自衛隊出身で、自身演出の舞台ではけいこ前に厳しい体力トレーニングを行うなど、ストイックな俳優として知られる今井雅之（51）。今回、世間の注目を集める酒井法子（41）の女優復帰舞台『碧空の狂詩曲〜お市の方外伝〜』（12月15日上演）に出演し、酒井演じるお市をめとる柴田勝家役を演じる。演出は俳優でもある斎藤歩が手がけ、自身演出以外の舞台に出演するのはおよそ10年ぶり。同作を選んだ理由と、執行猶予が明けるあす24日からけいこに合流する酒井に対する思いを激白した。

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――今回、酒井さんの女優復帰作に出演する話を受けたとき、正直どう思いましたか？

今井　実は最初、酒井さんが出ることは知らなかった。プロデューサーの小椋正樹さんに「舞台に出て欲しい」と言われたんですが、ほかの撮影が入っていたので仕方なく断ったんです。そしたら「公演日程を変えてでもお願いしたい」と言われて、そこまで俺を使いたいならってことでOKしたんです。その後に、酒井さんが出るとわかって、「なるほどな」と思いましたね（笑）。ただ、そのころ俺が（自身演出でない）外部の舞台に出ないって業界で言われていると聞いて、企画次第で全然やる気持ちでいたので、酒井さんどうこうじゃなくて、俳優としていいきっかけだなとは思いましたね。

――ご自身演出以外で約10年ぶりに出る舞台が今作で不安はなかったですか？

今井　まあね。正直、出ることでイメージダウンになると思いましたよ。でも、俺はもともとストレートな人間なんで、いまさらイメージなんて関係ないし、別にいいやと思ったね。本気で挑める仕事ならってことで覚悟を持って受けましたよ。

――酒井さんには会いましたか？

今井　この舞台をやると決まったときに一度食事しました。のりピーのファンでも何でもないけど、オーラが全然違ったね。僕はこういう性格なんで直接言いたいこと言ったけど、さすがにただの有名人ではなく、この世界で一度でもトップスターになった人は違うよ、（オーラが）ある、あるね。もちろん、まだ結果出してないから何とも言えないけど。

――どんなことをお話ししましたか？

今井　役者として頑張ろうなって。俺たちで若い役者を盛りあげていこうって伝えましたよ。あと、事件を起こしたことは俺たちには関係ないから、その悪影響を共演者の肩に乗せないでって話もしました。その代わり、俺らが絶対サポートするから、座長としていい雰囲気を作ってほしいと。本人も当然そういうところはわかっていましたね。

――酒井さんに対して、ネガティブな意見もありますが、実際に会ってどう感じました？

今井　フォローするわけじゃないけど、反省してたよ。復帰に関しても、顔見たときに中途半端じゃないなと感じたね。いろいろ批判されるし、法を犯したのは駄目だけど、苦しんだと思うよ。一般人だったら大きな問題にならないけど、全国とか海外にまで醜聞さらしてきつかったはず。芸能人が甘いと言われるし、実際そういう部分があるのかもしれないけど、芸能人も人間だからね。更生の道があってもいいと思う。もちろん、舞台や内容が悪かったら批判されるのはもちろんだけどね。まあ、冗談抜きで意気込みは感じたよ。やる気だけじゃどうしようもないけど、事件起こしておいて、気持ちも駄目だったら俺ははっきり言うからね。甘いんじゃないって。俺がここまで言うんだから、彼女の本気度は信じてほしいね。

――けいこはすでに始まってますけど、酒井さんの合流は24日以降ですよね？

今井　そうだね。どうしても後から加わるのでよそよそしくなるとは思うけど、そこはサポートしてあげたい。合流するのをワクワクしてますよ。それにしても、俺が演出する舞台『THE WINDS OF GOD』が20年以上やってても知らない人が大勢いるのを考えると、この舞台の注目度はいい意味でも悪い意味でもありがたいと思わないと。だから、つまらなかったら当然その批判は受け止めないとね。僕だって久々に外の舞台に出て、ドタバタでやって批判されるのは嫌だからね。演出の人には申し訳ないけど、舞台は映画と違って幕が開いたら役者のものなんで、全力でやらせてもらいますよ。

　舞台『碧空の狂詩曲〜お市の方外伝〜』は、12月15日から24日まで東京・渋谷の文化総合センター大和田　さくらホールで上演。