浜田省吾、自身のスタイル貫き45年  アニバーサリーイヤーに今を生きる全ての人に贈る新曲「この新しい朝に」

 浜田省吾が6月23日、ニューシングル「この新しい朝に」をリリースする。3月13日に6年ぶりの新曲としてリリースした自身初の配信シングル「この新しい朝に」の新たなミックスに加え、デビューアルバム『生まれたところを遠く離れて』収録曲「青春の絆」、デビューシングル「路地裏の少年」のB面曲「壁にむかって」の2021年バージョンを収録。浜田の原点と現在地を繋ぐシングルとなっている。ここでは45周年のアニバーサリーイヤーに相応しい本作を軸にしながら、日本の音楽シーンに強い影響を与え続けている浜田のキャリアを振り返ってみたい。

メディア出演はほぼなし…コンサートを中心に「音楽」と真摯に向き合う

 1952年、広島県竹原市に生まれた浜田省吾は、10代の頃からザ・ビートルズ、ザ・ビーチ・ボーイズ、レッド・ツェッペリンといったアーティストをリアルタイムで体験。映画、文学を含むアメリカの文化に影響されながら、大学在学中に曲作りをはじめ、シンガーソングライターとしての道を歩み始めた。地元の音楽仲間と結成したバンド・AIDOではドラムス、パーカッション、ボーカルを担当。吉田拓郎のバックバンドをつとめた後、1975年にレコードデビュー。その後バンドを脱退し、翌76年にアルバム『生まれたところを遠く離れて』、シングル「路地裏の少年」でソロアーティストとしてのキャリアをスタートさせた。

 デビュー当初はセールスこそ芳しくなかったものの、地道なライブ活動によって徐々にファンを獲得。ウエストコースト風のサウンドを取り入れたシングル「風を感じて」(1979年)がスマッシュヒットするなど、徐々に知名度を高めていく。
 転機になったのは、1980年にリリースされたアルバム『Home Bound』。シングル「明日なき世代」を含む本作によって浜田は、骨太のロックサウンドを前面に押し出した。同時代を生きる若者に向けた直接的なメッセージも強く支持され、多くのファンを魅了し、翌年9月には、初の日本武道館公演(1982年1月)に向けたアルバム「愛の世代の前に」を発表。本作に収録された「悲しみは雪のように」は10年後の1992年にテレビドラマ「愛という名のもとに」(フジテレビ系)の主題歌に起用され、同年にシングルカットされると170万枚を超える大ヒットを記録した。
 日本を代表するロックアーティストとしての地位を不動にしたのが、1986年に発表された2枚組アルバム『J.BOY』。「BIG BOY BLUES」「LONELY―愛という約束事」「J.BOY」などの代表曲を含む本作で浜田は、ルーツである60s、70sのロックやR&Bサウンド、現実と格闘する人々へのエールや社会的テーマ性を帯びた歌詞によって、独自の日本語ロックを確立した。尾崎豊がこのアルバムを聴き、「自分のことを歌ってるみたいだ」と言ったというエピソードも有名。初めて「オリコン週間アルバムランキング」(当時の「オリコン週間LP&TAPESランキング」)で1位を記録した(1986/9/15付〜10/6付・10/27付/4週連続、通算5週)本作が、この後のシーンに与えた影響は計り知れない。

 また、メディアにほとんど登場せず、コンサート・ツアーに精力を注ぎこんできたことも、大きな特徴だ。1988年8月20日に行われた静岡浜名湖畔・渚園での『A PLACE IN THE SUN』では当時としては驚異的な50000人を動員。1998年には20世紀から21世紀をまたぐツアー『ON THE ROAD 2001』を敢行するなど、何度となく伝説的なツアーを行ってきた。2015年にリリースされた約10年ぶりのアルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』が「オリコン週間アルバムランキング」(2015/5/11付・5/18付)で1位を記録したのも、ライブを通し、ファンとの絆をしっかり結んできたことの証左だろう。

ニューシングルをはじめ45周年を記念し、さまざまな動き “バックナンバー”も

 音楽性、リスナーとの強い絆、活動のスタイルを含め、日本の音楽シーンに大きな功績を残し続けている浜田の現在地をダイレクトに示しているのが、ニューシングル「この新しい朝に」だ。
 表題曲「この新しい朝に」は、華やかさと力強さを称えてギターのイントロから始まる。ロックサウンドの力強さ、日本的な叙情性を含んだメロディライン、生々しいグルーヴを放つバンドサウンドなど、“これぞ浜田省吾”と快哉を叫びたくなるミディアムチューンだ。なかでも特筆すべきは歌詞。コロナ禍以降の社会、そして、そこで生きる人々への思いがベースになっており、先が見えない世界のなかで、“大丈夫”と自分に言い聞かせながら日々に向き合っている人達に寄り添い、エールを送る浜田流のメッセージを強く感じ取ることができる。デビュー以来、常にオーディエンスと共にあることを自らに課してきた浜田省吾はこの曲によって、アーティストとしての姿勢を改めて示すことになるはず。ファンにとってはもちろん、新たなアンセムとして大きな共感が呼び起こすことになるだろう。

 カップリングには、デビュー当初の楽曲を“2021年バージョン”として収録。「青春の絆」の壮大なストリングス、ホーンを取り入れたアレンジは、古き良き洋楽ポップスを想起させると同時に、あまりにも切ない歌詞によって強く心を揺さぶられる。45年前の楽曲とは思えない、スタンダードとしての魅力を備えたナンバーと言えるだろう。「壁にむかって」は、軽快なギターリフを軸にしたブルージーなロックンロール。“惨めで怯えた生活を抜け出し、自分の道を進もうぜ”と聴く者を鼓舞する歌には、時代を超えた普遍的な力が宿っている。
 そう、浜田省吾の音楽に込められたメッセージ、そして、生々しいロックサウンドは時代や流行を超え、今現在も多くのリスナーの感情を揺さぶり、日々を生きる力へとつながっている。未来への希望を抱きづらい現代だからこそ、リアルな思いを刻み込んだ彼の歌は、長年のファンから若いリスナーまで、多くの人々の心に響くはずだ。

 この新曲のリリースをはじめ、ソロデビュー45周年を迎えた今年は、これまでのアルバム、シングル全59タイトルをリプライスして再発売、自身初の歌詩集「ソングライターの旅」の発売、期間限定公式ツイッターアカウントの開設(@hamadashogo45th)など、アニバーサリーイヤーを記念した企画も続いている。ストリーミングでのプレイリスト企画も進行中で、第1弾(父の日に合わせた「Father & Family」プレイリスト)が公開中。

 浜田の社会性を帯びた歌詞と骨太なサウンドは、今あらためて聴いても色あせていない。その影響力は、現在ヒットランキングの上位を席巻するバンドや若手ミュージシャンも、自身のルーツに浜田の音楽を挙げるほど。昨今、70s、80sの音楽の価値が見直される動きがあるなかで、真っ先に再評価されるべき、浜田省吾の音楽を、このタイミングで改めて振り返ってみて欲しい。

文/森朋之

リリースインフォメーション

ニューシングル「この新しい朝に」
発売日:6月23日 
価格:1,430円
品番:SECL2044 
初回仕様限定盤:デジパック仕様
発売元:Sony Music Labels
収録曲:この新しい朝に/青春の絆/壁にむかって
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