ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

山一證券の金融破綻を連ドラ化 原作は清武英利氏のノンフィクション

 2014年度講談社ノンフィクション賞を受賞したジャーナリスト・清武英利氏の『しんがり 山一證券最後の12人』(講談社)がWOWOWで連続ドラマ化されることがわかった。自主廃業に追い込まれた山一證券で、最後まで仲間と共に闘い続けた名もなき社員たちの物語。日曜オリジナルドラマ枠(日曜 後10:00)で9月に放送を予定している。

『しんがり 山一證券 最後の12人』(原作:清武英利、講談社)WOWOW日曜オリジナルドラマ枠で連続ドラマ化

『しんがり 山一證券 最後の12人』(原作:清武英利、講談社)WOWOW日曜オリジナルドラマ枠で連続ドラマ化

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 1997年11月、四大証券の一角を占める、“人の山一”と呼ばれた山一證券が自主廃業を発表した。誰もが予想だにしなかった巨大金融企業の破綻は、日本経済に大きな打撃を与えるだけでなく、日本の終身雇用の終わりを告げる事件となった。

 幹部ですら直前まで、約2600億円もの帳簿外の債務があったことを知らされていなかった。簿外債務の法律違反があること、会社が大きすぎて財務体力も銀行の支援もないことから、大蔵省は、事業を継続しながら自主再建する「会社更生法」の適用でなく、「自主廃業」を求めた。2600億円の簿外債務は、いつ、どのように生まれ、どのように隠し続けられたのか。

 そんな沈みゆく会社に最後まで踏みとどまり、経営破綻の真相究明と顧客への清算業務を続けた一群の社員がいた。戦に敗れて退くとき、軍列の最後尾で戦う“後軍(しんがり)”を買って出たのは、社内から“場末”と陰口を叩かれ、煙たがられた部署の連中だった。

 ドラマ化決定にあたり、清武氏は「ドラマに向いていないと思っていた。彼らは半沢直樹のようなスーパーマンではなく、何事もなければ他人に知られることもなかった普通のサラリーマンでありOLだから。たまたま、山一證券の破綻のときに会社の後列から押し出され、心の奥底の固い芯が現れたのだろう。企業敗戦はどこにでもあり得ることで、私たちの隣にある現実だ。もしもこのドラマに心を動かされる人がいたとしたら、その人のなかにも“しんがり人”と同じような抵抗と希望の力が潜んでいるからだと思う」と、コメントを寄せている。

 監督は、2013年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞した『ドラマW チキンレース』(同局)、映画『柘榴坂の仇討』の若松節朗氏、脚本は『相棒』シリーズなどを手がける戸田山雅司氏が務める。キャストは後日発表される。

関連写真

  • 『しんがり 山一證券 最後の12人』(原作:清武英利、講談社)WOWOW日曜オリジナルドラマ枠で連続ドラマ化
  • 『しんがり 山一證券 最後の12人』(原作:清武英利、講談社)
  • 元新聞記者の清武英利氏

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索