2020年発表のデビューアルバム『MATOUSIC』から5年。本作を新たな解釈で表現する再現ツアー『MATOUSIC TOUR 2025』の最終公演が23日、東京・渋谷クラブクアトロで開催された。
「身にまといたくなる音楽でありたい」という思いを込めた本作。今回の再現ツアーは大阪、愛知、東京で行われ、凄腕のバンドメンバー、谷川正憲(Gt/Cho、UNCHAIN)、ナガイケジョー(Ba、SCOOBIE DO)、守真人(Dr)、和久井沙良(Key)とともにさらに進化した『MATOUSIC』を体現してみせた。
登場BGMは、Disclosureの「Where Angels Fear To Tread」。手拍子が打ち鳴らされるなか、バンドメンバーに続いて竹内アンナが両手を高らかに上げながらステージへ。敬愛するジョン・メイヤーのシグネチャーモデル・マーティンOMJM(アコギ) を手にした彼女は、メンバー全員と視線を交わし、「『MATOUSIC TOUR 2025』へようこそ! 最高の休日、楽しむ準備はできてますか!?」という声とともに1曲目の「RIDE ON WEEKEND」を放つ。心地よいグルーヴ、“ありのままの自分で楽しもう”というメッセージを込めた歌が響き合い、オーディエンスが気持ちよさそうに身体を揺らし始める。
さらに、大切な人と待ち合わせするまでのワクワク時間を描いた「B.M.B」、谷川のノイジーな独奏と「思い切りかかってきて!」(竹内)というシャウトから始まり、竹内とメンバー全員のソロ演奏を織り込んだ「My Me Myself」(サビのフレーズでは観客のシンガロングも発生!)、グッとBPMを落とし、青いライトのなかでシックなボーカルが響いた「TOKYO NITE」とアルバム『MATOUSIC』の収録順通りに進行。竹内自身はもちろん、メンバー全員が笑顔でステージを楽しんでいる姿も印象的だった。
「最高! 頭を抱えるくらい、みんな素晴らしいんですけど……、どうするんですか!?」と笑顔で挨拶。そして今回のツアーの趣旨について、改めて説明した。
アルバム『MATOUSIC』がリリースされた2020年3月は、ちょうどコロナ禍が始まった時期。ライブはまったくできず、予定されていたアルバムツアーも中止になった。あれから5年の年月が経ち、ついに『MATOUSIC』を中心としたツアーが実現したというわけだ。
「5年前は私もすごく悔しかったし、ここにいるみなさんも、行けなかったライブがあったかもしれません。今日はあのときの自分たちが報われたらいいなと思うし、“初めてライブに来たよ”という人も含めて、みんなで楽しめるようなライブにできたらいいなと思っています」
ハンドマイクで歌ったバラードナンバー「If you and I were,」(ジャズの香りを振りまくキーボードソロが絶品でした!)からは、アルバム『MATOUSIC』の奥深い魅力を実感できるシーンが続いた。
ギターをギブソンJ-45 に持ち替えて届けられた「伝えなきゃ、届かなきゃ、君に聞こえなきゃ。」では、リズミカルなギターフレーズとともに“大事なことはしっかり伝えたい”という思いを刻んだリリックを響かせる。そのまま音を切らすことなく、20歳のときに書いた「20 -TWENTY-」へ。ダンサブルなサウンドのなかでタッピングを交えたギタープレイを披露し、観客を沸かせまくる。
ここで再びOMJMを持ち、ミラーボールの眩い光のなかで「Midnight Step」を演奏。ポップに振り切ったサウンドが気持ちいい。イントロが鳴った瞬間にフロアから歓声が上がり、ハンドクラップが鳴り響いたのは「SUNKISSed GIRL」。途中で谷川が歌う場面が差し込まれるなど、このツアーでしか見られない音楽的な演出も施されていた。そしてライブアンセムの一つである「Free! Free! Free!」。サビに合わせて観客が腕を上げて合唱し、心地いい一体感が生まれた。
バンドメンバーとともにすべての楽曲もブラッシュアップし、2025年の『MATOUSIC』をダイレクトに提示する。これこそが今回のツアーの醍醐味であり、いちばんの楽しさだったのはまちがいない。
観客のテンションも最高。「みんなが太陽です! 本当に素晴らしい、本当にありがとう。私も太陽だし、みんなも太陽、バンドメンバーも太陽です!」と笑顔で話しかける竹内からも、今回のツアーの充実ぶりが伝わってきた。
ここで改めて、アルバム『MATOUSIC』について語った。「SUNKISSed GIRL」は、憧れの女性に近づきたくて書いた曲だったこと。初めて東京に来て、“私の代わりっていっぱいいる”と絶望ししつ、なんとか希望を見出しくて作った「TOKYO NITE」。デビュー後、締め切りに間に合わなくて、半ギレで書いたのが「Midnight Step」――。「喜怒哀楽がいっぱい詰まった宝物のようなアルバムだなと思います。改めて、すごくいいアルバムだなと」という言葉に、会場から大きな拍手が送られた。
アルバム『MATOUSIC』の最後に収められた「ALRIGHT」(竹内いわく“ティーンエイジャーの無敵ソングで、私の始まりの曲”)からライブは終盤へ。
「みんなの本気見せてくれますか? もっと行けるよ!」という煽りから、ラップを交えたアッパーチューン「DRAMAS」。ドラム、ベース、キーボード、ギターの順番でソロ演奏をつなぎ、バンドとしての魅力をしっかりとアピールしてみせた。
さらに気持ちよく飛び跳ねるビートと“あたしの人生 あたしがいなきゃ始まらないでしょ”という最高のラインが響き合う「WILD & FREE」、強烈なコール&レスポンスを通してステージとフロアの距離をさらに近づけた「YOU+ME=」を重ね、ライブのテンションを一気に引き上げる。
ギブソンのセミアコ・ES-335で演奏されたのは「BREAK MY CASE」。さらに竹内アンナ流のギターロック「サヨナラ」、“会いたい”という切実で真っ直ぐな思いを届けた「あいたいわ」で本編は終了した。
アンコールを求める声が上がってすぐにステージに戻ってきた竹内アンナ(“どれだけ早く出てくるかを自分のなかで競ってました(笑)”だそうです)。
アンコール1曲目は、アコギ弾き語りによる「Love Your Love」。あなたの“好き”をちゃんと好きでいてほしい――そんな願いを込めた楽曲を丁寧に紡いでいく。
「Love Your Love」はコロナ禍の時期に書かれた楽曲。「音楽って、本当に必要なんだろうか? とすごく考えて。自分の好きをこれからも好きでいたいなと思って作った曲です。『MATOUSIC』ツアーのいい締めになったと思います」という言葉も心に残った。
再びバンドメンバーが呼び込まれ、それぞれがツアーの感想を話したあと、この夏リリースされた新曲「真昼のランデヴー」へ。爽やかなドライブ感をたたえたサウンドと歌をシェアしながら、ライブはエンディングを迎えた。
来年2026年2月には、『弾き語り TOUR 2026 “atELIER”-アトリエ-』を開催する。1stアルバム『MATOUSIC』に改めて向き合い、自らの音楽表現をさらに広げた彼女はこの後、どんな歌を届けてくれるのか? 今から楽しみでしょうがない。
text by 森朋之
photo by Kazushi Hamano
■『MATOUSIC TOUR 2025』SETLIST:
https://takeuchi-anna.lnk.to/MATOUSIC_TOUR_2025_setlist
<LIVE情報>
『弾き語り TOUR 2026 atELIER -アトリエ-』
2026年2月20日(金)名古屋・大須演芸場 (19:00開演)
2026年2月21日(土)京都・京都文化博物館別館ホール (17:30開演)
2026年2月23日(月/祝) 東京・自由学園明日館 講堂 (昼14:00開演/夜17:00開演)
「身にまといたくなる音楽でありたい」という思いを込めた本作。今回の再現ツアーは大阪、愛知、東京で行われ、凄腕のバンドメンバー、谷川正憲(Gt/Cho、UNCHAIN)、ナガイケジョー(Ba、SCOOBIE DO)、守真人(Dr)、和久井沙良(Key)とともにさらに進化した『MATOUSIC』を体現してみせた。
登場BGMは、Disclosureの「Where Angels Fear To Tread」。手拍子が打ち鳴らされるなか、バンドメンバーに続いて竹内アンナが両手を高らかに上げながらステージへ。敬愛するジョン・メイヤーのシグネチャーモデル・マーティンOMJM(アコギ) を手にした彼女は、メンバー全員と視線を交わし、「『MATOUSIC TOUR 2025』へようこそ! 最高の休日、楽しむ準備はできてますか!?」という声とともに1曲目の「RIDE ON WEEKEND」を放つ。心地よいグルーヴ、“ありのままの自分で楽しもう”というメッセージを込めた歌が響き合い、オーディエンスが気持ちよさそうに身体を揺らし始める。
さらに、大切な人と待ち合わせするまでのワクワク時間を描いた「B.M.B」、谷川のノイジーな独奏と「思い切りかかってきて!」(竹内)というシャウトから始まり、竹内とメンバー全員のソロ演奏を織り込んだ「My Me Myself」(サビのフレーズでは観客のシンガロングも発生!)、グッとBPMを落とし、青いライトのなかでシックなボーカルが響いた「TOKYO NITE」とアルバム『MATOUSIC』の収録順通りに進行。竹内自身はもちろん、メンバー全員が笑顔でステージを楽しんでいる姿も印象的だった。
アルバム『MATOUSIC』がリリースされた2020年3月は、ちょうどコロナ禍が始まった時期。ライブはまったくできず、予定されていたアルバムツアーも中止になった。あれから5年の年月が経ち、ついに『MATOUSIC』を中心としたツアーが実現したというわけだ。
「5年前は私もすごく悔しかったし、ここにいるみなさんも、行けなかったライブがあったかもしれません。今日はあのときの自分たちが報われたらいいなと思うし、“初めてライブに来たよ”という人も含めて、みんなで楽しめるようなライブにできたらいいなと思っています」
ハンドマイクで歌ったバラードナンバー「If you and I were,」(ジャズの香りを振りまくキーボードソロが絶品でした!)からは、アルバム『MATOUSIC』の奥深い魅力を実感できるシーンが続いた。
ギターをギブソンJ-45 に持ち替えて届けられた「伝えなきゃ、届かなきゃ、君に聞こえなきゃ。」では、リズミカルなギターフレーズとともに“大事なことはしっかり伝えたい”という思いを刻んだリリックを響かせる。そのまま音を切らすことなく、20歳のときに書いた「20 -TWENTY-」へ。ダンサブルなサウンドのなかでタッピングを交えたギタープレイを披露し、観客を沸かせまくる。
ここで再びOMJMを持ち、ミラーボールの眩い光のなかで「Midnight Step」を演奏。ポップに振り切ったサウンドが気持ちいい。イントロが鳴った瞬間にフロアから歓声が上がり、ハンドクラップが鳴り響いたのは「SUNKISSed GIRL」。途中で谷川が歌う場面が差し込まれるなど、このツアーでしか見られない音楽的な演出も施されていた。そしてライブアンセムの一つである「Free! Free! Free!」。サビに合わせて観客が腕を上げて合唱し、心地いい一体感が生まれた。
バンドメンバーとともにすべての楽曲もブラッシュアップし、2025年の『MATOUSIC』をダイレクトに提示する。これこそが今回のツアーの醍醐味であり、いちばんの楽しさだったのはまちがいない。
観客のテンションも最高。「みんなが太陽です! 本当に素晴らしい、本当にありがとう。私も太陽だし、みんなも太陽、バンドメンバーも太陽です!」と笑顔で話しかける竹内からも、今回のツアーの充実ぶりが伝わってきた。
ここで改めて、アルバム『MATOUSIC』について語った。「SUNKISSed GIRL」は、憧れの女性に近づきたくて書いた曲だったこと。初めて東京に来て、“私の代わりっていっぱいいる”と絶望ししつ、なんとか希望を見出しくて作った「TOKYO NITE」。デビュー後、締め切りに間に合わなくて、半ギレで書いたのが「Midnight Step」――。「喜怒哀楽がいっぱい詰まった宝物のようなアルバムだなと思います。改めて、すごくいいアルバムだなと」という言葉に、会場から大きな拍手が送られた。
アルバム『MATOUSIC』の最後に収められた「ALRIGHT」(竹内いわく“ティーンエイジャーの無敵ソングで、私の始まりの曲”)からライブは終盤へ。
「みんなの本気見せてくれますか? もっと行けるよ!」という煽りから、ラップを交えたアッパーチューン「DRAMAS」。ドラム、ベース、キーボード、ギターの順番でソロ演奏をつなぎ、バンドとしての魅力をしっかりとアピールしてみせた。
さらに気持ちよく飛び跳ねるビートと“あたしの人生 あたしがいなきゃ始まらないでしょ”という最高のラインが響き合う「WILD & FREE」、強烈なコール&レスポンスを通してステージとフロアの距離をさらに近づけた「YOU+ME=」を重ね、ライブのテンションを一気に引き上げる。
ギブソンのセミアコ・ES-335で演奏されたのは「BREAK MY CASE」。さらに竹内アンナ流のギターロック「サヨナラ」、“会いたい”という切実で真っ直ぐな思いを届けた「あいたいわ」で本編は終了した。
アンコールを求める声が上がってすぐにステージに戻ってきた竹内アンナ(“どれだけ早く出てくるかを自分のなかで競ってました(笑)”だそうです)。
アンコール1曲目は、アコギ弾き語りによる「Love Your Love」。あなたの“好き”をちゃんと好きでいてほしい――そんな願いを込めた楽曲を丁寧に紡いでいく。
「Love Your Love」はコロナ禍の時期に書かれた楽曲。「音楽って、本当に必要なんだろうか? とすごく考えて。自分の好きをこれからも好きでいたいなと思って作った曲です。『MATOUSIC』ツアーのいい締めになったと思います」という言葉も心に残った。
再びバンドメンバーが呼び込まれ、それぞれがツアーの感想を話したあと、この夏リリースされた新曲「真昼のランデヴー」へ。爽やかなドライブ感をたたえたサウンドと歌をシェアしながら、ライブはエンディングを迎えた。
来年2026年2月には、『弾き語り TOUR 2026 “atELIER”-アトリエ-』を開催する。1stアルバム『MATOUSIC』に改めて向き合い、自らの音楽表現をさらに広げた彼女はこの後、どんな歌を届けてくれるのか? 今から楽しみでしょうがない。
text by 森朋之
photo by Kazushi Hamano
■『MATOUSIC TOUR 2025』SETLIST:
https://takeuchi-anna.lnk.to/MATOUSIC_TOUR_2025_setlist
<LIVE情報>
『弾き語り TOUR 2026 atELIER -アトリエ-』
2026年2月20日(金)名古屋・大須演芸場 (19:00開演)
2026年2月21日(土)京都・京都文化博物館別館ホール (17:30開演)
2026年2月23日(月/祝) 東京・自由学園明日館 講堂 (昼14:00開演/夜17:00開演)
2025/09/25




