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小学生で経験した震災の記憶、風化させないために……東北発YouTuber「ほーみーず」初のMVに込めた思い

 東北・宮城県発の人気YouTuber「ほーみーず」。「るか」と「ちばしん」の元同級生2人組によるユニットで、学校生活の“あるある”や、替え歌動画で若い世代を中心に人気を集めている。東日本大震災から10年経つ今年3月11日、ほーみーずは復興への希望をうたうオリジナルMV「もういちど」をリリースした。震災当時、小学生だった2人が10年間抱えてきた東北への思いを聞いた。

“東北No.1” YouTuberを目指すのは、地元を盛り上げたい“レぺゼン”の心

――中学の同級生だったお二人がYouTuber・ほーみーずとして活動をはじめたのは、2019年1月1日。るかさんがちばしんさんを誘ったそうですね。

るか はい。ちばしんはその前からラッパーとして活動していて。僕は工場に勤務していたんですが、YouTuberに挑戦したいと思って、ちばしんに声をかけました。

ちばしん 高校2年からラップをやってました。YouTuberとして注目してもらうことで、音楽を知ってもらうきっかけになるかもしれないと思って、るかと一緒にやることにしました。

るか 最初はおもしろ動画をアップしてたんですが、なかなか再生数が伸びなくて。火が着いたきっかけは、替え歌ですね。

ちばしん 米津玄師さんの「Lemon」、あいみょんさんの「マリーゴールド」をYouTuberさんの名前だけで歌ったら、TikTokで少しバズって、そこからYouTubeでも見てもらえるようになって。替え歌だけでは僕たちのことを知ってもらえないと思って、キャラクターを前面に出すために、学校生活の“あるある”をテーマにした替え歌も発表するようなりました。

――いまやチャンネル登録者数は45万人を突破。お二人は“東北No.1 YouTuber”を目指しているそうですね。

ちばしん はい。ヒップホップの“レペゼン”(地域の代表)と同じように、宮城、東北を盛り上げたいという気持ちが強いので。人は温かいし、食べ物は美味しいし……。

るか いいところなんですよ。地元での活動も率先してやっていきたいと思ってます。

ちばしん いまは東京に住んでるんですけど、ここでいろんなことに挑戦して、学んだことを地元に返したいんですよね。

「電気、ガス、水道も全部止まり……」震災の記憶を風化させないため経験を曲に

――そして3月11日には、初のオリジナル曲「もういちど」のMVが公開されます。この曲は、東北復興プロジェクトとして制作されたそうですね。

ちばしん 震災から10年目を迎えて、東北出身、宮城出身のYouTuberとして出来ることはないか?と思って。ほーみーずの視聴者は音楽好きの学生が多くて、震災当時はまだ小さかった人もかなりいると思うんですよ。僕らは当時、小学校6年生だったんですけど、震災の記憶を風化させないためにも、僕たちの経験を曲にして伝えたいなと。

――震災のときのことは、はっきり覚えていますか?

ちばしん 鮮明に覚えてますね。クラスの帰りの会をやっていて、その後、卒業制作の作業をする予定だったんです。(震災が起きて)電気、ガス、水道も全部止まってしまって。僕たちが住んでたのは内陸だったんですけど、次の日の新聞で、沿岸部の津波のことを知ったんです。

るか 僕が覚えてるのはラジオのニュースですね。10mを超える津波という言葉が聞こえて、すごく怖くて。その後、スーパーの方が冷凍食品を配ってくださったり、いろいろな情報をまとめたチラシを作ってくれたり。たくさんの大人に助けられたという印象が強いです。

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