サイプレス上野、ラップブームをけん引する“モンスター”が現状に危機感

『ダンジョン』はあのまま続けてたら壊れてましたね

――それって、まさに『フリースタイルダンジョン』にも同じことが言えますよね。ただ、あの番組での上野さんって、取り過ぎなくらいバンプ(受け身)取ってましたよね? 正直、よくなんな不利な仕事をずっと引き受けてたなぁって。
サイプレス上野そうっすね(笑)。もうね、バンプ取り過ぎて動けなくなっちゃいましたよ(しみじみ)。

――ああいうガチの現場でも、やっぱり“プロレス脳”の持ち主だから、ついついバンプを取り過ぎてしまうと(笑)。
サイプレス上野バンプの取り方次第で「あれはもしかしたら茶番なんじゃないか?」なんてネットで騒がれるぐらい、やっぱ魅せないといけないんですよ。様々な議論が生まれた方が面白いんでね。

――ただ、客観的にあの番組での上野さんの立ち位置を見てたら、辛いだろうなぁって思いましたよ。毎週のように出てると、当然同じフレーズなんかは使えないし、おのずと消費されていく。その中でギリギリ踏ん張る姿……正直、あんな汚れ仕事をよく引き受けたなって(笑)。
サイプレス上野俺もそうだし、ほかのみんなも収録終わったら魂抜けてますからね。それくらい疲弊していたのは確かですね。

サイファーに参加してればラッパーみたいな流れは、なんか違うんじゃないって

――あの番組をきっかけに新たなラップブームが現在巻き起こっているワケですけど、上野さん自身、今のラップブームってどう感じてます?
サイプレス上野うーん……まぁ、自分もあの番組に出たことによって、顔を指されることは確実に多くなりましたよ。ちびっ子とかにも「あ! サ上だ!!」とか言われたり、ツイッターとかにも「サ上が女といた!」とか書かれたり。で、まさかの嫁が感づいてエゴサーチしたり。

――「誰といたの?」と追及され(笑)。
サイプレス上野「あ、あれ地方から出てきたDJだよ」とか、しどろもどろに答えて(笑)。そういった点で熱量の高さを感じましたね。本当余計なことしやがって(笑)

――色んな意味でね(笑)。
サイプレス上野真面目な話をさせてもらうと、90年代の日本語ラップブームのときもラップを始めるヤツらが凄く多かったんですよ。俺らも含めてね。そこからデモテープを作って認められるとか、ライブやって認められるというのが基本としてあったんです。でも、今のブームの流れはサイファー(フリースタイルラップ)に参加してればラッパーみたいな流れが強くて。その差は凄く感じますね。そこは、なんか違うんじゃないかなって。

――分かります。ただ、そのブームをけん引した1人が上野さんなワケで。そこに対する“痛し痒し”な想いが『ダンジョン』に出ている姿を見ていても凄く伝わってきて。フリースタイルというツールを使ってヒップホップが再び脚光を浴びたのは喜ばしいけど、ヒップホップの醍醐味って、それだけじゃないよっていう心の叫びが(笑)。
サイプレス上野そうっすね。だから、あの番組に一区切りつけたんですよ。

やっぱり俺らはパッケージで勝負したい、フリースタイルはその“過程”

――先ほど、戦略性に長けてるという話をしましたけど、あのタイミングで番組を卒業したことも素晴らしいなって。あのまま続けてたら潰れますよね。
サイプレス上野うん。あのまま行ってたら間違いなく潰れてたでしょうね(苦笑)。あと、自分たちの作品にも影響が出るだろうなって。それ(フリースタイル)だけに皆が注目しちゃうことにジレンマを感じていたし、俺らはパッケージとしても勝負したいんだ!っていう気持ちがやっぱりあって。俺に言わせると、そこに行く“過程”でのフリースタイルなんすよ。

――本質はやはり個々の作品ありきなんですね。
サイプレス上野対戦相手で出てきたヤツらだって百戦錬磨なんですよ。ただ、彼らもフリースタイルだけで崇められちゃうと、フォロワーも全てを拾いきれないんですよ。そこは勿体ないなって。

――そういうジレンマや悔しさを持ちながら、挑戦者もあの場に立っているワケですね?
サイプレス上野そうなんです。だからこそあれだけの熱量が生まれたんであってね。だから、それをとっかかりに更なる広がりが必要なんじゃないかなって。そこで止まっちゃったらブームだって継続していかないと思いますよ。 

――そういう意味でも、今回のサイプレス上野とロベルト吉野のメジャーデビューというのは意義を感じますよね。
サイプレス上野そうですね。やっぱりメジャーデビューといっても、変に構えることなく自由な感じでやれたという部分は大きかったですね。まぁ、そこはデビュー当時から全く変わってないですし、変わりようがないというか(笑)。結局それしかやってきてないし、それを許してくれる環境を作れたことは凄く大きいことだと思う。後ろに続くヤツらのためにも、今回のアルバムで作品の重要性というものにもう一度回帰させたいですね。

サイプレス上野とロベルト吉野「大海賊」Release Tour「大航海ツアー〜港にて〜」

■大阪2017年9月17日(日)OSAKA BIGCAT
open 17:00 / start 18:00
出演:サイプレス上野とロベルト吉野 w/Creepy Nuts
(問)夢番地大阪 06-6341-3525

■札幌2017年10月15日(日)cube garden
open 17:00 / start 18:00
出演:サイプレス上野とロベルト吉野 w/ Charisma.com
(問)H.I.P. 03-3475-9999

■福岡2017年11月4日(土)BEAT STATION
open 17:00 / start 18:00
出演:サイプレス上野とロベルト吉野 w / 般若
(問)キョードー西日本 092-714-0159

【問合せ】H.I.P. 03-3475-9999 / https://www.hipjpn.co.jp/archives/46051(外部サイト)
【主催・企画】キングレコード

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