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ドリームフェスティバル2012『ジャンルの垣根を越えて――豪華アーティスト競演“夢の3日間”をレポート』

 テレビ朝日主催のライブイベント『ドリームフェスティバル2012』が、秋深まる10月頭の連休、東京・国立代々木競技場第一体育館とSHIBUYA-AXで開催された。ジャンルの垣根を越え、豪華アーティストが集結!圧倒的なパフォーマンスにのべ3万7,000人が熱狂した。ここでは“夢の競演”に沸いた、代々木の3Days公演をたっぷりとお届けする。

10月8日(月)<3日目>

 

最終日も意外性あふれる6組が登場

 誰がトリを務めてもおかしくないほど豪華で、意外性あふれる組み合わせの6組が揃った3日目。この日は、flumpoolのダイナミックなロック「覚醒アイデンティティ」で幕を開けた。「え!いきなりflumpool?」と驚きを隠せない様子だった観客も、その驚きを興奮に換えて、手拍子や声援をメンバーに送る。この日はヒット曲「君に届け」など6曲を披露。冒頭から曲に合わせてスモークが噴き出し火薬が爆発するといった派手な演出と、期待感を最大限まであおるパフォーマンスで、会場を埋め尽くした観客を圧倒。「夢よりもっと楽しい時間を作りましょう」とのボーカル・山村隆太の声に促され、歌ったり踊ったり実に楽しいイベントの幕開けとなった。

 ただひたすらに轟音の演奏を聴かせる独自スタイルで、自分たちの音楽を観客に届けた凛として時雨。演奏したのは「想像のSecurity」や「DISCO FLIGHT」など、インディーズ時代からライブで定番になっていた曲を中心に、新曲「abnormalize」を含めた7曲。たった3人のシンプルなバンド構成ながら、どの楽曲もエネルギッシュで実に個性的。ボーカル・TKの挑発的な歌声と、飛び跳ねながら演奏するベース・345の歌声が交錯する世界観は、脳天直撃といった刺激的な雰囲気。観客はゆらゆらと身体を揺らしながら、黙々と放たれるそのサウンドに身を委ねた。

 「ひとりだけ毛色が違ってすみません(笑)」と、温かい人柄あふれるトークと歌で、会場を和やかな雰囲気で包み込んだ星野源は、「ばらばら」や「穴を掘る」など、しっとりとしたナンバーから軽快なカントリー調など、アコースティックのバンドの演奏で7曲を聴かせた。すべての人にエールを贈る「フィルム」では、「いろいろなことがある世の中だから」と前置きし、その言葉に観客はじっと耳を傾ける。また笑いを交えたMCは独特で、さすが役者といった感じ。途中、花道の先端で体育座りして場内を見渡すなど、イベントの雰囲気を大満喫していた。

ヒットナンバーのオンパレードに熱狂!

 絶賛ブレイク中のサカナクションは、「僕と花」、「夜の踊り子」など、CMやドラマのタイアップで人気の楽曲全8曲を披露。中盤では、メンバー全員がステージの最前に整列してMacを操りながら「僕と花(sakanaction Remix)」を披露する、テクノの神様・クラフトワークへのオマージュ的な演出もあった。バンドサウンドとエレクトロを融合した独自の音楽性と、レーザービームなどの演出によって、会場はまるでクラブのダンスフロアになったような盛り上がり。新世代ロックのスタイルで魅せてくれた。

 「いえ〜い!」と、ちょっとゆるいノリで登場した斉藤和義は、なんと髪が金髪!MCでは美容室に行った時のエピソードを披露し、そこに得意の下ネタを織り交ぜて観客を笑わせる。演奏は決してゆるくなく、ひとたび演奏が始まると場の空気は一変。「歩いて帰ろう」や「ずっと好きだった」では、観客から自然と手拍子が沸き起こる。名ロックバラード「歌うたいのバラッド」では、目を閉じて弾く斉藤のギターソロが印象的。「メトロに乗って」では、出だしを間違えてやり直す場面もあったが、それもライブならではのご愛敬だ。ラストの「やさしくなりたい」は、言うまでもなく大合唱の盛り上がり。全8曲の“斉藤和義ワールド”に、観客も大満足の様子だった。

 ラストはポルノグラフィティ。広島弁で親近感たっぷりにしゃべる岡野昭仁は、彼らのライブを初めて観る観客のことも気遣いながら場内をひとつにまとめ、さながらワンマンライブのように盛り上がった。ステージに炎やスモークが噴き出し紙吹雪や金テープが発射されるなどの多彩な仕掛けも、観客の興奮をあおった。演奏された10曲はヒット曲のオンパレード。「ハネウマライダー」ではタオルを回して盛り上がり、「カゲボウシ」ではしっとり聴かせる。「Mugen」を歌う際には昭仁の「あなたたちの声で会場をいっぱいにしましょう」と誘って、曲の冒頭のコーラス部分を「ウォウォウォウォーウォー!」と一緒に歌ったほか、「ミュージック・アワー」では独特の振り付けを踊るなど、観客は終始実に楽しそうだった。アンコールの「アゲハ蝶」では場内一体となった「ラララ」の歌声が響き、3日間に渡って繰り広げられた“夢の宴”はこうして幕を閉じた。
(文:榑林史章)

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