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杉本哲太&八嶋智人が明かす、俳優全員で円陣を組んだ『HERO』現場

 ついに完成した映画『HERO』。おなじみ城西支部の面々を演じるメンバーも、ほぼ全員が仲良く並んで試写を鑑賞したという。杉本哲太演じる田村雅史検事と、コンビを組む遠藤賢司事務官に扮した八嶋智人。劇中と変わらない雰囲気のふたりに、『HERO』の裏側を訊いた。

◆「なにい?」は自然に生まれて勝ち取った名セリフ

「自分が出ている作品を観るのは、照れくさいなあと思うほうなんですけど。そんなことを忘れるぐらい楽しかったです。映画ならではのダイナミックな演出がある一方、馬鹿馬鹿しくも過剰な演出がある。シリアスなところからおバカなところまで。そんなところにまでお金をかけるのね、というところもある(笑)。まさに“鈴木雅之(監督)ワールド”でしたね」と完成したばかりの映画を観終わった八嶋智人は語る。

 すると杉本は「今回の映画もそうなんですけど、田村はどこまで真面目にやったらいいのか、ある程度ふざけてやっていいのか、わからないんですよ。自分のなかではなかなかジャッジができなくて、鈴木さんに判断していただいていました」。とくに、今回、田村の見せ場になるアクションシーン(!)は難しかったとか。だが、そのサジ加減こそが『HERO』なのだという。

 ところで、田村といえば「なにい?」が口癖。
「映画の撮影中、八嶋さんが『哲太さん。ここは「なにい?」ポイントじゃないですか?』と悪魔の囁きをしてくるんです(笑)。それで、台本にはないところに『なにい?』をぶち込んでいったんですけど。案の定、全部カットされました(笑)。でもね、あれはやることに意義があったんです!」(杉本)

「チラシのキャラクター紹介にも『「なにい?」を多用する野心家の検事』と書かれていますからね。ぜひ、『なにい?』ポイントを復活させていただきたい!(笑)」(八嶋)

 そして「なにい?」誕生秘話も明かしてくれた。
「ドラマの最初の方の回の、わりと長いシーンで、田村が「なに?」と3回ぐらい言うところがあったんです。ただ「なに?」って繰り返してもおもしろくないなということで「なにい?」と言ってみたんです」(杉本)

「つまり自然に生まれて、それを(脚本の)福田(靖)さんがご覧になって、ホン(脚本)に『なにい?』として反映されてきたわけですから。それは、哲太さんが『勝ち取った』ものですよ(笑)」(八嶋)

◆絶妙なサジ加減でついに具現化する牛丸と田村の…

 劇中の田村&遠藤そのままのコンビネーション。さて、城西支部では古株の遠藤にとって、新メンバーの田村はどう映っていたのだろう。八嶋はこう話す。

「野心家でプライドが高くて策略家。本来、お出かけ捜査なんかしないっていう人。そんな田村が変化した。そこはもう(ドラマに)あるわけです。だから今回は、ちゃんとスイッチが入ったら誠実に立ち向かう。その『やる気』スイッチはもうある。あとは、どのタイミングで押すか。それは、(検事と事務官)お互いにあると思いますよ。事務官には事務官の範疇があって、ここ一番は、検事の人に行動してもらわないと、付き添ってはいけない。映画では、そのスイッチをどう綺麗に押すのか。鈴木さんも、福田さんも、そこを探っていた。結果、それぞれのコンビが見事に描かれていると思います。おのおのの尾びれ、背びれのようなコンビ感が、何もしなくても出ていると思いますね。それが、去年みんなで一緒にドラマをやった財産です」

 そして、それぞれにとっての“HERO”という存在について聞くと、杉本はシリーズを振り返り、こんなエピソードを教えてくれた。
「城西支部のフリースペースって、長回しのシーンが多いんですよ。でも、長回しのシーンを成立させるのはスタッフもキャストも大変。そしたら木村さんがあるとき『みんな集まろう』と言って、俳優部全員で円陣組んで『おー!』ってやったんです。それまでテストで何度か長台詞をかんでいた僕は、それにすごく助けられましたね。そのあとは一発オッケーで台詞が言えた。一体感が生まれたあのときのことは印象的でしたね。円陣組む現場なんて、ないですよ」

 八嶋もいう。「撮影中って、アクシデントがあるんです。でも、みんなでそれを乗り切った。それは去年のテレビも、今回の映画も。木村さん自身、仲間と一緒に乗り切ったと思ってくれていますよね。前に進む力。(このチームは)それが強かったと思いますね」。

 そして最後に、最新映画、とっておきの見どころを教えてくれた。
「ついに、具現化することがありますよね。みんな、きっとそうだろう、と思っていた、牛丸と田村に関するあのことが……! ドラマの最終回で出るかな、と思ったら、出なかった。それをここに残していたんだなと。映画のなかでも絶妙なサジ加減で……」(八嶋)

「しかも最初はボカしているから……」(杉本)
「あれだよね、あれに決まっているよね、あ、出たー! みたいな(笑)。いい焦らし効果になってますよ。みんな、『きっとそうだろう』と思っていたことが『そうだ』になる瞬間は、映画のいいくさびになっていると思います。あそこは、映像的ウイットだなと」(八嶋)
(文:相田冬二)



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