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『今日から俺は!!』は家族の会話につながる名作ドラマ

満足度が急上昇中の『今日から俺は!!』の“ツッパリコンビ”(C)日本テレビ

満足度が急上昇中の『今日から俺は!!』の“ツッパリコンビ”(C)日本テレビ

『勇者ヨシヒコ』シリーズや『アオイホノオ』(ともにテレビ東京系)などコメディ系ドラマで定評のある福田雄一氏が脚本と演出を手がける『今日から俺は!!』(日本テレビ系)が、コンフィデンス誌のドラマ満足度調査「ドラマバリュー」で驚くべき高評価を得ている。初回59Pt(100Pt満点)から急上昇し、第6話では95Ptを獲得。『下町ロケット』『大恋愛〜僕を忘れる君と』とともに今期の90Pt超え満足度3強の1作となっている

視聴者のメインはその時代を知るF2、M2層と、まさかの10代も

『今日から俺は!!』ドラマバリュー満足度ポイント項目別グラフ

『今日から俺は!!』ドラマバリュー満足度ポイント項目別グラフ

 同作は、累計発行部数4000万部を超える漫画家・西森博之氏の青春不良コメディが原作。“ツッパリ”が全盛の80年代を舞台に設定し、自由奔放でワガママ、悪知恵は天下一品の“ツッパリコンビ”と周囲の仲間たちを描く痛快学園ドラマ。キャストには、福田ファミリーのムロツヨシ、佐藤二朗、橋本環奈らが集結している。

 学園ドラマといえば、若手イケメン俳優が集結する新人の顔見せの場にもなり、10代女性が視聴者のメイン層になるのが相場だが、80年代ツッパリを描く今作はちょっと異なる。原作ファンを含めた、その時代を知るF2、M2が約半数を占めるボリュームゾーンとなり、そこに10〜20代が加わった幅広い層がドラマを楽しんでいる。

 そのなかで、10代は全体の10%弱ほどとなるが、ドラマバリューのアンケートでは「自分の知らない時代が描かれていて新鮮」(10代女性/千葉)、「1人ひとりの個性が強烈すぎておもしろい」(10代女性/栃木)、「オープニングが良すぎる!」(10代女性/北海道)、「各役柄の見た目の完成度がすごい」(20代女性/栃木)と、ファンタジーとして楽しみ、その世界観に興味を持つ若年層からの声が多く見られる。

親には現実、子にはファンタジーとなるおもしろさ

 福田監督は、放送前の取材で「“家族全員に興味を持ってもらえるか”が重要」と語っている。ドラマを観た若い子たちが、その服装や髪型に驚いて親に聞くところから、親子間や友だち同士の会話が生まれる。そうしたドラマからのコミュニケーションが発生することが、今の時代のヒットの法則とする。

 今作ではまさにそのとおりの結果になっており、親の世代からは「中学生の娘がハマっていて、自分だけでなく家族で楽しみにしている」(40代女性/千葉)、「子どもが観るので、毎週一緒に観ている」(50代女性/神奈川)、「おもしろい!なかなか笑わない父が笑って観ている」(20代女性/埼玉)といった声が寄せられている。

 若い世代の視聴者を驚かせているのは、今の時代からは想像もできない80年代のツッパリ文化だろう。その滑稽さ、ダサさは、DAPUMPの「U.S.A.」が大ヒットしているほか、ファッションでもリバイバルの波がきているいま、そうしたダサかっこいいブームに通じるものがあるのかもしれない。ただし、その滑稽にも見えるおもしろさだけではなく、デフォルメされたダサいキャラクターをカッコよく見せるキャストたちの魅力も、そこにはある。それらが重なって、10代など若年層を惹きつけている。

 当時を過ごしてきた大人世代にとっては、今としては化石に見えるツッパリたちの熱く芯のある精神性や、まっすぐな哲学を懐かしむとともに、心が熱くなるところもあるのだろう。そして、それについて家族と会話ができるのは、ドラマ視聴以上に楽しいことに違いない。

 今作にはそんな世代を超えたそれぞれの楽しみがあり、それが高い満足度につながっているようだ。

提供元: コンフィデンス

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