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デジタルとパッケージでブレイク、GReeeeN

着うた200万DL、パッケージ25万枚突破
上半期新人&6月度配信最大ヒットとなった
GReeeeNの「愛唄」

 上半期の新人アーティストの中で群を抜いた大ヒットを記録中のGReeeeN。5月16日発売の3rdシングル「愛唄」は、5週連続TOP10入り、7月2日付ランキングでは最高位となる2位をマークし、出荷ベースで25万枚突破。4月4日から配信開始した着うたのダウンロード数は130万、5月16日から開始した着うたフルは70万ダウンロードを突破し、6月度のランキング3部門(着うた/着うたフル/PC)
 


で首位に立った。 ライヴはおろかPVにも全く出演せず、アーティスト稼動一切ナシという状況下にもかかわらず、印象深いシンボリックなアイキャッチやアイコン等の発想も伏線にし、シンプルに“楽曲へのピンポイント”プロモーションに行き着いた結果、今回の大ヒットを生んだ。



 3rd シングル「愛唄」の楽曲の良さで多くの人の心をつかみブレイクへ――という当初からのプランニングの中、UMK社NAYUTAWAVE RECORDSは、彼らの楽曲のメッセージ性に最も共感しそうな中高生をメインターゲットとした(事実、彼らのファンの85%は10〜20代という推測データがある)。方法論の中心に、その中高生が肌身離さず持っている携帯を据え、従来の音楽系PC/携帯サイトへのアプローチの他、自身でホームページ作成を運営する携帯サイトや、無料でゲームがダウンロード出来るサイト等へもバナー出稿。コアな音楽ユーザーのみならず、グレーゾーンへのアプローチも試み、それらが現在の状況に結び付いたと推測出来る。

 また、着うたの切り出しも期間を決めて3バージョン作成。結果、その後の着うたフルのダウンロードや、パッケージの購入への繋ぎも成功した。加えて、EX『ミュージックステーション』の着うたチャートに長期にわたって入っていることも多大な宣伝効果に。UMK社によれば、同番組内での着うたチャート発表後、金曜から土曜日にかけてダウンロード数が爆発的に伸びるという確固たるデータがある。

「愛唄」の着うた配信に関しては、パッケージ発売の1ヶ月半前という、かなり先行で行ったのですが、それが後のパッケージや着うたフルへのプロモーションにうまく繋がっていった感はありますね。特にGReeeeNの場合は、アーティストの姿が見えない分、愛情の向けどころが携帯に集中したという見方もできると思います。中高生にとって、携帯は自分の分身みたいなもの。そこにアーティストの曲を取り込むというのは、やはり“自分だけのものにしたい”的な意識も強く働いたのかなと思います」(NAYUTAWAVE RECORDS ネット・マーケティング担当 山口宗氏) また、中高生には口コミが最も効果的と分析。その中の一つとしてmixiを使った戦略(詳しくは右のインタビュー参照)を敢行し、それもプロモーションの大きな柱の一つとなった。

 宣伝部は「愛唄」のダウンロードにつなげるために奔走し、最終的に20ものパワープレイを獲得した他、有線、コンビニ、CDショップのストアプレイ等、とにかく街鳴りを強化した。どこかで一度は耳にした楽曲と、よく目にするGReeeeNというアイコンとが、どこかで結びつく下準備を着々と進行。「愛唄」の発売前には、各所に蒔いた種が結びつく状況を作りあげた。

「事前の擦り込みのおかげで、TVタイアップが始まった直後や良い時間帯でのCM放送後のダウンロードの伸び率は凄かった。これまで断片的に触れていた音、アーティスト名、アイコン的なものがTVで見聞きすることによって一斉に合致したのでしょう。そのあたりはまるで答え合わせのようでした」(NAYUTAWAVE RECORDS プロダクトマネジメント部 部長 高瀬一将氏)。

 その背景に、「今年は昨年にも増して、会社全体として配信ビジネスのさらなる強化がテーマの一つにあって。モバイル向け配信の市場もここ1、2年で大きく変化しており、その波にうまく乗り、売り上げを立てて行くという目標が出てきました。そんななか、“GReeeeNならではの特性を活かして何かやれるのでは?”と考えました」(山口氏)という方向性の下、前述したモバイルやmixiをはじめとするPC関連へのプロモーションに力点を置き、予算を集中的に投下することができた。

「3枚目の「愛唄」が勝負作ということで、イニシャル8万枚、社内のプライオリティとなったことで予算がつき、これまで以上に規模の大きいプロモーションをより具体的にターゲットを見極め、特化して出来ました。この結果を他のアーティストにもうまく流用していきたいですね」(高瀬氏)という言葉に、裏付けめいた自信が伺える。

 1クールの最後となる6月27日発売の1stアルバム『あっ、ども。はじめまして。』は、イニシャル約13万枚、発売日のバックオーダー約10万枚、7月9日付のランキングは初登場2位(13.0万枚)と猛発進。パッケージも配信もまだまだ売り伸ばしそうな気配だ。


    
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