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ソロデビュー10周年の三浦大知、活動休止中の葛藤やグループ時代を振り返る

 ドラマ『ゴーストライター』(フジテレビ系)のオープニングテーマとしてもおなじみの新曲「Unlock」を発売した三浦大知。2015年、ソロデビュー10年を迎える彼に、これまでの苦悩や葛藤、さらにこの先の10年へ向けた強い思いを語ってもらいました。

今年のテーマは“ポジティブにいきたい”と“まだまだ挑戦”

――新曲「Unlock」は、ドラマ『ゴーストライター』(フジテレビ系)のオープニングテーマとしてもおなじみのナンバーとなっていますが、ドラマの内容を意識して制作されたんですか?
三浦 ドラマの持っている緊張感であったり、スリリングでシリアスな部分、それプラス、今年は“ポジティブにいきたい”という僕自身のテーマがあるので、楽曲の中に込めて制作しました。

――今年のテーマというのは、毎年立てられるんですか?
三浦 そうですね。今年は“ポジティブにいきたい”のほかに“まだまだ挑戦”というテーマも立てたのですが、より三浦大知の音楽やエンターテインメントに、ポジティブなものをどんどん作っていけたらいいなと思っています。

――そういった意味で今作「Unlock」は、一聴したときのインパクトとといい、2015年の幕開けにふさわしい楽曲となりましたね。ちなみに大知さん自身、ドラマは拝見されていますか?
三浦 最初は自分の楽曲とドラマがどのようにリンクしているのか気になって見たのですが、ドラマの内容自体がおもしろくて、次の展開はどうなるんだろう? と個人的に毎週楽しみにしてます。

――まさに「Unlock」は、そういった次への期待感を煽る作品となっていますよね。大知さんの艶やかな歌声はもちろん、毎作品ごとに楽しみなのが、大知さんのダンスなのですが、今作の見どころを教えてください。
三浦 今回初めて女性ダンサー、菅原小春さんと一緒に振り付けを行ったんです。彼女は海外でも活躍するトップダンサーで、僕の武道館のステージにも立ってくれたり、以前から交流があるのですが、「Unlock」=解放していくという部分とすごくリンクした振り付けになって、今までにない三浦大知像を作り上げることができたんじゃないかと思います。

――女性という部分で、大知さんの持つ男性的な感性、動きと大きく異なる点はありましたか?
三浦 小春の場合、男でも女でもない感じなんですよ。彼女の持っているオリジナルのスタイルというものがあって、内側の気持ちとか感情というものをダンスで思い切り表現する、いい意味で歯止めをきかせないところが、いつも三浦大知がやっているダンススタイルとまたちょっと違うかなと。そこからパワーを借りて、僕自身も思い切りダンスで解放できましたね。

試行錯誤しながら、みんなでもの作りをするのが好き

――ミュージックビデオ(MV)でも小さな箱に閉じこもっていたところから解放されていく、楽曲の世界観がそのまま表現されていますね。とくに印象的だったのが、大知さんが思い切り粉をまき散らす場面だったのですが。
三浦 僕もこのシーンは一番の見どころじゃないかと。自分にまとわりついているもの、縛っているものを振り払っていくという意味があるんです。最近はデジタルなものがほとんどですけど、MVでもCGを使わずに、実際にそういうアイテムを使ってやるというのが、逆に今っぽいのかなと。楽曲に関してもパソコンで打ち込んでというよりは、生楽器でちゃんとプレーしていますし、ジャケ写も撮った写真の上にガラスの破片と花を実際に置いてもう1回撮影したりと、間にアナログを1回挟むことで人間味を感じてもらえるんじゃないかと。

――そのぶん、リスクも時間も伴いますよね。
三浦 「これをやったらどう見えるんだろう?」と試行錯誤しながら、みんなでもの作りをするのが好きなんですよね。

――表現者としてだけでなく、クリエーターとしての視点も兼ね備えているからこそ、そういったリスクがありながらも徹底したこだわりをみせられるんでしょうね。では、カップリング「Wanna Give It To You」について教えてください。
三浦 日本語にすると“君にそれをあげる”というタイトルなのですが、“It(それ)”というのをあえて何か決めずに、例えばライブに来た人が、ライブを観て何かを持ってかえったり、今この空間で自分は何をもらったのか、それぞれが考えられたらおもしろいなと。三浦大知のエンターテインメントを見て、いろんなものをあげるというテーマとともに、ライブを意識して歌詞を書いてもらいました。イントロから耳をグッとつかまれるキャッチーなサウンドで、聴いた瞬間、ライブで踊っているイメージがしたんですけど、まさにこの曲はライブでやって完成するのかなと思います。

――3曲目の「my day」は、大知さん自身が作詞を手掛けていますが。
三浦 今年でソロ活動10周年を迎えるのですが、もっともっといきたい、まだまだ自分に期待していたいという気持ちがすごくあって。それは僕だけでなく、いろんなところで生きているみなさんが、自分に何かを期待することって、意識的にしていないとなかなかないといいますか、ちょっと忘れがちなのかなって風に思ったんです。なので、この曲を聴いた人が、もっと私はこんなことができるかも、もっと俺はこんなことしたいと、後回しにしていたことに再チャレンジしたり、自分には可能性があるんだともう1回自分に期待して、自分にしか作れない本当の明日みたいなところに足を踏み込んでもらえたらいいなと、そんな思いを込めて歌詞を書かせていただきました。

(文:星野彩乃/撮り下ろし写真:草刈雅之)

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