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B’z『FYOP+』ツアー横浜公演 進化を続ける二人の“Passion”が炸裂 最新作と名曲群が響き合った圧巻のステージ【ライブレポ】

 今年4月から6月にかけて行われた全国アリーナツアー『B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-』。昨年開催されたドームツアー『B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP-』に続く今回のツアーでB’zは、23作目のオリジナルアルバム『FYOP』の楽曲に加え、キャリアを彩ってきた名曲、ヒット曲、レア曲を織り交ぜたステージを展開。今もなお進化を続ける姿をダイレクトに見せつけた。神奈川・横浜アリーナ公演(5月30日)の模様をレポートする。

『B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-』より

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【ライブ写真】観客熱狂!松本孝弘、稲葉浩志ソロショット


■最新アルバム『FYOP』の世界観を体現した序盤戦

 この日の横浜の最高気温は29度。強い日差しが照りつけ、夏気分で開演前からビールを楽しむファンの姿も多い。スクリーンには夕陽のCG映像、BGMはエアロスミス、ディープパープルなど70年代のヒットチューン。ゆったりと開演を待っていると、17時ジャストにいきなり暗転し、爆音が鳴り始める。オープニングは「FAITH?」。アルバム『FYOP』に収録されたロックナンバーだ。いつステージに上がったの?! というサプライズ的な登場に対し、客席からは凄まじい歓声が沸き起こる。ステージを囲い込むように設置されたスクリーン――まるで檻のように見えた――。そこに松本孝弘稲葉浩志のモノクロの映像が映し出される演出もインパクト十分だ。

 続いては「濁流BOY」。アルバム『FYOP』に収められたアッパーチューンだが、ライブでの迫力は音源をはるかに上回る。稲葉のシャウト、松本の超絶ギターソロが炸裂し、会場の興奮は早くも最初のピークへ。松本と稲葉が寄り添い、“引きずられちゃいけない/そこはゆずっちゃいけない”というパートを丁寧に描き出す場面も心に残った。

 「B'zの!」と稲葉が叫び、松本がポーズを取る(サムズアップや両手を十字にした“+”マークなど)やりとりに続き、「B’zのLIVE-GYMにようこそ!」と叫ぶ。松本の電動ドリル奏法から始まったのは、もちろん「ZERO」。サビでは大合唱が巻き起こり、ステージを取り囲む観客の一体感がさらに上がっていく。さらに7thアルバム『The 7th Blues』収録曲「おでかけしましょ」を披露。疾走感に溢れたバンドサウンドと解放感のあるメロディが一つになったロックナンバーだが、ライブで演奏されるのはかなりレア。この曲に即座に反応し、爆発的に盛り上がるオーディエンスのB’z偏差値の高さにも驚かされた。「みなさん、今日はおでかけしてくれてありがとうございます!」とシャウトする稲葉のパフォーマンスも楽しい。

 さらに稲葉がマイクスタンドをぶん回しながら歌った「love me, I love you」、月の映像を映しながら披露された「今夜月の見える丘に」。言わずと知れた代表曲であり、アレンジも原曲に沿っているのだが、まるで初めて聴いたかのような波動が伝わってくる。この瞬間、このときだけの演奏によって、名曲に新たな命を吹き込む――そのときに生まれる感動もまた、間違いなく今回のツアーの醍醐味だったと思う。Shane Gaalaas(Dr)、Yukihide“YT”Takiyama(Gt)、川村ケン(Key)、清(Ba)によるテクニックと表現力を併せ持ったアンサンブルも素晴らしい。

 「『FYOP』、“Follow Your Own Passion”ということで、横浜アリーナに集まってくれたみなさん、持ってきていただいてますよね? パッション的なやつ、忘れてないですよね? みなさんのパッションと我々のヤツを思い切りぶつけ合いたいなと思っています。いかがでしょうか?!」(稲葉)

■レア曲と新曲が示したB'zの現在地

『B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-』より

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 このツアーに対する思いをしっかりと伝えた後は、これもレア曲の「ペインキラー」。再びスクリーンがステージを包み、赤、青を基調としたダークな映像が映し出されるなか“ハマってくださいどっぷりずっと/ワタシ無しではダメになって欲しい”というフレーズが響き渡る。共依存的な危うい関係性を反映したこの曲は、ロックバンドとファンの関係にも似ている。情動的なボーカルを浴びていると、ついそんなことを考えてしまう。

 そしてアルバム『FYOP』から2曲。穏やかで切ないメロディとかけがえのない“あなた”に向けた思い、エモーショナルかつ叙情的なギターソロが響き合う「片翼の風景」では稲葉がステージ上をぐるりと回り、歌詞のひとつひとつを手渡すように歌う。松本のワウギターが印象的な「鞭」ではウネリまくるバンドサウンドとエキゾチックな旋律が融合し、グルーヴィーな空間を生み出す。『FYOP』というアルバムの充実ぶりを改めて実感できる場面だった。

 川村の鍵盤と稲葉の歌を中心にアコースティックな音像で演奏された「今では…今なら…今も…」(稲葉のブルースハープもかっこいい!)、松本のキャッチーかつダイナミックなギタープレイを堪能できた「#1090 〜Million Dreams〜」を経て、ライブは後半へ。

 シンフォニックなシンセ、爆発的なギターサウンドが響き渡るなか、ショッキングピンクの衣装に着替えた稲葉が登場し、アルバム『FYOP』収録曲「イルミネーション」へとなだれ込む。優しさと力強さを兼ね備えた旋律、“この道の先には輝けるイルミネーションがあるはず”というメッセージを込めた歌が広がり、豊かな感動へと結びつく。

 さらにメンバー紹介(松本は横浜アリーナのバックヤードに自分のギターが飾られていることを自慢していた)を挟んで披露されたのは、ツアー中にレコーディングされたという新曲「完全無欠」(2026日本テレビ系サッカーテーマソング)。ハモリのギターフレーズから始まり、力強さとしなやかさを同時に放つバンドグルーヴへと移行。ハンドクラップとシンガロング必至のコーラスを含め、新たなライブアンセムとしての風格を既に備えていた。

 個人的に最も印象に残ったのは、清の凄腕ベースソロに導かれた「FMP」だった。“I Follow My Passion”というサビのフレーズはアルバム『FYOP』の中心的なテーマに直結。一気にトップスピードに達するビート、滑らかな気持ちよさと圧倒的なパワー感を併せ持ったボーカル、構築美を感じさせるギターソロもそうだが、この曲には現在のB’zの凄みと魅力がたっぷりと注がれている。炎が立ち上がる演出も「FMP」のハイパーなカッコ良さを際立たせていた。

■“Passion”が生んだ熱狂のクライマックス

『B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-』より

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 「Hey横浜! Passion残ってますか!?」という煽り、YTのスパニッシュ風のアコギと松本のいぶし銀ギターのセッション(最後は「Smoke On The Water」のフレーズ)から始まった「有頂天」によってライブは一気にクライマックスへと突き進む。

 稲葉とオーディエンスのコール&レスポンスに導かれた「Heaven Knows」(稲葉の驚異的なロングトーンに“すごい!”と感嘆の声が上がっていた)、そして「Liar! Liar!」「ultra soul」の2連発。B’zのキャリアを象徴するアンセムによって心地よい熱狂と解放が渦巻くなか、ライブ本編はエンディングを迎えた。

 鳴り止まない手拍子と歓声、ウェイブが巻き起こるなか、松本と稲葉がアリーナの前方に登場。観客の目の前を通り、そのままステージに上がる。稲葉がアコギ、松本がエレキを弾き、「その先へ」がはじまる。“輝き続ける時間と命/泣いて笑って行きましょう”という歌詞は、困難だらけの現代を生きるすべての人たちに向けられた真摯なメッセージだ。

 「みなさんが思い切り我々にぶつけてくれたパッション、情熱、ものすごいエネルギーでした。我々のものもみなさんに届きましたか? お互いのパッションがぶつかって、横浜アリーナにすごいエネルギーが生まれたと思います。それはタダなので(笑)、持って帰ってください。我々も持って帰って、明日につなげます」(稲葉)

 ファンとの強いつながりを感じさせるMCとともに届けられた最後の楽曲は1996年リリースの「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜」。30年前に世に放たれたナンバーが時を経て、2026年の横浜アリーナを“ユルギナイチカラ”で輝かせる。そこにあったのはB’zという希代のアーティストの普遍的なパワーだ。

 いつものように「おつかれー!」の大合唱で大団円。松本と稲葉は丁寧に挨拶し、ステージを後にした。最新アルバム『FYOP』の素晴らしさ、代表曲やレア曲の色あせない魅力を改めて示したB’z。彼らのピークはまだ先にある――そう確信させる圧巻のステージだった。

取材・文:森朋之

『B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-』より

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■『B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-』
2026年5月30日 神奈川・横浜アリーナ
【セットリスト】
01. FAITH?
02. 濁流BOY
03. ZERO
04. おでかけしましょ
05. love me, I love you
06. 今夜月の見える丘に
07. ペインキラー
08. 片翼の風景
09. 鞭
10. 今では…今なら…今も…
11. #1090 〜Million Dreams〜
12. イルミネーション
13. 完全無欠
14. FMP
15. 有頂天
16. Heaven Knows
17. Liar! Liar!
18. ultra soul
encore
19. その先へ
20. ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜
(C)VERMILLION (C)Dynamic Planning・TOEI ANIMATION
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