大ヒットドラマ『半沢直樹』（TBS）に続き、『花咲舞が黙っていない』（日本テレビ）、『ルーズヴェルト・ゲーム』（TBS）と、作家・池井戸潤氏の小説が次々とドラマ化される中、次はWOWOWで『株価暴落』（文春文庫）のドラマ化が決定。俳優の織田裕二が主人公の銀行員役で主演することがわかった。WOWOWのドラマも、池井戸作品も、銀行員役もすべて初挑戦となる織田は「すごく新鮮な気持ちです。とても素晴らしい制作チームの作品に参加できることを今から楽しみにしています」と気合十分だ。今秋放送予定。

　同作は、メガバンク白水銀行で経営再建中の巨大スーパー・一風堂への追加融資について議論が紛糾する中、一風堂の店舗で爆破事件が発生することから始まる。経営危機に陥りながらもプライドを捨てきれない巨大企業、彼らの生殺与奪の権を握るメインバンク、企業テロの真相を追う警察、そしてそれらを取り巻く人々の複雑に絡み合う思惑を通して、銀行と巨大企業にはびこる闇に鋭く切り込む。金融ドラマ、企業サスペンス、警察ドラマとさまざまな顔を併せ持つエンターテインメント作品。

　織田が演じるのは、メガバンク白水銀行の審査部審査役の板東洋史。組織の論理に染まらず、自らの信念に忠実に突き進む熱き孤高のバンカーだ。ドラマの脚本を読んで、織田は「筋を通そうとしている坂東の生き方はものすごく大変だろうな、と感じました。この作品には、それぞれ違う立場で様々な想いや大変さを抱えた人たちが出てきて、それぞれ生き様も違う。自分なら最終的にどういう生き方を選択するかを投げかけられている気がしました」。

　『踊る大捜査線』シリーズでの刑事役をはじめ、これまでドラマや映画でさまざまな役を経験してきた織田だが、「演じる役柄によってモノの見方が変わるので、演じた役に影響を受けて自分の考え方そのものが変化していくこともあります。それも役を演じていて楽しいところですね」と撮影を心待ちにしている様子だ。

　ほかに、上昇志向が強く銀行内の派閥形成に余念のないエリート行員・二戸役に高嶋政伸、爆破事件現場に遭遇する青年に瀬戸康史、その恋人に川島海荷、爆破事件を追う刑事に板尾創路、経営再建中の巨大スーパーマーケットで独裁的経営に立ち向かう取締役・財務部長に石黒賢、会長の懐刀と言える存在でさまざまな裏仕事に従事してきた取締役・広報室長に石橋凌など、実力派キャストが名を連ねる。

　WOWOWと池井戸作品のコラボレーションは、『空飛ぶタイヤ』（2009年）、『下町ロケット』（2011年）に続く第3弾。池井戸氏は「『株価暴落』を書いていたのは、暗中模索で小説の書き方を探っていた頃でした。『空飛ぶタイヤ』や『下町ロケット』など、その後書くことになる群像劇の原石とでもいうべき作品を、ドラマ化という形で再び世の中に問えることは作者としてうれしい限りです」とコメントを寄せた。

◆池井戸潤氏原作のテレビドラマ
『果つる底なき』2000年　フジテレビ　主演：渡辺謙
『空飛ぶタイヤ』2009年　WOWOW　主演：仲村トオル
『鉄の骨』2010年　NHK　主演：小池徹平
『下町ロケット』2011年　WOWOW　主演：三上博史
『半沢直樹』2013年　TBS　主演：堺雅人
『七つの会議』2013年　NHK　主演：東山紀之
『花咲舞が黙ってない』2014年　日本テレビ　主演：杏
『ルーズヴェルト・ゲーム』2014年　TBS　主演：唐沢寿明
『株価暴落』2014年　WOWOW　主演：織田裕二