NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』（月〜土　前8：00　総合ほか）で女優・杏演じるヒロイン・め以子の夫・西門悠太郎を演じ、人気急上昇中の俳優・東出昌大（25）。今作への想いからパーソナルな部分まで話を聞けば聞くほど、好青年そのものだった。

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――前作の『あまちゃん』にも若き日の大吉役で出演し、2作連続ですが…。

　「『あまちゃん』の撮影からだいぶ時間が経ってから、『ごちそうさん』の撮影が始まったので、そんなに意識することはありませんでした。『あまちゃん』の撮影も数日でしたので」

――『あまちゃん』が大ヒットし、その後続くプレッシャーは？

　「自分自身としては波に乗っかれればいいな、シメシメなんて思っていましたけど（笑）。自分たちは自分たちでいいものを作ろうという思いしかなく、やるべきことをやっていくしかないですね」

――『ごちそうさん』も高視聴率ですが…。

　「そんなに視聴率が現場の雰囲気を左右している感じはないですね。現場は先々の撮影に追われて一生懸命ですので。でも、『視聴率良かったよ』と言われると、うれしいです」

――周囲の反応は？

　「反響はインターネットを見ることもあります。厳しい意見も多いのですが、正直な声だと思います。僕は東京出身ということもあって、関西弁が上手く話せていなくて叩かれるんじゃないかと心配していたのですが、半々くらいだったので、少しホッとしています。それと、『○○さんに似ている』とよく言われるんですが、それも松本潤さん、瑛太さん、妻夫木聡さん、チュートリアルの徳井さん、有吉弘行さん…といろいろで、面白いですね。小学生の頃、ちょうど猿岩石が大人気だった時に有吉さんに似ているとよく言われていたんですが、いまだにそう言われることにびっくりしています。

――大阪弁のセリフのために上方落語を聞いているそうですが。

　「（桂）米朝さんとか、先代の（桂）文枝さんとか、古い方のをなるべく聴くようにしていますね。参考にするなら、昔の品のいい大阪弁。昨日もちょうど、家で米朝さんの『始末の極意』を見ながらお酒を飲んでいました」

――背が高いですね…。

　「身長は189センチあります。高校3年で身長は止まりました。中学2〜3年で26センチも伸びたんですよ。『ごちそうさん』では“通天閣”と呼ばれていますが、飛行機や新幹線の座席は窮屈だし、頭もよくぶつけるし、それで猫背にもなるし、サイズの合う服も少ないし、着物も2反使うし（笑）。でも、親からもらった身体なので」

――『ごちそうさん』の撮影のために大阪で一人暮らしをしているそうですが。

　「大阪は食べ物屋さんの値段が安くて、ボリューミーでおいしいですよね。『ごちそうさん』でも描いていますが、出汁を大事にしている感じがします。僕は東京出身ですが、父が和歌山出身で和食の料理人なので、我が家のお正月のお雑煮は白味噌でしたし、父の作る料理はたいてい薄味だったので、関西の味も大好きです」。

――自炊するんですか？

　「料理しますよ。といっても、お味噌汁を作って、魚焼いて、ご飯と納豆があれば十分な感じです。撮影で余った鯛をいただいて煮付けにしたり、夜釣りに出かけて釣ったうなぎを家でさばいて焼いたりしました。中学の頃から両親が共働きだったので、テーブルに置いてある1000円札で材料を買って、パスタ作ったり、ハンバーグ作ったりしていました。料理は母に教えてもらいました。父が作るものはレベルが違いますから。うなぎはインターネットを見ながらさばきました（笑）」

――剣道を教えているとか？

　「父が教えている道場に小学1年から高校まで通っていました。それ以外、習い事をさせてもらえなかったのでしぶしぶやっていたんですが、いろいろ身についたものはあると思います。恩返しのつもりでたまに手伝っています。高校の剣道の先生が、剣道を学んでいるのではなく、剣道をしながら別のことを学んでいるとおっしゃった言葉が印象に残っていて、僕も子どもたちに強くなることより、きちんとあいさつをするとか、トイレのスリッパをそろえるとか、そういうことを学んでほしいと思っています」

　東出は『メンズノンノ』などのファッション誌やショーのモデルとして活躍し、昨年公開された映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューしたばかり。長身のイケメンという見た目だけでなく、剣道で心を磨き、料理もできる。『ごちそうさん』ではそんな人柄までもが透けて見えるようだ。国民的ドラマの追い風を受け、俳優としてさらなる成長が期待される。