(更新:)
ORICON NEWS
再始動の宇多田ヒカルは再び社会現象を起こせるのか?
10代半ばにして歴代1位の売上 あまりにも“早熟”すぎた天才
宇多田の全盛期はCD市場がまだ辛うじて元気だったという時代背景はあるにせよ、CDパッケージが徐々にコアファン向けの商品となっていく中で、当時は普段音楽を聴かない人まで宇多田のアルバムを購入していた記憶がある。“1家に1枚”どころか、“1人1枚”だったかもしれない。それくらい、幅広い世代の人たちが宇多田の音楽を夢中になって聴いていたのだ。しかし、あまりにも“早熟”な天才だったせいか、私生活に変化があった20代に入った頃から、音楽的にも変化がみられるようになった。いや、音楽性の変化というよりは、“宇多田ヒカル”という存在との向き合い方を模索し始めたのかもしれない。そして2010年、アーティスト活動をやめて“人間活動”に専念することを宣言。表舞台から姿を消したまま、5年以上の月日が経過することになるのだ。
待望の再始動 シーンの再興を“担わなくてはいけない”重圧
日本の音楽を“担わなくてはいけない”重要なポジションにあることは間違いなく、過度なプレッシャーがかけられるだろう。それは今後二度と破られることのない、文字通りの“金字塔”を成し遂げた彼女にとって、あまりにも酷な要求であることと知りつつもだ。
ファンは“今”の宇多田に何を望むのか?
宇多田はアーティスト活動休止前、休止期間を「むしろ熱心に、そして謙虚に、新しいことを勉強したり、この広い世界の知らないものごとを見て知って感じて、一個人としての本当の自分と向き合う期間」とし、「人として少しは成長できたかな、と思った時、自然とまた、音楽をみんなに聴かせたい!と思った時がきたら、そうする時」と、ゆくゆくはまた復活することを示唆するコメントを残していた。今回、再始動と銘打たれた動きは、その時がきた、ということなのだろう。
5年間の“人間活動”を経た今、宇多田は音楽で何を語るのか。そして、彼女の復活を待ち望んでいたファンは、“今”の宇多田ヒカルに果たして何を望むのか? 『First Love』を彷彿とさせる爆発力か、それとも5年の間に紡いできた新たな側面なのか。ファンの間でも非常に意見が分かれるだろう。