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中村唯人、昭和歌謡カバーの1stアルバム発売 19歳が恋した「最近の歌にはないセクシーさ」

 演歌・歌謡曲のジャンルにまた1人、期待の新星が現れた。中学3年生で出演した『THEカラオケ☆バトル』(テレビ東京系)をきっかけに、作曲家の田尾将実氏に見出され、昨年6月、現役高校生歌手として『ほろ酔い風酒場』でデビューした中村唯人だ。今年3月には『第40回日本ゴールドディスク大賞ベスト演歌/歌謡曲ニューアーティスト』を受賞し、4月にはセカンドシングル「青春みれん」を発表し、7月8日には昭和歌謡をカバーした1stアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』をリリースするなど、怒涛の快進撃を続けている。今年3月に高校を卒業し、歌手活動一本でスタートを切った中村に、これまで、そしてこれからについて聞いた。

昭和歌謡をカバーした1stアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』をリリースした中村唯人

昭和歌謡をカバーした1stアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』をリリースした中村唯人

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■演歌・昭和歌謡との運命の出会い 歌手を志した少年時代

 中村が歌手を夢見たのは小学4年生のとき。テレビで見たクリスタルキングの『大都会』に衝撃を受けたことがきっかけだった。「僕もこんなふうに人に感動を与えられたらどんなに嬉しいだろう」――そこからは毎日、「大都会」を聴くとともに、若い頃に自身も歌手をめざしていたという祖母の影響から「昭和の名曲の数々にどっぷりハマっていった」という。

 実は中村の父も若い頃はバンドを組み、歌手をめざしていた。デビューのきっかけとなった『THEカラオケ☆バトル』への出場も、息子の夢の足掛かりになればと父が内緒で応募したのだった。

 しかし、番組で歌ったのは、いわゆる歌謡曲ではなく、細川たかしの「北酒場」。「出場前、サッカーで怪我をして松葉杖生活を送っていたときに、ふと演歌を聴いてみたいなと思うようになって、『北酒場』を聴いたらものすごく好きになってしまって。そこから3ヶ月くらい、狂ったように聴いていた曲だった」という。

 「演歌とか昭和歌謡ってとにかく歌詞が素晴らしくて、さらにメロディーラインがその日本語の言葉の美しさをより引き出していて、いい意味でセクシーだなって思うんです。聴く側の受け取り方も自由に広がっていくし、最近の歌にはない魅力があるから、地上波でもっともっと演歌や昭和歌謡が取り上げられたら、若い人たちにも火がつくのになぁと思っています」(中村唯人/以下同)

 『THEカラオケ☆バトル』に出演した中村を見初めたのは作曲家の田尾将実氏。中村は地元・茨城から東京の田尾氏のもとにレッスンに通うことになる。

 「初めてお会いしたとき、先生からは『唯人くんの歌は人を幸せにする力がある。だから声をかけさせてもらった』と言われました。僕は先生のことを存じ上げていませんでしたし、大作曲家の先生と聞いて、会う前はちょっと怖かったのですが、僕の将来を見据えていろいろとお話をしてくださって、先生のもとでぜひ勉強したいと思いお願いしました」

 そして昨年6月、酒場を舞台にした人生応援歌「ほろ酔い風酒場」でデビュー。キャッチフレーズは “茨城発!キラキラ癒し系DK(男子高校生)”と決まった。『THEカラオケ☆バトル』で「北酒場」を聴いたときから田尾氏が中村のデビュー曲は酒の歌にしたいと考え、作詞に円香乃氏を迎えて作った楽曲だった。しかし、お酒を飲んだことがない高校生にとって酒場を舞台にした大人の歌はハードルが高かったのではないか、と尋ねると、「まったく」と笑って即答した。

 「中学生のときから『北酒場』が好きで歌っていましたし、もっといえば、小学校低学年から祖母が大好きだったこともあって、弘田三枝子さんの『人形の家』なども聴いていましたから、難しいとは思わなかったです」

■「中村唯人というジャンル」を目指して 高音も低音も極めたい

 デビュー曲から一転、今年4月にリリースしたセカンドシングル「青春みれん」は、等身大の“恋”と“青春”をテーマにした青春ソング。歌詞だけでなく、前作では演歌、本作では昭和歌謡を想起させるノスタルジックなメロディーと異なる世界観でその魅力をアピールしている。自分の強みをどうとらえているのか、そう尋ねてみると、こんな頼もしい答えが返ってきた。

 「お客様やディレクターさんから、高音も低音も良いねって言われるんですが、高音低音の両方を聴かせる歌手ってあまりいないじゃないですか。だから、高音だったら布施明さん、低音だったらフランク永井さんや水原弘さんのような歌が歌えるように、どちらも極限まで磨いて、高音と低音、その両方を武器に中村唯人という新しいジャンルを作れたらと思っています」

 7月8日には、自身が大好きな昭和歌謡を集めた1stアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』をリリース。「昭和歌謡には好きな歌がありすぎて、本当は6枚組、60曲くらい出したかった!」という中村だが、本作ではバラエティに富んだ10曲を収録。多くの候補曲から厳選しただけにそこにはこんなこだわりがある。

 「例えば、僕はムード歌謡ではアローナイツさんと内山田洋とクールファイブさんが大好きなのですが、どの曲を収録するかはすごくこだわりました。アローナイツさんといえば『中の島ブルース』が有名(後にクールファイブも競作)だと思いますが、今回はあえてあまり知られていないけれど、僕自身大好きで、すごい名曲だと思っている『背中をかして』を皆さんにぜひ聴いてほしくて選曲させてもらいました」

 小学生の頃から大好きだったという尾崎紀世彦の曲も同じ思いから「さよならをもう一度」をセレクト。カバー曲を歌うにあたっては、「その人のイメージをあまり崩さずに、そのうえで自分の色も出せたらと考えている」という中村だが、尾崎紀世彦に関しては、「リスペクトを込めて、同じ表現技法の歌い方を意識した」という。

 「僕は尾崎紀世彦さんの歌い方が大好きで、今回はリスペクトを込めて、あえて尾崎さんに寄せて歌ってみました。収録曲の中では先ほどお話ししたアローナイツさんの『背中をかして』と沢田研二さんの『時の過ぎゆくままに』もご本人の歌唱に寄せて歌っているので、皆さんにはぜひそこもチェックしていただければと思います」

昭和歌謡をカバーした1stアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』をリリースした中村唯人

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■飾らない素顔と大きな夢 目指すは「キラキラの宝石みたいな歌手」

 8月23日にはデビュー1周年を記念して地元・茨城県で初のワンマンコンサートを開催するが、チケットは売り出し直後に完売し、注目度の高さを見せつけた。

 「初のワンマンコンサートは地元で開催したかったのですが、ありがたいことに完売ということで頑張ってきてよかったなってほんとうに嬉しいです」

 近年、演歌・歌謡曲界では若手の活躍が目立ってきているが、「先輩方にはすごく可愛がっていただいているので、これからもいっぱい甘えていきたい」と笑顔で語る。自身のイメージについては、「“人懐っこい弟”とか、“親戚の子ども”といった感じ?」と、大人びた歌声とは裏腹に、弟キャラを強調する。

 そんな中村だが、今回、驚いたのは、ビジュアルの変化だ。セカンドシングルまでの純朴な高校生の雰囲気とは一転、髪を染め、スリムになり、ネイルアートにメイクにと、印象は大きく変わった。

 「高校時代は学校の規定で髪の長さなどに制限がありましたし、生徒会長もしていたので、いろいろやりたいことができなかったんです。なので、今は、絶賛、髪を伸ばし中で、やりたいことをやらせてもらっています(笑)」

 社会人1年生になってからの内面の変化を聞くと、「何も変わってないですね〜」とあっけらかん。その一方で、何より心がけているのは体調管理なのだとか。

 「先輩とかスタッフに、『ちょっとくらい無理しても若いから大丈夫でしょ』ってよく言われるんですけど、若くても疲れます(笑)。なので、いつでも準備万端な状態で、全力で皆さんに中村唯人の歌を届けられるよう、睡眠の質とか、体調管理には気を使っています。それから、田尾先生に言われた『いつも謙虚に感謝を忘れずに』ということも心がけています」

 プライベートの話を聞くと、大好きな昭和歌謡についてと同じくらい止まらなくなったのは、映画やドラマの話。「『男はつらいよ』シリーズが大好きで、とくに(浅丘ルリ子が演じた)リリーの回が好き」「韓国ドラマの『天国の階段』と『冬のソナタ』はティッシュ何箱使ったかというくらい泣いた。チェ・ジウに会いたい」などなど。やはり出てくるのはイマドキではなく、ちょっぴり懐かしい映画やドラマだ。

 「キラキラの宝石みたいだねって言われるような歌手になりたい」という新星が、昭和歌謡への深い愛情を胸に、令和の若者たちへどんな新しい風を吹き込んでくれるのか。これからの活動を楽しみにしたい。

取材・文:河上いつ子

<作品情報>
中村唯人 ファーストアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』
発売日:2026年7月8日
品番:TKCA-75347/価格:2500円(税込)

中村唯人 1stアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』ジャケット

中村唯人 1stアルバム『唯人の好きな昭和歌謡』ジャケット

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【収録曲】
01. 骨まで愛して
02. 君こそわが命
03. 風
04. 噂の女
05. さよならをもう一度
06. 心のこり
07. 時の過ぎゆくままに
08. 嫁に来ないか
09. 背中をかして
10. そして…めぐり逢い

<コンサート情報>
中村唯人デビュー1周年記念!
“ふるさと”ワンマンコンサート
8月23日(日) 茨城・守谷市中央公民館(もりりん中央)

関連写真

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