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来日したジャスティン・ビーバー、自身について語る「傷つきやすい」

 カナダ出身の歌手ジャスティン・ビーバーが4日朝に来日し、都内で最新アルバム『パーパス』の発売を記念した合同質問会を開催。親日家のビーバーは昨年、プライベートでお忍び来日しているが、2012年7月以来、3年5ヶ月ぶりの“仕事”での来日。話題の乗り物「ジャイロボード」に乗って、さっそうと登場した合同質問会に、ORICON STYLEが潜入取材を敢行!

世界中から反響を得て、ハードワークが無駄ではなかった

――3年ぶりの来日ですが、日本はいかがですか? 食事など、何か日本らしいことは体感されましたか?
ジャスティン そうだね、日本に来てまだ数時間だけど、とても日本を楽しんでるよ。まだ日本的なことはそんなにしてないけど、ラーメンは食べたよ。日本的かな?(笑)

――今回は日本のビリーバー(ファン)に会うチャンスはありそうですか?
ジャスティン もちろんだよ。今夜もライブ(テレビ朝日系『ミュージックステーション』出演)やミート・アンド・グリートもあるし、できるだけ多くのファンに会いたいと思っているよ。あまりみんなに邪魔されたくはないけれど、日本にいる時間が少ないので、自分も買い物をしたりして、できる限り日本を楽しみたいと思っているよ。

――ジャスティンさんにとってファッションはとても大切なものだと思いますが、普段のコーディネートをする上で、気にしているポイントはありますか?
ジャスティン みんな自分のスタイルがあると思うけど僕も自分のスタイルでコーディネートしてるよ。あとはカニエ・ウェストとよくやっているジェリー・ロレンゾ、あとバージルは僕にとってのファッション・ガイかな。彼らのブランドは好きだよ。

――海外のインタビュー記事で、スクリレックスとディプロと制作していたことが楽しかったと伺いましたが、彼らと一緒にレコーディングすることによってお互い学び合ったことは何ですか?
ジャスティン スクリレックスはスーパーナイスな奴で、彼と一緒にスタジオに入れるのは本当に嬉しかったし、すごくクリエイティブになれる。もちろん仕事以外でも友情関係がある。自分のオリジナルな気持ちで僕とコラボレートしてくれたので、それがすごくよかった。コネクトできる相手とコラボできたのは一番良かったかな。それがスクリレックスの良いところだよ。

――アルバムパーパスの楽曲はこれまでよりぐっと大人っぽく、かつメッセージ性の強いものになりましたね。今作を作詞する上で苦労した点を教えてください。
ジャスティン 今作で難しかったのは、曲、歌詞、そして方向性。自分がどういうことを発信したいか、そういうことを見つけるのにしばらく苦労していた時期があったので、それを反映させたかったからね。それがわかるようになってから、自分の音楽の方向性も変わっていったという気がします。世界に自分が何を発信したいか、という意味で、『パーパス』というアルバムタイトルにしました。その時の自分が向かいのはそういう所だったからかな、と思ったからです。

――今作は、世界中から大反響を得て、記録を更新していますが、この状況を率直にどう受け止めていますか?
ジャスティン 自分が作った音楽、魂込めて作った数年間の成果が認めらるのはすごく満足だし、ハードワークが無駄ではなかったということが示されたわけだからね。自分がまた“音楽”でメディアに取り上げられるのはうれしいなと思いますね。心を込めたアルバムを世界に発信できたの一番うれしいと思っています。

――もっともあなたの音楽性に影響を与えたアーティスト3名を教えてください。
ジャスティン マイケル・ジャクソン、ビートルズ、そして自分自身かな。というのは、常に新しいもの、他の人がやっていないものをクリエイトしようと思っているという意味で、自分自身です。

自分には感情もあって感じるものもあり、傷つきやすい部分がある

――アルバムの曲「ライフ・イズ・ワース・リヴィング」はあなたの素直な気持ちが書かれた歌詞だと思います。どんな気持ちで書かれましたか?
ジャスティン アルバム全体を通じてもそうだけど、自分の心や、今まで自分の人生に起きたことを込めたつもりです。その当時は「正しくないことをやっていたのかな」と考えすぎた時期もあった。でも生きるってことは「あまり考えすぎないこと」が大事だと自分が感じたので、それをみんなにもわかってもらいたかったんだ。直接的ではなくても、自分の中にもそういった傷つきやすい部分があるということも言いたかったし、それが伝わればいいなと思っているよ。

――楽曲制作に対してはもちろんですが、あなたのミュージックビデオ制作に向き合う姿勢にも深いこだわりを感じます。「ホワット・ドゥ・ユー・ミーン?」のミュージック・ビデオ制作に伴う、思い出のエピソードがあれば教えてください。
ジャスティン このビデオはすごく楽しく制作できました。スケボーがすごく好きなので、それもセットでできたので、すごく楽しかったかな。

――今作はアーティストとしての成長やたくさんの思いが詰まったアルバムになっていると思います。この作品でもっとも伝えたいことを教えてください。
ジャスティン とにかく伝えたかったのは、自分は人間だということ。自分には感情もあるし、色々感じるものもある。スポットライトを浴び出る人間はそういったことを忘れられることもあるが、わかってもらいたかったのは自分には傷つきやすい部分もあるということ。そういったことを感じるのは間違いではないし、悪いことではない。ダークな時期も人間だったら誰だってあるだろうし、自分がベストじゃないと思うこともあるかもしれない。でも「ベストな時はこれから来るんだ」と思って、常にそれを目指そうとすることが、人間にできる唯一のことなんじゃないかな、と思ったので、それをこのアルバムでは言いたかったんだ。僕はまだまだ若いから、これからもいろんなことを経験していくでしょう。でも常にそれを信じて、自分にリアルに、オープンにドアを開けて、みんなにもそれをわかってもらえるようなアルバムにできたら、と思いました。僕はやっぱりリアルな人間だから、いろんな形で人とコネクトしたいと思っている。最初にこの仕事を始めた時は、自分はパーフェクトな人間だと周りに思われていて、ミスを犯し始めたら「こいつはパーフェクトじゃない」という風に思われ始めた。だけど人間はみんなそうなのだから、自分だけでも、ファンだけでもなく、みんなと一緒に音楽を作っていきたいと思っている。それは自分の責任だと思っているし、常にポジティブでいることも自分に責任だと思っている。自分のできる限りのベストを、魂を今回のアルバムには込めることができた、と思っています。

――パーパス制作中で、印象に残った楽しかった出来事を教えてください。
ジャスティン 一番の思い出は、アルバムの制作を大好きなギリシャのサントリーニ島で終えることができて、その時にすごく美しい光景を前にして、こういうことをするのが自分の運命だったんだな、と思えたこと。実はその時は自分にとって大事な曲を作っているときだったので、その瞬間というのは忘れられない瞬間です。

――今まで以上に楽曲づくりに関わってきたということで、歌詞の言葉の選び方はどうしていますか?
ジャスティン とにかく自分にリアルに、傷つきやすいところも全部見せて、感情を乗せるということを心掛けているかな。曲というのはその物自体が特別なので、自然に生まれたものの方が自分にとって意味があると思っている。時間がかかった曲は自分のクリエイティブな部分から生まれたのではないのではないか、と思ってしまうんだ。クリエイティブになるためには、「あまり考えすぎない」というのがコツかな。アルバムの中でいい曲と思ったのは、自分のオーガニックな部分から生まれたものが多かったかな、と思っている。いい質問だね、どうもありがとう。

(写真:ウチダアキヤ)

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