俳優・水谷豊と女優・伊藤蘭の娘で女優の趣里が16日、都内で行われた舞台『HIKOBAE』制作発表会に出席した。同作で舞台初挑戦となる趣里は、両親から「『頑張ってね。舞台観に行きたい』と背中を押してくれてます。今日の会見も母から『明るくコンパクトに』とアドバイスをもらいました」とニッコリ。初演舞台は米ニューヨークで上演されるが、2人とも観賞を希望しているといい、「来たがってるんですけど、スケジュール的にどうかな…」と照れ笑いした。

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　同舞台は、昨年の東日本大震災発生時に命を賭して闘った消防士や医師たちにスポットを当て、福島県相馬市の医療現場で身の危険にさらされながらも生と向き合い続ける人々の姿を描く。エグゼクティブ・プロデューサーで俳優としても出演する塩屋俊は「震災を風化させないため、こういう作品を作ることがエンタメに従事している者の責任だと思う。後世に残すことが重要だと思います」と力強く語った。

　この日はキャストが劇中衣装のまま出席。実際に法被を来て相馬市消防団の村井英治を演じる鈴木亮平は「相馬市だけでも実際に10人の消防士が亡くなった。この法被を着ることはとても重いし、中途半端な気持ちでやるわけにはいかない」と真摯にコメント。また、昨年に第1子女児が誕生したこともあり「命の重みに対する気持ちが全く変わった。違う生き物に生まれ変わったかのようです」と心境の変化を語っていた。

　ヒロインの研修看護師・沙希を演じる趣里は「大切な人を亡くすという現実が、昨年は実際にたくさんの人々に起こった。簡単なことではないですが、人が感じたことを伝えられるよう稽古に励みたい」と意気込んだ。

　会見にはほかに中丸新将、大和田伸也、演出の梶原涼晴が出席。舞台『HIKOBAE』は3月11日に米ニューヨークのアルビンエイリーアメリカンダンスシアター、20日に東京・天王洲銀河劇場、21日に、福島・相馬市総合福祉センターはまなす館にて上演。