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2017ブレイクアーティストランキング

 年末に近づき、多くの音楽特番が放送されるなど、2017年の音楽シーンを振り返る時期となった。ヒップホップシーンの隆盛や安室奈美恵の引退発表などさまざまなトピックがあったシーンの中で今年はどんなアーティストがブレイクしたのか? ORICON NEWSでは10〜50代の男女1000名を対象にアンケート調査。その結果、さまざまな音楽ジャンルを独自に昇華し続ける【米津玄師】が1位を飾った。

他ジャンルを巻き込んだコラボ展開でも話題沸騰の男性シンガー

  • 首位に輝いた米津玄師

    首位に輝いた米津玄師

 1位の【米津玄師】は、かつて「ハチ」名義でニコニコ動画に投稿を行い、「マトリョシカ」「パンダヒーロー」などのミリオン再生を記録。2013年に現在の名義で、1stシングル「サンタマリア」でデビュー。次第に知名度を上げ、今年はアニメ『3月のライオン』(NHK総合)のエンディングテーマとなったシングル「orion」、アニメ『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ系)オープニング曲「ピースサイン」などをリリース。8月には、DAOKO×米津玄師名義で、劇場アニメ『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』の主題歌「打上花火」を発売。同曲はYouTubeで7900万回以上再生されるなど大いに話題をさらった。11月1日発売の4thアルバム『BOOTLEG』には俳優・菅田将暉が参加した「灰色と青(+菅田将暉)」、モデルの池田エライザが参加した「fogbound(+池田エライザ )」も収録されている。

 人気の要因は作詞、作曲、編曲やトラック制作を自ら手がけ、ロックやヒップホップなど多様な音楽を吸収して、そこに彼にしか出せない個性というスパイスを利かせて楽曲に昇華させている点にある。アニメや映画など映像とのコラボレーションでも見事な相乗効果をもたらし、ジャケットワークも自ら担当するなどビジュアルセンスも抜群。アンケートでは「いろんな人とコラボして米津玄師の名前をよく聞くようになったから」(広島県/10代/女性)、「映画音楽を提供したり、自身でも歌っていて、ブレイクしたと思います。曲がとても良いです。私たちの年代でも、グッと入って来ます。菅田将揮さんとのコラボ曲、灰色と青も、とても素敵です」(千葉県/50代/女性)など著名人とのコラボ曲でも反響を呼んでいる。また、「実力が認知されてきた」(兵庫県/30代/男性)、「独特な感性で聴きたくなる楽曲が多いから」(岐阜県/50代/女性)など多様な年齢層からの支持を受け、10代から50代すべての年代で1位を獲得した。

圧倒的なかわいさと“TTポーズ”のインパクトで人気の多国籍K-POPグループ

  • 『第68回NHK紅白歌合戦』の出場も決まったTWICE

    『第68回NHK紅白歌合戦』の出場も決まったTWICE

 2位の【TWICE】は、韓国のガールズグループ。韓国出身のナヨン、ジョンヨン、ジヒョ、ダヒョン、チェヨンの5人、日本出身のモモ、サナ、ミナの3人、台湾出身のツウィというアジア3ヵ国出身の9人メンバーで構成。グループ名には、「良い音楽で一度、素敵なパフォーマンスでもう一度感動をプレゼントする」という意味が込められている。2015年にオーディションで選ばれ、韓国で数多くの音楽賞を受賞。日本でも、YouTubeで2億8000万回以上再生されている楽曲「TT」のパフォーマンスである“TTポーズ”が女子中高生の間で流行。両手の親指と人差し指で矢印を作り、泣いている顔文字「(T_T)」のような形にするポーズで、AKB48や乃木坂46のメンバーも、“TTポーズ”の写真をSNSに投稿。そうして知名度が高まる中、ついに2017年6月28日、ベストアルバム『#TWICE』で日本デビュー。今年の12月31日には『第68回NHK紅白歌合戦』にも初出場が決定しており、そのパフォーマンスにも期待が高まっている。

 日本人もメンバーという親しみやすさと、キャッチーな“TTポーズ”が話題となり、一躍人気グループとなったTWICE。アンケートでも「かわいくてダンスもいいから」(東京都/20代/女性)、「今年知った中でちゃんと頭で曲も流れるくらいはやったと思うから」(三重県/10代/女性)など若い女性を中心に票が集まった。もちろん「流行のTTポーズなどを生み出したので!!」(大阪府/40代/男性)など男性からも支持されている。

ジャズ、ソウルなどを独自に取り入れたサウンドで一躍大人気に

  • 横浜茅ヶ崎出身者を中心に結成されたSuchmos

    横浜茅ヶ崎出身者を中心に結成されたSuchmos

 3位は6人編成のバンド【Suchmos】。2013年、横浜茅ヶ崎出身者を中心に結成され、ジャズ界の大御所ルイ・アームストロングの愛称サッチモから命名されている。それだけにジャズ、ロック、ソウル、ヒップホップなどから影響を受け、昨年発売の「STAY TUNE」で一躍ブレイク。今年は同曲も収録のアルバム『THE KIDS』を発売。自らの所属レーベル「F.C.L.S(エフ・シー・エル・エス)」を発足させた。

 スタジオでジャムセッションを行いながら、楽曲を制作していくスタイルで、バンドサウンドとDJがいるからこそのグルーヴ感が生み出されている。「CMで使われた曲がカッコイイ。1度聴いたら、気になって調べてしまうほど印象的。見た目もオシャレでスタイリッシュ」(茨城県/50代/男性)、「ヴェゼルのCMの曲が印象的」(東京都/30代/女性)など、やはりHonda「VEZEL」のCMに起用された「STAY TUNE」のインパクトが大きかった。「本物のアーティストが出てきた、といった感動すらある」(大阪府/40代/男性)など40代からの人気が特に高く、同世代では2位だった。

ドラマ、映画で話題をさらった人気アーティストがランクイン

  • ポップなサウンドが人気の女性3ピースバンド・SHISHAMO

    ポップなサウンドが人気の女性3ピースバンド・SHISHAMO

  • 「蝶々結び」で一躍注目を浴びたAimer

    「蝶々結び」で一躍注目を浴びたAimer

 そのほか、ランキングを見ていくと、4位は女性3ピースバンド【SHISHAMO】。昨年、日本武道館コンサートを成功させ、今年はNTTドコモ新CMに本人たちも登場し「明日も」を披露。映画『ミックス。』の主題歌「ほら、笑ってる」も話題を呼んだ。ポップなサウンドが人気で「いろんな意味でキラキラしてる力のある女性バンド、期待しています」(京都府/30代/男性)と期待の声が多数。「CMや主題歌によく起用されていたので」(神奈川県/50代/男性)など50代からの支持では2位だった。

 5位は女性ソロ歌手の【Aimer】。自身の愛称「エメ」に由来し、フランス語で「好き」の意味もある。昨年、ONE OK ROCKのTaka提供の「insane dream」、RADWIMPSの野田洋次郎提供の「蝶々結び」を発表して一躍シーンの話中心に。今年はドラマ『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)のオープニングテーマ「凍えそうな季節から」や、自身初のベストアルバム『BEST SELECTION "blanc"』『BEST SELECTION "noir"』2作品発表。10月リリースのトリプルA面シングル「ONE / 花の唄 / 六等星の夜 Magic Blue ver.」から「花の唄」が劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel] I.presage flower』主題歌に起用された。聴く者の心を魅了するエモーショナルな声が人気で「声を聞いたときの感動がすごかった」(佐賀県/30代/男性)などの声があった。

 10位の【Beverly】はフィリピン出身の女性シンガー。昨年、日本に移住して本格的に活動をスタート。今年、ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)の主題歌「I need your love」に抜擢され、レコチョクシングル1位などを記録。『仮面ライダービルド』の主題歌「Be The One」では、小室哲哉と浅倉大介のユニット「PANDORA」のフィーチャリングボーカルとして参加した。ハイトーンボーカルで注目されており、「歌がすごく上手で高音がすごい」(京都府/10代/男性)と絶賛されている。

 多彩な個性を持つアーティストが並んだ今回のランキング。自分たちだけにしか奏でられないサウンドを武器に、他のアーティストとコラボして、さらに魅力を開花させる新進気鋭の若手アーティストたちの躍進が目立った2017年。彼らの躍進ぶりが、今後の音楽シーンの新たな礎となる可能性を秘めているのは間違いない。
【調査概要】
調査時期:2017年11月6日(月)〜11月12日(日)
調査対象:計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

2017ブレイクアーティストランキングTOP10

米津玄師

  • タイアップに使用された楽曲が多かった(京都/10代・女性)
  • 様々な歌手とコラボして楽曲の良さも認められた(埼玉/20代・男性)
  • DAOKOや菅田将暉のコラボで知名度が上がった(大分/30代・男性)

米津玄師

1

TWICE

  • TTポーズも流行ったし、可愛くて、周りでも人気(鳥取/10代・女性)
  • 音楽も頭に入りやすいし、可愛い(北海道/20代・女性)
  • みんなダンスを真似していた(愛知/30代・女性)

TWICE

2

Suchmos

  • CMで聞いて一目惚れならぬ一聞惚れしました(富山/20代・女性)
  • 歌もメンバーの生き方もおしゃれで素敵(兵庫/20代・女性)
  • CMでタイアップした曲によって知名度が増した(大阪/40代・男性)

Suchmos

3

SHISHAMO

  • フェスでの盛り上がりに今年のブレイクを感じた(東京/20代・男性)
  • CMや主題歌によく起用されていた(神奈川/30代・男性)
  • カラオケで必ず誰かが歌っていた(大阪/50代・女性)

SHISHAMO

4

Aimer

  • よくアニメ主題歌で聞く(東京/20代・男性)
  • 「Fate」の主題歌素晴らしかった(愛知/40代・男性)
  • 色々なアーティストから楽曲を提供された(東京/50代・男性)

Aimer

5

水曜日のカンパネラ

  • いい曲で、アルバムも構成がいい(青森/10代・女性)
  • 最初見たとき面白い音楽をやってるなと思った(島根/50代・男性)

水曜日のカンパネラ

6

ヤバイTシャツ屋さん

  • ライブの人気が凄い(大阪/30代・男性)
  • ラジオ番組などが注目し取り上げられていた(東京/20代・女性)

ヤバイTシャツ屋さん

7

DAOKO

  • ランキング番組で上位になり長期的にランクイン(千葉/50代・女性)
  • 映画の主題歌が印象的だった(東京/40代・男性)

DAOKO

8

STU48

  • デビューして勢いがある(兵庫/50代・女性)
  • 新人グループだが、着実にライブなどしている(神奈川/30代・男性)

STU48

9

Beverly(ビバリー)

  • 本当に歌がうまくて聴いていて気持ちがいい(埼玉/20代・女性)
  • ドラマの主題歌としても人気が出た(青森/20代・男性)

Beverly(ビバリー)

10

2017ブレイクアーティストランキング 世代別 TOP5

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