎に戻るが「ようやく覚えてもらえた印象なのに、またイメージ変わっちゃうかもしれませんね。こちらの僕もよろしくお願いします」といたずらっぽく笑っていた。

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  • 山崎育三郎 (C)ORICON NewS inc.
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