作家・島田雅彦氏原作の金融サスペンス小説を俳優の及川光博（45）と女優の黒木メイサ（26）のW主演でドラマ化した『連続ドラマW 悪貨』の放送が23日よりWOWOWプライムでスタート。今作が初共演で、お互い秘密を抱えながらも惹かれ合っていく役どころを演じる二人。取材の現場でなぜか及川は黒木のことを「黒木先輩」と呼び、黒木もそれを自然に受けて入れている。二人の間に何があったのか!?

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――二人ともWOWOWのドラマは初出演ですね。

【及川】すごく丁寧に時間をかけて撮っているので、前後編2本分の映画を撮っているみたいですね。1カット1カット丁寧に撮っておけば、仕上がりはきっと美しいものになるだろうと、確信しています。黒木先輩は？

【黒木】奥深いストーリーのミステリアスな感じが画面から伝わってくる仕上がりで、オンエアがとても楽しみです。

【及川】金融サスペンスでありながら、ラブストーリーでもある。見どころ満載ですね、黒木先輩！

――及川さんはなぜ「黒木先輩」呼び？

【及川】台湾ロケがあったんですが、その打ち上げを兼ねて焼き肉を食べに行った時、『メイサ』と呼び捨てにするのは僕らしくないな、と思っていたら自然と「黒木先輩」と呼んでいました（笑）。

【黒木】そうですね、私も自然と受け入れてしまいました。

【及川】しかも、黒木さんが肉を焼く、焼く、もう、わんこそば状態（笑）。手際よくみんなに焼けた肉を取り分けてくれるメイサさんを観て、やはり「先輩」だな、と。その節はありがとうございました。

【黒木】お肉が大好きなので、ここぞという一番のタイミングで美味しく食べていただきたいんですよ。焼き肉屋さんに行ったら、肉は食べる時まで触らせませんよ（笑）


【及川】ご覧のとおり、なんとも素晴らしいDNAで生まれてきた方で、すごくクールで、大人で、シュールなギャグを飛ばしてもスルーされるんだろうなと思っていたら、時折、あどけない笑顔を見せてくれて…。そのギャップにやられました。

【黒木】ありがとうございます。及川さんは、謎の大富豪・野々宮冬彦という役を演じている顔と、素の及川さんなのかなぁと思う顔と、さらに“ミッチー”の顔と、掴みどころがない方だなぁと思っていました。気さくにお話してくださるのですが、どれが本当の及川さんなんだろうと考えてしまったり、そんなことすら忘れてしまうくらい、その時々の及川さんに魅了されていたり。正直、ちょっとまだつかめていないです。

【及川】“ミッチー”は照れが生み出した“ゆるキャラ”みたいなもの。その場を盛り上げるミッチーと、いきなり熱く語る及川さん。掴みどころがないというところでは野々宮っぽいのかもしれませんね（笑）。でも、野々宮という役では……ミステリアスな哀愁漂う男を頑張って演じています。

――巨額の資金を操る謎の大富豪という肩書からして、かなりミステリアス。

【及川】ストーリー展開と共に、野々宮がどんな男か、メッキが剥がされていくんですけど、追い詰められて、堕ちていく様がまさに野々宮の見せどころですし、最初から哀しい結末臭がぷんぷんしている男です。大爆発や派手なアクションシーンがあるわけではないですが、登場人物たちの心理戦でドキドキしてもらえるんじゃないかなと思います。

――黒木さんは今回、警視庁捜査二課の捜査官・宮園エリカ役で、マネーロンダリングの疑いが掛かる宝石店に潜入捜査し、その捜査線上に浮かび上がった野々宮に接触を図ろうとする役どころ。どのように演じましたか？

【黒木】潜入捜査官として職務をまっとうしたい責任感と、野々宮さんのことを知れば知るほど湧いてくる感情と、そのバランスが難しかったです。野々宮さんと出会う前と、それ以降のエリカの違いをうまい具合に演じ分けたいと思って挑みました。

【及川】どこまでが仕事上の顔で、どこからが一人の女としての顔なのか、相手に悟られないように、でも視聴者には感じてもらえるように演じるのって難しいよね。でも、世の女性は上手く仕事の顔と、女の顔をうまく使い分けたりしているよね。それで、男性は勘違いしたり騙されたりする（笑）。視聴者の皆さんは、二人の恋がどこまで本気なのかというところにスリルを感じてもらえたらうれしいですし、疑いながらも信じあうという奇妙な関係性の二人、その結末はいかに、続きはドラマで！

　WOWOWの日曜オリジナルドラマ『連続ドラマW　悪貨』は11月23日スタート、全5話（※第1話無料放送）。