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【編集長の目っ!】時代を超え輝き続ける久保田利伸

■『Timeless=時代を超えて Fly=イケてる』な男・久保田

 今でもよく覚えているが、’86年の久保田利伸のデビューは本当に衝撃的だった。彼を紹介するときに必ず使われる“FUNKY”という言葉も、彼から発信されたキーワードだった。“FUNKY”とは、ポップスやロックの野性的で躍動感のあるリズム、と理解しているのだが、久保田の作るリズム、メロディー、そして日本人離れした伸びやかで、あまりに瑞々しい歌声はまさにそれだった。自然と体が動いてくるリズムと、1度聴くと忘れられないメロディー、そしてコトバ。

久保田利伸 

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 このコトバの使い方、日本語をR&Bミュージックにノセる術を教えてくれたのは久保田だと思う。日本におけるR&Bの礎を築いた、という言葉も久保田のを紹介するときに良く使われるが、まさにそれ。本場のブラックミュージックを久保田のDNAに一度通し、ポップで、グルーヴ感溢れる、日本人が熱狂するR&Bに仕上げてくれるが、そんな音楽に日本語をきちんと乗せて、カッコよく仕上げるというのは久保田利伸しかできなかった。さらに久保田が作るサウンド、メロディーに乗る日本語は、決して日本語の良さを失うことなく、逆にもっとカッコよさを纏い、今までと違う温度感で胸に突き刺さる。

 久保田は、スタンダードナンバーを数多く残している。「TIMEシャワーに射たれて…」「流星のサドル」「Missing」「CRY ON YOUR SMILE」「LA・LA・LA LOVE SONG」などなど…。メロディーはもちろん、やはり詞も素晴らしいと評価されているものが、スタンダードナンバーと呼ばれていると思うし、認められていると思う。

 久保田が切り拓いた道は、その後彼に影響を受けた、いわゆる“久保田CHILDREN”達によってさらに広がっていった。2004年にリリースされた久保田のトリビュート盤『SOUL TREE 〜a musical tribute to toshinobu kubota〜』にはMISIA、ATSUSHI(EXILE)、BoA、ゴスペラーズ、Skoop On Somebody、Rhymester、倖田來未、中島美嘉らが参加。また2007年に行なわれたトリビュートライブには平井堅、AI、DOUBLE、ATSUSHI(EXILE)、VERBAL(m-flo)、KREVA、加藤ミリヤらが参加し、その影響力の大きさに改めて驚かされた。

 そんな豪華ゲスト達が参加している、久保田の4年ぶりのニューアルバム『TimeLess Fly』が2月24日にリリースされる。KREVAやMISIA、小泉今日子、JUJU、WISE、Tarantula from Spontaniaといったなんとも豪華な顔ぶれが、久保田のリズムにノッて、魅せてくれている。さらにマイケル・ジャクソンへの感謝を込めたオマージュ「STAR LIGHT」なども収録され、どこまでもポップなものや、極上のR&B、グッとくるスウィート&メロウ、様々な表情を見せてくれる1枚だ。

 6月からは全国ツアーもスタートし、来年デビュー25周年を迎える久保田は大きく動き出す。その才能に、改めて触れるチャンスだ。

 まさに『Timeless=時代を超えて Fly=イケてる』な男・久保田。今、時代は彼を求めている。


 久保田利伸久保田利伸 feat.MISIA

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  • アルバム『Timeless Fly』 

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