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女子高生の動画が世界的な話題になったパルクール、日本の第一人者・ZENが語る本質

 日本の女子高生が追いかけっこをする動画『忍者女子高生/制服で大回転』がYouTubeで再生670万回を超え、世界的に話題になるとともに、そこで映し出される“パルクール”パフォーマンスが注目を集めている。日本におけるパルクールの第一人者・ZENに、じわじわと話題が広がるパルクールについて聞いた。

◆限界を知った上で挑戦していくもの

 パルクールとは、フランス発祥のトレーニング・カルチャーであり、身の回りにある環境を使って体を鍛え、特別な道具などを使わずに、自身の身体能力のみで障害物を乗り越え移動する方法。パルクールを取り込んだフランス映画『アルティメット』(2004年)や『YAMAKASI』(2001年)の大ヒットで世界的に大きく認知された。ZENは、パフォーマーとしてその魅力を語る。

「パルクールの基本にはトレーニングのメソッドがあるので、パルクールを通して自分自身を知る機会が、すごく増えました。普段深くは考えないけれど、自分の限界を知ることで、次に活かせる点が魅力ですね。自分の今の限界を知らないことには、現状を押し上げることができないし、自分が思っている以上に、できないことも多い。パルクールは限界を知った上で挑戦していくものなので、行きすぎず、溝を埋めていけるところも魅力です」

 今年劇場公開された、故ポール・ウォーカーとリュック・ベッソン監督のコラボ作となるアクション大作『フルスロットル』(Blu-ray&DVD発売中)でもパルクールが取り入れられ、共同創始者のひとりであるダヴィッド・ベルが出演。その人間離れした生身のパフォーマンスが話題となり、パルクールに再び熱い視線が集まった。

「主演のダヴィッド・ベルは、パルクールのカルチャーにおいてほぼルーツの人で、『アルティメット』が登場した当時、すでに僕らのシーンでは話題でしたが、それ以降、彼がシーンから距離を置いてしまって。引退とかいろいろな憶測が飛び交うなか、今回の『フルスロットル』に主演していることをニュースで知りました。そのとき、トレーニングを続けていたかどうか疑問がわいたけれど(笑)、今回の映画を観て、改めて健在ということを思い知らされました。ルーツが健在で、なおかつ第一線で現役ということは、僕らには心強いことです」

◆シーン全体で期待して毎回よく観ています

 しかし、本来トレーニングであるパルクールを、映画のシーンで“魅せる”ためには、派手な演出などの必要もあったのかもしれない。その点についてZENに聞いてみた。

「映画として成立させるために、パルクール以外の要素を採り入れることもあると思いますが、ダヴィッド・ベルが嫌がるかなぁって想像しますね(笑)。彼自身、見せ切るシーンでは、パルクールだけにこだわらず見せ切る努力をしていて、彼なりのこだわりがあると思います。それは映画を観ていて感じるけれど、でも違和感はまったくない。ちなみに僕は序盤のシーンの敵が、彼が演じるリノの部屋のドアを突き破ったと同時に、内側から突き破り返すシーンが大好きです(笑)。『アルティメット』でのこのシーンも最高でしたが、今の彼のスタイルで観られるので、これほどうれしいことはなかったですね」

 ZENは同作の劇場公開時には宣伝隊長を務め、映画のシーンをイメージした特別映像(ゼロG=無重力のパルクール映像 feat.ZEN)に出演。自らアイディアを出したスタイリッシュかつ高難度の激しいパフォーマンスを披露した。

「お話をいただいたときは純粋にうれしかったですし、ルーツであるダヴィッド・ベルの主演作と同じタイトルを借りて、言わば一緒にやれることがうれしかったですね。パルクール界に奉仕もしているというか、関われている気がして、気分がよかったです(笑)。彼の動きに敬意を払って、彼が体現していることを少しでもできればと思い、そういうスタイルを考えて撮影させていただきました。僕のなかでは彼なら何をするかな? と考えながら作っていったシーンもあるので、もちろん僕自身のスタイルもありますが、ベルの気持ちになって作りましたね」

「僕らはパルクールの映画が登場すると知れば、シーン全体で期待して、毎回よく観ていますが、『フルスロットル』にはダヴィッド・ベルも出ていて、もう間違いない! とってもオススメですね!」

 パルクールはこれまでにも『アルティメット』や『YAMAKASI』でのスタイリッシュなアクションが話題になっていたが、『007 カジノ。ロワイヤル』『ダイハード4.0』など数々のハリウッド大作にも取り入れられていることでも知られる。



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