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阿部寛、初共演の山口智子に感謝「モデルから役者としての道を切り開いてくれた」

 『誰も知らない』(2004年)、『歩いても 歩いても』(08年)などで知られる映画監督・是枝裕和が初の連続ドラマを手掛け、主演に阿部寛、ヒロインに16年ぶりの連続ドラマ出演となる山口智子、さらに宮崎あおい、YOU、西田敏行ら豪華キャストが勢ぞろいした話題のドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(10月9日スタート 関西テレビ・フジテレビ系)。ORICON STYLEでは主演の阿部にインタビューを行い、今作への意気込みはもちろん、共演の山口への感謝の念や是枝監督による独特の演出法などを聞いてみた。

新ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』主演の阿部寛 (C)関西テレビ

新ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』主演の阿部寛 (C)関西テレビ

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 今作で阿部が演じるのは、CM制作会社に務める“自称”敏腕プロデューサー。だが、妻(山口智子)や会社の部下からは「体は大きいのにちっちゃい」と言われ、家庭でも会社でも板挟みになり、思い悩むダメ男。だが疎遠になっていた父(夏八木勲)が倒れたことをきっかけに、父の生まれ故郷・長野県に赴くことに。父の周囲を探るなかで様々な出会いを経て、少しずつ変化していくさまをユーモラスに描く。

 是枝監督とは、映画『歩いても 歩いても』でタッグを組んでいる阿部だが、ドラマというフィールドではもちろん初めて。今作では脚本も是枝が務め、現場で脚本が修正されることが頻繁に行われているとのことだが、「映画の時もそうでしたけど、微調整しながら作っていかれるのは、正解だと思うので……もう慣れました(笑)。是枝さんが連続ドラマをやるという新たな挑戦と、僕も映画と違う面白さを強調してみせていったりと、化学反応みたいなことが起きて作っていけるんじゃないかなとすごく期待があります」と自信を伺わせる。さらに「是枝さんの作品は、観終った後に世の中の見え方が違うような繊細さ、背景を感じる。そこが今までのドラマと違うドラマになるんじゃないかと。脇の下をくすぐってくるようなそういう面白さがでるんじゃないかな」と、これまでにホームドラマの誕生を期待しているようだ。

 共演には『ロングバケーション』以来、16年ぶりの連ドラ出演となる山口智子。フードコーディネーターとして夫の良太(阿部)よりも世間的地位があり、事あるごとに叱責されるという、なんとも“トホホな展開”は笑いを誘う。初共演である阿部は山口について「監督には『女性にやられてください』って最初に一言頂きました(笑)。現場でホントに頼ってますね。沙江という女性、しっかりとした奥さんを頼ってる役をそのまま素でやらしていただければいいなと思っています」と絶大な信頼を置く。

 また、共に人気モデルとして同時代を生きた2人だけに、山口に特別な想いもあるようだ。「16年ぶりにこの作品を選んでくれたのは嬉しかった。山口さんはモデル仲間として、彼女がこの世界(俳優業)に入って、ドラマで成功してくれたから、自分もモデル出身でやっていけたと実はすごく感謝しています」と真摯な想いを吐露してくれた。

 撮影の大半が屋外でのロケとなり、東京と長野を往復する生活が続くなどタイトなスケジュールが続くが、これまでにない新たなドラマを創造しているという喜びからか、阿部の顔に疲弊感は微塵にも感じない。「最終的には親父の生きてきた過去がわかっていって、父親との確執をずっと持っていた男なので、そこを許していけるという、中年の男が成長していく話になっています。父役の夏八木(勲)さんが17kg落としたってきいてビックリした。現場で会って痩せてるなって思って、3ヶ月かけて医者つけて『落としすぎちゃったよ』って。見てるだけで涙が止まらなくなっちゃって、泣くシーンじゃないのに……」。

 どこにでもいる、うだつの上がらない中年男性の日常に、ちょっぴりの“非日常”を加えることで、これまでにない繊細な世界観を構築させるのが是枝演出の強み。そこに強力な役者陣たちがどのような肉付けをしていくのか? 今期ドラマの中で最注目作品であることは間違いない。

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