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充実のコンサートから見る、大人グループV6が迎えた“新たな旬”

 デビュー22周年を迎える人気グループ・V6が、2年ぶりの全国ツアーを開催した。今年8月に放送された特番の視聴率も好調で、発売中のアルバムも前作のオリジナルアルバムを大きく上回る売上を記録している。メンバー全員がアラフォー世代となったV6は、なぜ今好調なのか? テレビや映画、舞台など、一般の目にも触れやすい個々の活躍はもちろんのこと、そのベースには、ライブなどでのグループ力の充実があるように思える。ステージの模様とともに、今のV6の魅力に迫る!

大人のダンス・ボーカルグループとして注目を集める

 2年ぶりとなるV6のコンサートツアー『V6 LIVE TOUR 2017 The ONES』を横浜アリーナで鑑賞して、思った。キャリアと年齢を重ねたダンス・ボーカルグループの、ライブの進化形であり未来形は、ここにあるのだと。

 歌って踊るグループを、“アイドルグループ”ではなく、“ダンス・ボーカルグループ”と呼ぶのが一般化したのは、たぶん10年ぐらい前のことではなかっただろうか。90年代半ばまで、男性アイドルという存在は、若さゆえの“儚さ”や“危うさ”こそが最大の魅力だった。それが、90年代後半から2000年代に入ると、バラエティと芝居、音楽活動という“三足のわらじ”を履いたアイドルが次々に台頭。ダンスや歌、パフォーマンスという本業を磨く一方、テレビというメディアで、それぞれのキャラクター性を磨いていった。1997年から2008年まで、人気バラエティ『学校へ行こう!』(TBS系)のMCを務めたV6が、まさにそうだったように(2005年以降は『学校へ行こう!MAX』)。

 2000年代も後半には、グループを引っ張る“個の力”よりも“グループ力”が問われるようになり、アイドルファンの大多数を占める女性たちは、メンバー同士の信頼や愛情や友情が感じられるたびに、その関係性に“萌え”た。彼らの音楽に励まされたり、メンバーが持つ向上心やチームワークが、女性たちが働く上でのヒントに繋がることもあった。かつて、女性たちがそのキラキラ感に熱狂し、エネルギーを消耗する存在だったアイドルが、いつしか、テレビやライブを観ることで、エネルギーをチャージしてくれる、そんな存在へと変わっていったのである。グループの年齢がそこまで重要視されなくなったのも、このような“求められ方”の変化にも、関係するのかもしれない。

 2015年、V6がデビュー20周年の年、『学校へ行こう!』はスペシャル番組となって放送され、17.8%の高視聴率を記録。同年に発売されたベストアルバム『SUPER Very best』も22.8万枚を売り上げる。『学校へ行こう!』を観ていた世代の成長、さらに彼らのライブの充実もあって、この時期から大人のダンス・ボーカルグループの深い物語性と実力は、改めて注目されることになった。活動休止もなく、メンバーの入れ替えもなく、20年。当時の20周年ライブは、本当に素晴らしいものだった。でも、今回の公演では、彼らのワザとスピリットとチームワークで、2年前の感動と興奮を超えてきたのである。

パフォーマンスに歌声、ライブの充実ぶり

 トリプルアンコールを含めた全29曲中、ライブ初披露曲が22曲。…と書いてしまうと、「アルバムや最新シングルを知らない人では楽しめないのでは?」と言われそうだが、全くそんなことはない。オリジナルアルバム『The ONES』の収録曲は、秋元康、石野卓球、大橋トリオ、秦基博、浜野謙太、レキシといった魅力的な音楽家たちを製作陣に迎え、素晴らしく彩りが鮮やか。一曲一曲とにかく飽きさせない。MCを挟んだ前半と後半で、それぞれにダンス曲の見せ場が際立つ。前半は、ロックビートが新鮮な坂本昌行プロデュースの「Answer」に始まり、歌詞のストーリー性も魅力的な三宅健プロデュースの「Remember your love」、映像とのコラボが幻想的な長野博プロデュース「Round & Round」まで、すべて趣やテンポ感の異なるダンスチューンで、まるで3種類のジェットコースターに乗っているような迫力があった。そこに、岡田准一プロデュースのセクシーな「刹那的Night」(石野卓球の作詞・作曲)で6人は、観客のオーバーヒートした感情にトドメを刺す。シャンデリアの中でのパフォーマンスも、アリーナならではの演出だ。

 そうして、魅せるダンスから一転、後半は80年代ファンクをベースラインにした「SPARK」をピークに、自然と体がグルーヴするような、ノリノリのビートを運ぶ。華やかなパフォーマンスのみならず、歌唱に関しても彼らの進化が感じられる局面はいくつもあり、特に今年3月リリースの「Can’t Get Enough」や、アルバムタイトル曲の「The One」、森田剛プロデュース曲の「ボク・空・キミ」(大橋トリオ提供曲)など、6声あるグループの特性が最大限生かされていた。全員がボーカルを務めるということは、つまりこの楽団には、すぐれた6台の楽器があるということだ。それも、個性を備えた世界に一つしかない楽器が6台。歌に関しては、坂本や井ノ原快彦の安定感のある、クリアな歌声が注目されがちだが、三宅のハイトーンなのにエッジのある声や、森田の声の低くて渋くてブルージィーな響き、岡田の情感ある表現、長野のニュートラルかつ繊細な歌唱など、今まで以上に6人の声が合わさることで、V6がV6足り得ることを、実感させてくれた。

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