NHKできょう10日から、土曜ドラマ『破裂』(毎週土曜 後10:00、全7回)がスタートする。来るべき超高齢化社会を前に、老化した心臓を若返らせる“夢の治療法”をめぐって、エリート医師と天才官僚が対決する医療サスペンスドラマ。そんな“夢の治療法”が現実のものとなったら、人はより幸せになれるのだろうか。
原作は、現役の医師でもある久坂部羊氏の同名小説。久坂部氏によれば、「長寿は喜ばしいことですが、ただ単に長生きをすればいいわけではありません。介護の問題、その先にある死をどうするのか。医療が命を延ばし続ければ、寝たきり老人ばかりを増やさないともかぎらない」と、医療が必然的に抱える矛盾を背景に、この物語は生まれた。
よい医者になりたいという純粋な思いを持ちつつも、虚栄心に惑わされてしまう“夢の治療法”を発明したエリート医師・香村鷹一郎(かむら・よういちろう)役を椎名桔平、その療法の“副作用”を利用し、高齢者を抹殺しようとする策略家の敏腕官僚・佐久間和尚(さくま・かずひさ)役を滝藤賢一が演じる。
勝田夏子チーフプロデューサー(CP)は「この企画は11年前に原作本が出た時からドラマ化したかったのですが、いま、この2015年というタイミングで実現できたことが、ベストタイミングだったのではないかと思っています」と自信を見せる。その理由の一つが、椎名、滝藤をはじめとするキャスティング。勝田CPは「実力派演技派のベテランの皆さんにおそろいいただいて、適材適所でピタッとはまって演じていただける。こういう座組が成立したこのタイミングに非常に感謝しております」と思わず笑みがこぼれる。
もう一人のキーパーソンが、香村療法の被験者第1号となる俳優の倉木蓮太郎で、名優・仲代達矢が演じる。実は、香村は倉木の隠し子で、幼い頃、自分と母親を捨てた倉木のことを憎んでおり、40年ぶりに医者と患者という立場で再会するという展開。お互いに葛藤を抱えた父子のヒリヒリするような関係性が椎名と仲代の熱演により、ビビッドに伝わってくるのはドラマならではの醍醐味だ。
勝田CPが「ベストタイミング」と語るもう一つの理由が、目をそらすことのできない“現実”にある。「今年、団塊の世代の皆さんが全員、高齢者と呼ばれる65歳以上になりました。10年後、2025年に、この方たちが全員後期高齢者になると、その時点で日本人の3割が高齢者になると言われています。これから10年で日本の社会は劇的に変わっていく。これからどうなっていくのか。この切実な問題をテーマにしています」。
30代半ば以上の視聴者にとっては、親の介護や自身の老後の不安など、身につまされるテーマかもしれないが、そこはドラマ。現実に片足を残しながら少しだけSFに飛躍した妙味があり、「大人のエンタテインメント」として観れば何か残るものがあるだろう。
原作は、現役の医師でもある久坂部羊氏の同名小説。久坂部氏によれば、「長寿は喜ばしいことですが、ただ単に長生きをすればいいわけではありません。介護の問題、その先にある死をどうするのか。医療が命を延ばし続ければ、寝たきり老人ばかりを増やさないともかぎらない」と、医療が必然的に抱える矛盾を背景に、この物語は生まれた。
よい医者になりたいという純粋な思いを持ちつつも、虚栄心に惑わされてしまう“夢の治療法”を発明したエリート医師・香村鷹一郎(かむら・よういちろう)役を椎名桔平、その療法の“副作用”を利用し、高齢者を抹殺しようとする策略家の敏腕官僚・佐久間和尚(さくま・かずひさ)役を滝藤賢一が演じる。
勝田夏子チーフプロデューサー(CP)は「この企画は11年前に原作本が出た時からドラマ化したかったのですが、いま、この2015年というタイミングで実現できたことが、ベストタイミングだったのではないかと思っています」と自信を見せる。その理由の一つが、椎名、滝藤をはじめとするキャスティング。勝田CPは「実力派演技派のベテランの皆さんにおそろいいただいて、適材適所でピタッとはまって演じていただける。こういう座組が成立したこのタイミングに非常に感謝しております」と思わず笑みがこぼれる。
もう一人のキーパーソンが、香村療法の被験者第1号となる俳優の倉木蓮太郎で、名優・仲代達矢が演じる。実は、香村は倉木の隠し子で、幼い頃、自分と母親を捨てた倉木のことを憎んでおり、40年ぶりに医者と患者という立場で再会するという展開。お互いに葛藤を抱えた父子のヒリヒリするような関係性が椎名と仲代の熱演により、ビビッドに伝わってくるのはドラマならではの醍醐味だ。
勝田CPが「ベストタイミング」と語るもう一つの理由が、目をそらすことのできない“現実”にある。「今年、団塊の世代の皆さんが全員、高齢者と呼ばれる65歳以上になりました。10年後、2025年に、この方たちが全員後期高齢者になると、その時点で日本人の3割が高齢者になると言われています。これから10年で日本の社会は劇的に変わっていく。これからどうなっていくのか。この切実な問題をテーマにしています」。
30代半ば以上の視聴者にとっては、親の介護や自身の老後の不安など、身につまされるテーマかもしれないが、そこはドラマ。現実に片足を残しながら少しだけSFに飛躍した妙味があり、「大人のエンタテインメント」として観れば何か残るものがあるだろう。
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2015/10/10