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GReeeeN、覆面を貫いて10周年 “古くならない”秘訣とは?
「愛唄」、「キセキ」で比較的早くブレイクしたGReeeeN
そんななか、やや毛色が異なるのがGReeeeNだ。2007年、3作目のシングル「愛唄」で、テリー伊藤が初監督を務めたミュージックビデオが話題となり、比較的早い段階でブレイク。続いて、人気グループ・NEWSに提供した「weeeek」もヒットし、今年の『24時間テレビ』(日本テレビ系)でも歌われるなど、長く愛される曲となっている。さらにドラマ『ROOKIES』(TBS系)の主題歌「キセキ」(2008年)は、グループ初のオリコンランキング1位を記録、そのロングヒットにより人気を不動のものとした。
10年を経てなお、若年層に新鮮味をもって受け入れられる
オリコンのモニター調査によると、「愛唄」「キセキ」等の初期作品から継続して作品を購入し続けているファンは、主にGReeeeNの楽曲の良さに惹かれている人が多い。対して新規ファン層(2012年以降からの購買層)は、楽曲の良さはもちろんだが、GReeeeNに対して「センスが良い」「チャレンジング」といったイメージを抱いており、“時代とともに新たなことに挑戦をしている”というトレンド的な印象を持っている。10周年を迎えるアーティストが、最近の若いリスナーからそのように思われるということは、なかなか稀有なことではないだろうか。
楽曲の良さと共に“覆面”スタイルがイメージに影響
前述のとおり、デビュー当時からメディアに一切姿を見せてこなかったGReeeeNは、今も徹底して“覆面”であり続けている。他にも、MAN WITH A MISSIONやSEKAI NO OWARIのDJ LOVEのように“かぶりもの”をしたアーティストは存在するが、彼らは顔こそ見えないものの音楽番組に登場するし、言葉も発する。それに対し、GReeeeNはまったく生身の姿をメディアに現さないがゆえに、下手をすると実在さえ疑われかねない徹底した“覆面”ぶりなのである。
デビューして10周年ともなると、アーティストとはいえ誰しも年を取る。より若い世代から見れば、“10年前からいる人”であり、“自分の世代ではない”という一線が引かれてしまい、そこに新鮮味を感じることは難しくなる。だがGReeeeNは、普段その存在を感じることはなく、年齢を意識することもない。若年層にしてみれば、もともと“顔が見えない”のだから古さを感じないだけでなく、リアルタイムに楽曲が生活の中に流れてくれば、それは“新進気鋭”のアーティストと何も変わらないのである。
時間を超えて音楽シーンの『サザエさん』的な立ち位置に?
MAN WITH A MISSIONの例もそうだが、ボーカロイドなど、“素顔”が見えないものは、海を越え人種の壁を超えることも多い。GReeeeNはその歌詞が支持されていることからも国内向きではあるだろうが、彼らはこれまでにない方法で時を超えている。いつ見ても変わらず、世代が変わっても誰もが通過する、音楽シーンにおける『サザエさん』のような存在になるのかもしれない。