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『今日俺』それぞれの持ち味が活かされた14人の若手俳優、19年飛躍へ高まる期待

 日曜夜22時30分〜という時間帯の放送ながら、自己最高の視聴率12.6%で有終の美を飾った昨年10月期の連続ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)。大人から子どもまで幅広い層から人気を得て大きな話題を巻き起こし、昨年のエポックメイキングなドラマの1作となった同作だが、すでに語られている福田雄一監督の脚本、演出によるおもしろさに加えて、これからの日本のドラマや映画界を担う若手スターが総出演していたことも、見逃せないポイントではなかっただろうか。

地上波ドラマで持ち味を発揮したメインキャスト陣

 主演の三橋貴志を演じたのは、日テレ連ドラ初主演の賀来賢人。NHK朝ドラ『花子とアン』でのヒロインの兄で、妹の自由な生き方に対して複雑な思いを抱く役や、『Nのために』(TBS系)の商社で働くサラリーマン役などの印象も強く、以前はコミカルなイメージは少なかったが、福田雄一組は『勇者ヨシヒコと魔王の城』(テレビ東京系)や映画『スーパーサラリーマン左江内氏』などで経験済み。今回の主演で、若手俳優随一のコメディ俳優となったといっても過言ではないだろう。

 三橋の相棒の伊藤真司を演じたのは伊藤健太郎だ。今作のキャスト陣は、キャラクターによって「振り切る人」と「抑える人」に別れていたが、伊藤は後者で、三橋との対比でよき相棒感がにじみ出ていた。伊藤は『アシガール』(NHK総合)のスペシャル版も放送されたばかり。12月からも『この恋はツミなのか!?』(TBS系)に出演するなど、作品を重ねてしっかりと経験を積みながら、一段ずつ実力派スター俳優へのステップを上っている。

 Wヒロインの赤坂理子役の清野菜名と早川京子役の橋本環奈も、この作品で持ち味を引き出された2人だ。清野は優等生なキャラクターながら、本人の得意なアクションを思う存分、地上波ドラマで披露。橋本は、これまでにも福田作品の『銀魂』シリーズで、そこまでやるかと思わせるくらい、コメディエンヌとして活躍してきたが、こちらも地上波ドラマでその思い切りのよさと女優魂を見せつけた。

それぞれの個性をにじませ、メインに勝るとも劣らない印象を残した端役俳優たち

 何かと三橋と対立する紅高の今井勝俊役の太賀と谷川安夫役の矢本悠馬は、ドラマファンなら知らぬものはいない若手名バイプレイヤーだ。本来ならキャラが被りそうな2人だが、これまでにも『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)や映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』などで共演経験がある。今作でも絶妙なとぼけたコンビネーションで笑いのパートを担いながら、ストーリーの後半のポイントとなるシリアスな場面では、情に厚い男気を見せる重要な役どころを好演し、しっかりと爪あとを残した。

 悪の巣窟・開久高校の片桐智司役の鈴木伸之、相良猛役の磯村勇斗も最後までドラマの重要な部分を担った。鈴木は、『ろくでなしBLUES』(日本テレビ系)に始まり、『GTO』『水球ヤンキース』(フジテレビ系)、『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)まで、学園ものには欠かせない存在だった。
 それは、殴られてもビクともしなさそうな屈強なイメージが若手俳優として稀有で、他の追随を許さないからだろう。今作でもダイナミックなアクションと、どっしりとした存在感で視聴者を圧倒した。

 一方の磯村は、『仮面ライダーゴースト』(テレビ朝日系)に出演の後、NHK朝ドラ『ひよっこ』でヒロインの恋人に抜擢され、誠実でさわやかな好青年役を最後まで貫いていた。また『デイジー・ラック』(NHK総合)でも、姉の親友と恋に落ちる役を演じていたが、穏やかなイメージが強かった(この作品には鈴木も出演している)。しかし今作では、これまでの役からは想像もつかないほどの謎めいた、そして狂気を秘めたツッパリ役を演じて、こんな顔も持っているのかと思わせた。そんな役でもどこか優雅さがにじむのが、彼にしかない魅力ではないだろうか。

提供元: コンフィデンス

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