9月に50歳を迎えるシンガー・ソングライターの奇妙礼太郎が3日、自身初、史上最大規模となる日本武道館での単独公演『奇妙礼太郎 日本武道館 単独公演 “1976”』を開催した。自身の生まれ年を冠したタイトルのアルバム『1976』を4月にリリース後、集大成となる日本武道館公演を迎えた。
この日は、有山じゅんじ、内田勘太郎、木村充揮、Sundayカミデ、塩塚モエカ(羊文学)、ヒコロヒーの6組がゲスト出演。2023年に発表した「HOPE feat.ヒコロヒー」「春の修羅 feat.塩塚モエカ(羊文学)」を含むさまざまなゲストとのコラボレーションを披露し、会場に駆けつけた7000人のファンを魅了した。同公演のオフィシャルライブレポートが届いた。
■オフィシャルライブレポート
奇妙礼太郎にとって2026年は50歳を迎える節目の年。生まれ年を冠した、初の日本武道館公演『奇妙礼太郎 日本武道館 単独公演 “1976”』が開催された。
SEが流れ、ホーンとストリングスを含めたバンドメンバーが現れる。本日の主役、奇妙礼太郎がステージの真ん中に立ち、両手を広げると、ひときわ大きな拍手が送られた。記念すべき初武道館は11人編成だ。
「エロい関係」が奏でられると、オーディエンスが一斉に立ち上がり、ハンドクラップ。芳醇なアンサンブルと破格の歌に、観客はすぐさま身を委ねるように体を揺らす。1番を歌い終わって奇妙が「YEAH!!」と声を上げた。大きな拍手。「まるでフランス映画みたいな とても詩的な関係 僕らはエロい関係 それはエグい関係」と歌ったあと、奇妙は「ようこそー!!!!」とシャウト。序盤からただならぬ多幸感が充満する。
「たまらない予感」の1番を歌って「カモン!」とアジテート。これだけ素晴らしい歌声を響かせられるなら、歌うことが楽しくて仕方がないだろう。そんなことを思ってしまうほどの極上の歌。オーディエンスはとにかく楽しそうに体を揺らし、時折手を叩き、歌と音楽と一体化していく。「ようこそー! やらせてもらうわー! 『元気でやってるか』」と3曲目の曲名をシャウト。上手い・下手という次元ではなく、何のストッパーもない魂そのもののような歌声が駆け抜ける。「元気でやってるか 元気かい YEAH!」と奇妙が歌うと、フロアが「YEAH!」と応えて拳を突き上げるという、魂と魂の交歓のようなコミュニケーションが行われていく。
「機嫌なおしておくれよ」「かすみ草」「イルミネーション」……「金曜日の夜はふたり いつもよりおしゃれして はずかしらがらずにゆこう 憧れのネオンの街へ」というこの金曜の夜にぴったりなフレーズが飛び出す。客席のあちこちから「奇妙さん最高!」という声が上がった。奇妙はアコギを軽く弾いてから、「最高のゲストを呼んでいい?」と言って、1人目のゲスト、ヒコロヒーを呼び込む。奇妙がヒコロヒーのラジオにメッセージを送ったことから生まれた縁だ。「HOPE feat. ヒコロヒー」。奇妙のアコギと2人の味わい深いハーモニーに客席は酔いしれた。奇妙が、「続いても、素敵なゲストをお招きしてもいい? 俺みたいなヤツを応援してきてようやく良いことあったな」と嬉しそうな表情で言って、羊文学の塩塚モエカが登場。「春の修羅 feat. 塩塚モエカ(羊文学)」へ。奇妙が小気味よいカッティングを刻む。ミラーボールによる赤い光が照らす中、塩塚の凛としたボーカルに、2人の「修羅 修羅 修羅 朱 朱 朱」というコーラスが乗った。
「陽炎」「朝までのブルース」に続いて、小気味いビートに乗って、ステージ上の階段を駆け上がり、「一番高いところから失礼します! こんばんは! 奇妙礼太郎です!」と改めて自己紹介。ミラーボールが回る中、「夢暴ダンス」。華麗なステップを踏みながらファンキーな歌を響かせ、オーディエンスとともにダンス。
「何度聞いたかわからない」と、今から登場するゲストが自らのルーツであることを匂わせ、憂歌団の木村充揮と内田勘太郎、上田正樹とサウス・トゥ・サウスなどで知られるギタリスト/シンガー・ソングライターの有山じゅんじがステージに現れた。憧れのレジェンドに囲まれた奇妙は「死にそう(笑)」と口にし、幸せの極限状態であることを示唆した後、「だって俺もう何もせんくてもええもん」と笑った。
ブルージーでエクスペリメンタルなアンサンブルによる憂歌団の代表曲の1つである「嫌んなった」に続いて、奇妙が「みんな散歩しようぜ!」と呼びかけ、有山じゅんじの代表曲「梅田からナンバまで」。牧歌的なハーモニーが伸びていく。後半は、軽快なスキャットの応酬。レジェンド3人に囲まれて、とても嬉しそうにスキャットを重ねる奇妙。3人を送り出し、「やったぞ!」と歓喜の声を上げる。
「More Music」「穴」「散る 散る 満ちる」という流れ。ステージの上方中央に「散る 散る 満ちる」のプロデュースと編曲を手がけたSundayカミデが登場。菅田将暉のパートを歌い出す。奇妙は「友達きた!」と喜ぶ。奇妙が歪んだギターを弾きならし、カウントアップ。奇妙とSundayカミデがメンバーとして名を連ねた天才バンドの「ロッケンロールベイベー」を2人で歌唱。Sundayカミデは1フレーズ歌うたびに、客席にマイクを向ける。Sundayカミデが「カモン! ギター奇妙礼太郎!」と言えば、スポットライトに照らされた奇妙がエレキギターを思いきりかき鳴らす。曲のリリースから約12年。多くの人々が集まった武道館での「ロッケンロールベイベー」は感慨深いものがあった。
MCでは「ロッケンロールベイベー」の曲中に出てくる会話について言及。Sundayカミデが当時の彼女と旅行に行ったときの会話がそのまま歌詞になっているということ、旅行代としてお小遣い3万円をくれた一番上の兄が武道館に来ているということ、加えて真ん中の兄も来ているということをSundayカミデが楽しそうに話した。奇妙が「俺たちの名曲やっていい?」と呼びかけ、ピアノと歌による天才バンドの「君が誰かの彼女になりくさっても」へ。歌をバトンし、お互い「良い声」と褒め合う。ステージ上手に歩き、両手を上げ、左右に腕を振りながら、歌を重ねる2人。奇妙が「君の未来に」と歌えば、Sundayカミデが「僕はいない」と応え、奇妙が「寂しい」と突っ込むという、漫才のような掛け合いが織り込まれた。
「humming bird」を歌ったあと、奇妙は少しはにかみながら「大好きな人の曲」と前置きして、松田聖子の「SWEET MEMORIES」のカバーへ。もちろんこれも素晴らしかった。最後のフレーズ「過ぎ去った優しさも今は」と歌った後、驚異のロングトーンへ突入。拍手の中、「今は 甘い記憶 sweet memories」と歌い切り、この上ない余韻が武道館を包み込んだ。奇妙のアコギのストロークだけが響き、「アスファルト」を弾き語りで披露。途中、照明がまばゆく光り、バンドの演奏が加わった。「ありがとう、あと2曲で終わりだ。楽しかったよ」と言って、「わたしの歌」へ。ハンドマイク姿でステージ前方に移動し、「わたしはわたしを好き 好きなの」という自らを象徴するようなフレーズを歌い放った。
「ありがとう! 良い夜だったぜ! 『オンリーユ―』っていう曲でお別れだ!」ということで、本編ラストは奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の「オンリーユー」。ミラーボールが煌びやかな光を放つ中、強靭なエネルギーをまとって不朽の名曲を歌い切ったあと、片腕を突き上げて、奇妙は快哉を叫んだ。
アンコールで改めて感謝を伝え、メロウな「愛がすべてのこと」へ。奇妙が「ありがとう! 歌ってくれるの?」と問いかけると、「愛がすべてのこと 明日すべてのもの」というシンガロングが巻き起こった。「また大好きな歌、歌っていい? ピアフっていう女が歌っていた歌を歌います」と言って、奇妙を語る上では欠かせないエディット・ピアフの「愛の讃歌」のカバーへ。会場は歌と音楽への愛に包まれていく。最後の曲も奇妙のライブにとっては定番。世界的なヒット曲「オーシャンゼリゼ」のカバーだ。ハンドクラップの中、本日のゲストが再登場。奇妙は「いつも何か すてきなことが あなたを待つよ」と歌った後、「オー・シャンゼーーーーーリゼーーーー!」とロングトーンを響かせた。金テープが勢い良く飛び、それを手にするオーディエンス。奇妙は「綺麗だよー! みんな。ミッフィーみたい。またね!」とメッセージを送り、特別な金曜の夜を締めくくった。
(文・小松香里)
【写真たくさん】ヒコロヒーとの共演シーンなど『奇妙礼太郎 日本武道館 単独公演 “1976”』のライブ写真がたっぷり!
この日は、有山じゅんじ、内田勘太郎、木村充揮、Sundayカミデ、塩塚モエカ(羊文学)、ヒコロヒーの6組がゲスト出演。2023年に発表した「HOPE feat.ヒコロヒー」「春の修羅 feat.塩塚モエカ(羊文学)」を含むさまざまなゲストとのコラボレーションを披露し、会場に駆けつけた7000人のファンを魅了した。同公演のオフィシャルライブレポートが届いた。
奇妙礼太郎にとって2026年は50歳を迎える節目の年。生まれ年を冠した、初の日本武道館公演『奇妙礼太郎 日本武道館 単独公演 “1976”』が開催された。
SEが流れ、ホーンとストリングスを含めたバンドメンバーが現れる。本日の主役、奇妙礼太郎がステージの真ん中に立ち、両手を広げると、ひときわ大きな拍手が送られた。記念すべき初武道館は11人編成だ。
「エロい関係」が奏でられると、オーディエンスが一斉に立ち上がり、ハンドクラップ。芳醇なアンサンブルと破格の歌に、観客はすぐさま身を委ねるように体を揺らす。1番を歌い終わって奇妙が「YEAH!!」と声を上げた。大きな拍手。「まるでフランス映画みたいな とても詩的な関係 僕らはエロい関係 それはエグい関係」と歌ったあと、奇妙は「ようこそー!!!!」とシャウト。序盤からただならぬ多幸感が充満する。
「たまらない予感」の1番を歌って「カモン!」とアジテート。これだけ素晴らしい歌声を響かせられるなら、歌うことが楽しくて仕方がないだろう。そんなことを思ってしまうほどの極上の歌。オーディエンスはとにかく楽しそうに体を揺らし、時折手を叩き、歌と音楽と一体化していく。「ようこそー! やらせてもらうわー! 『元気でやってるか』」と3曲目の曲名をシャウト。上手い・下手という次元ではなく、何のストッパーもない魂そのもののような歌声が駆け抜ける。「元気でやってるか 元気かい YEAH!」と奇妙が歌うと、フロアが「YEAH!」と応えて拳を突き上げるという、魂と魂の交歓のようなコミュニケーションが行われていく。
「機嫌なおしておくれよ」「かすみ草」「イルミネーション」……「金曜日の夜はふたり いつもよりおしゃれして はずかしらがらずにゆこう 憧れのネオンの街へ」というこの金曜の夜にぴったりなフレーズが飛び出す。客席のあちこちから「奇妙さん最高!」という声が上がった。奇妙はアコギを軽く弾いてから、「最高のゲストを呼んでいい?」と言って、1人目のゲスト、ヒコロヒーを呼び込む。奇妙がヒコロヒーのラジオにメッセージを送ったことから生まれた縁だ。「HOPE feat. ヒコロヒー」。奇妙のアコギと2人の味わい深いハーモニーに客席は酔いしれた。奇妙が、「続いても、素敵なゲストをお招きしてもいい? 俺みたいなヤツを応援してきてようやく良いことあったな」と嬉しそうな表情で言って、羊文学の塩塚モエカが登場。「春の修羅 feat. 塩塚モエカ(羊文学)」へ。奇妙が小気味よいカッティングを刻む。ミラーボールによる赤い光が照らす中、塩塚の凛としたボーカルに、2人の「修羅 修羅 修羅 朱 朱 朱」というコーラスが乗った。
「陽炎」「朝までのブルース」に続いて、小気味いビートに乗って、ステージ上の階段を駆け上がり、「一番高いところから失礼します! こんばんは! 奇妙礼太郎です!」と改めて自己紹介。ミラーボールが回る中、「夢暴ダンス」。華麗なステップを踏みながらファンキーな歌を響かせ、オーディエンスとともにダンス。
「何度聞いたかわからない」と、今から登場するゲストが自らのルーツであることを匂わせ、憂歌団の木村充揮と内田勘太郎、上田正樹とサウス・トゥ・サウスなどで知られるギタリスト/シンガー・ソングライターの有山じゅんじがステージに現れた。憧れのレジェンドに囲まれた奇妙は「死にそう(笑)」と口にし、幸せの極限状態であることを示唆した後、「だって俺もう何もせんくてもええもん」と笑った。
ブルージーでエクスペリメンタルなアンサンブルによる憂歌団の代表曲の1つである「嫌んなった」に続いて、奇妙が「みんな散歩しようぜ!」と呼びかけ、有山じゅんじの代表曲「梅田からナンバまで」。牧歌的なハーモニーが伸びていく。後半は、軽快なスキャットの応酬。レジェンド3人に囲まれて、とても嬉しそうにスキャットを重ねる奇妙。3人を送り出し、「やったぞ!」と歓喜の声を上げる。
「More Music」「穴」「散る 散る 満ちる」という流れ。ステージの上方中央に「散る 散る 満ちる」のプロデュースと編曲を手がけたSundayカミデが登場。菅田将暉のパートを歌い出す。奇妙は「友達きた!」と喜ぶ。奇妙が歪んだギターを弾きならし、カウントアップ。奇妙とSundayカミデがメンバーとして名を連ねた天才バンドの「ロッケンロールベイベー」を2人で歌唱。Sundayカミデは1フレーズ歌うたびに、客席にマイクを向ける。Sundayカミデが「カモン! ギター奇妙礼太郎!」と言えば、スポットライトに照らされた奇妙がエレキギターを思いきりかき鳴らす。曲のリリースから約12年。多くの人々が集まった武道館での「ロッケンロールベイベー」は感慨深いものがあった。
MCでは「ロッケンロールベイベー」の曲中に出てくる会話について言及。Sundayカミデが当時の彼女と旅行に行ったときの会話がそのまま歌詞になっているということ、旅行代としてお小遣い3万円をくれた一番上の兄が武道館に来ているということ、加えて真ん中の兄も来ているということをSundayカミデが楽しそうに話した。奇妙が「俺たちの名曲やっていい?」と呼びかけ、ピアノと歌による天才バンドの「君が誰かの彼女になりくさっても」へ。歌をバトンし、お互い「良い声」と褒め合う。ステージ上手に歩き、両手を上げ、左右に腕を振りながら、歌を重ねる2人。奇妙が「君の未来に」と歌えば、Sundayカミデが「僕はいない」と応え、奇妙が「寂しい」と突っ込むという、漫才のような掛け合いが織り込まれた。
「humming bird」を歌ったあと、奇妙は少しはにかみながら「大好きな人の曲」と前置きして、松田聖子の「SWEET MEMORIES」のカバーへ。もちろんこれも素晴らしかった。最後のフレーズ「過ぎ去った優しさも今は」と歌った後、驚異のロングトーンへ突入。拍手の中、「今は 甘い記憶 sweet memories」と歌い切り、この上ない余韻が武道館を包み込んだ。奇妙のアコギのストロークだけが響き、「アスファルト」を弾き語りで披露。途中、照明がまばゆく光り、バンドの演奏が加わった。「ありがとう、あと2曲で終わりだ。楽しかったよ」と言って、「わたしの歌」へ。ハンドマイク姿でステージ前方に移動し、「わたしはわたしを好き 好きなの」という自らを象徴するようなフレーズを歌い放った。
「ありがとう! 良い夜だったぜ! 『オンリーユ―』っていう曲でお別れだ!」ということで、本編ラストは奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の「オンリーユー」。ミラーボールが煌びやかな光を放つ中、強靭なエネルギーをまとって不朽の名曲を歌い切ったあと、片腕を突き上げて、奇妙は快哉を叫んだ。
アンコールで改めて感謝を伝え、メロウな「愛がすべてのこと」へ。奇妙が「ありがとう! 歌ってくれるの?」と問いかけると、「愛がすべてのこと 明日すべてのもの」というシンガロングが巻き起こった。「また大好きな歌、歌っていい? ピアフっていう女が歌っていた歌を歌います」と言って、奇妙を語る上では欠かせないエディット・ピアフの「愛の讃歌」のカバーへ。会場は歌と音楽への愛に包まれていく。最後の曲も奇妙のライブにとっては定番。世界的なヒット曲「オーシャンゼリゼ」のカバーだ。ハンドクラップの中、本日のゲストが再登場。奇妙は「いつも何か すてきなことが あなたを待つよ」と歌った後、「オー・シャンゼーーーーーリゼーーーー!」とロングトーンを響かせた。金テープが勢い良く飛び、それを手にするオーディエンス。奇妙は「綺麗だよー! みんな。ミッフィーみたい。またね!」とメッセージを送り、特別な金曜の夜を締めくくった。
(文・小松香里)
2026/07/09



