(更新:)
ORICON NEWS
ラブソングの聴き方に変化? 今どきの若者の恋愛事情
恋愛離れの影響? 「恋愛への憧れ」が強い10代
さらに20代になると、「彼とドライブしているとき」(大分県・20代・女性)とシチュエーションにも具体性が増す。思春期から大人へと移り変わる10代から20代にかけては、感情の揺らぎも最も大きな世代。恋へのほのかな憧れから、リアルな恋愛体験へと進展しても、その繊細な心情のそばには常にラブソングが寄り添っていることが浮き彫りとなった。ではさらに調査を進めて、シチュエーション別に重視するラブソングの要素や具体的な作品についてみていこう。
まずは「恋愛がスタートしたとき」。重視する要素として最も多かったのが、【メロディー】で、61.9%を占めている。具体的に支持が高かった曲は、「うきうきしちゃうような曲調が好き」(埼玉県/20代)という西野カナ「Darling」や、「明るくて可愛いメロディーに、キュンキュンする」(兵庫県/10代)というYUI「CHE.R.RY」など。恋の始まりは楽しい反面で、「この幸せがいつまでも続いてほしい」「こんなことしたら嫌われるのでは?」といった不安も付き物。そんなときに明るい未来を喚起させるようなポップソングに、背中を押してもらいたいという思いが回答からも滲み出ているようだった。
具体的なシチュエーションまで共感できる【歌詞】がポイント
最新曲では、「片想いのときに聴くのにピッタリな歌詞だった」(東京都/20代)、「歌詞も雰囲気も良い。共感した」(高知県/10代)というコメントのあったシクラメン「100年初恋」や、「可愛らしい歌詞が印象的で、共感できるから」(京都府/20代)など女性でも共感できるというコメントが多かったback number「高嶺の花子さん」、「歌詞がどんぴしゃで共感できるから」(東京都/10代)など20代から支持が高かったchayの「あなたに恋をしてみました」などが多くの支持を集めたが、これらの楽曲も時を超えて愛されるスタンダード・ナンバーになっていくことが期待できそうだ。
さて、今回の調査でラブソングに思いを重ねる若者たちの姿からも見えてきたように、「人を好きになる」という感情は今も昔も変わりがない。しかし「若者の恋愛離れ」の原因として、よく「SNSの普及を背景とした人間関係の複雑化」が槍玉にあがるように、かつてに比べて若者の心はより傷つきやすいものになっていると考えられる。「恋愛の始まり」に元気が出るようなポップソングが、そして「片思い・失恋」の際にはただしんみりするのではなく、落ち込んでいる自分を肯定してくれる楽曲が支持されていることからも、デリケートな若者たちの姿が浮かび上がる。時代によって支持されるラブソングは変われど、J−POPはいつだってリスナーの恋を応援している。若者たちよ、恐れずに恋に突き進もう!
(文/児玉澄子)
【調査概要】
調査対象:全国10〜20代未婚女性
サンプル数:580名
調査期間:2015年5月22日(金)〜5月28日(木)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ