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黒夢、10年ぶりの熱狂ライブツアー “今だからこそ”輝きを放つ、音楽的深化への挑戦【ライブレポ】

 容赦ない尖り具合、危なっかしいほどのハジけ飛び方、威圧にも近い説得力。その全ては“あの頃”をトレースするようなものではなく、むしろ“今という瞬間そのもの”を刻みつけていくライブパフォーマンスとして我々へ提示されたと言っていい。

『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』より

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 今年2月9日、清春のデビュー30周年ツアーとして催行された『debut 30th anniversary year TOUR 天使ノ詩 『NEVER END EXTRA』』最終日公演において、黒夢はメジャーデビュー記念日でもあったその当日、10年ぶりの復活を果たしてみせた。そして、東京ガーデンシアターで繰り広げられたこの記念すべきライブの模様は『CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX』と題され、9月3日にBlu-rayでリリースされた。

 と同時に、この夏から始まり9月20日の Zepp Nagoya公演まで目下続行中となっているのは、ファン待望の7都市10公演にわたる全国ツアー『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』だ。初日となった7月19日のZepp Divercity Tokyoで幕開けを飾ったのは、清春が歌として放った咆哮と人時の轟かせる低音のうねりが渾然一体となった「FAKE STAR」で、満員御礼状態の場内はしょっぱなから屋外の酷暑ぶりをも超えるような、熱き興奮の渦に呑み込まれていくことに。

 「こんばんは黒夢です。限りある瞬間を楽しんでください。Hey,R&R!!」(清春)

『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』より

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 昨今は地上波テレビのバラエティ番組で顔を見かける機会が増え、親しみやすいトークやどこか天然じみたチャーミングな姿で音楽ファン以外にも認知されているとはいえ、清春の本性があくまでも“希代のロックスター”であることは紛れもない事実。故に、たとえば「CAN’T SEE YARD」で“首に縄を付けられた同年代達”と歌いかけたあと…

 「オマエらのことじゃないよな?」(清春)

 そうやって、すかさず激しく煽ってみせる清春の姿にえもいわれぬエモさを感じたのは何も筆者だけではあるまい。また、ステージ上で曲の途中に清春と人時が微笑ましく尊いツーショットをみせてくれた「Spray」ではオーディエンスによるシンガロングが大発生し、あらためて今回のツアーは黒夢のことを“待ちわびてる人だけに”用意された素晴らしいロックショウの場である、ということが証明されたように思う。

「始まりました、黒夢として10年ぶりのツアーが。このために綿密に3年かけて準備などはしていませんが(笑)、10年前と比べると我々もみなさんもその分だけ歳は喰ってますので、いろいろな意味で重みは増したんじゃないかと思うんですよ。だとしても、心は何時も研ぎ澄まされているんでしょうか?(中略)僕も人時さんも大変楽しみにして参りましたが、このツアーでは注意事項を出していてダイブとかはしちゃいけなくなってるんですよね。っていうのが、いろんなフェスに出て見て思った。もうああいうの、やんなくてよくない?なんか邪魔。俺から見て邪魔。ケガとかはどうでもいいんだけど、せっかく我々を観に来てくれてる人たちの視界も邪魔するでしょ。若い人のダイブなんて目立とうとしてるだけだろう。邪魔! ○○でくれ!!」(清春)

『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』より

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 日本におけるフェス文化の在り方、ライブ現場におけるダイブの是非など、これらについては諸々の意見がそれぞれの立場によって違う面もあることだろうが、なにしろ今宵の黒夢が立っていたのは彼ら自身の行うワンマンライブの舞台であるからして。つまり、清春が「俺から見て邪魔」と判断してダイブ禁止の御触れを出すことにはなんら問題がない。言いたいこと、言うべきことは、それを言っても良い場で忖度なくきっちりと言う。こうした潔いスタンスからも、誇り高く清春らしいロックスピリッツが色濃く感じられたのではなかろうか。

『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』より

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 そのうえ、清春の意思表明に対して呼応するかのように始まった「BAD SPEED PLAY」の冒頭で、人時がゴリゴリのベースフレーズで攻め倒したシーンも痛快なことしきり。結成から紆余曲折を経ながらも34年の時が経ち、キャリアや経験値の面ではアーティストとして円熟の域に達している反面、ロックバンドとしての黒夢はそれこそ清春の言葉を借りれば“何時も研ぎ澄まされている”のが常で、その刃先が円くなることは決してない。この夜のライブからはそのことも確信できた。

 なお、今回のライブでは「LAST PLEASURE」に続いて人時によるテクニカルかつインストルメンタル的なベースソロがはさみ込まれる一幕があったほか、本編中盤ではタブゾンビ from SOIL&“PIMP”SESSIONS(Tpt.)と栗原健(Sax)がゲストとして呼び込まれ、「MARIA」など数曲をセッションする場面も。それらは黒夢の現在進行形な音楽的深化ぶり、というのを顕著に表していたくだりであった気がする。

 かと思うと、本編後半では怒濤のアグレッシブチューン祭りとなり、観客たちがサビのフレーズをコールしまくった「後遺症 -afterffect-」、観客たちがフィストアップに明け暮れた「sick」でひとまずフィニッシュ。さらに、アンコールでは当夜にちょうど53歳の誕生日を迎えた人時を祝うバースデーセレモニーがひとしきり行われ、ベースをデコレーションした大きなケーキも登場した。

『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』より

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 「Happy Birthday,人時さん! 確か、10年前のツアーの時もZepp Nagoyaで人時さんの誕生日のお祝いしましたね。またやれるとは思ってなかったよね(笑)」(清春)

 「いやほんとに(笑)。ありがとうございます!」(人時)

 きっと黒夢の活動再開はある種の奇跡とも言えるもので、実際に今回のライブでは清春がぽつぽつと「いつかはまた解散する」「長く一緒にいすぎるとダメなんだなと思う」「いつまで続くか分からない」といった旨の言葉を数度にわたって漏らしてもいたのだが、それでいて前述した笑顔あふれるふたりのやりとりや、そのあとにアンコール曲として奏でられた「少年」や、ダブルアンコールでの「Like@Angel」での絡み方などからも、ここまでに彼らが培ってきた絆がしっかりと感じられた。ちなみに、終演後に人時と清春がハグしあう様子を目にしながら、筆者の脳裡で響いていたのはこれまた今夜のMCで語られていた以下の言葉となる。

 「今回は『CORKSCREW 2025』というかたちでツアーになってますが、いずれデビュー曲から全部のシングル曲をやるようなライブもやりたいな、と思っております。ここに来る時、近くにちょっと大きめの会場が出来てるのが見えたんですよ。まだわかりませんけど、3日間くらいやれたらいいなと思ってます」(清春)

 現段階ではまったくの不確定事項だとしても、この言葉が発されたこと自体は敢えてここに付記しておきたい。言霊というやつを信じようではないか。

 “あの頃のような輝き”ではなく、“今だからこそ輝き”を放つ黒夢。来年には遂に結成35周年を迎える彼らが、近いうちにあらたな吉報をもたらしてくれることを切に願う。

取材・文:杉江由紀

『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』より

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<ライブ情報>
『黒夢 Zepp TOUR CORKSCREW 2025』
2025年7月19日 東京・Zepp Divercity Tokyo

<リリース情報>
『CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX』
リリース日:2025年9月3日

『CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX』【初回限定盤(Blu-ray 2枚組)】

『CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX』【初回限定盤(Blu-ray 2枚組)】

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【初回限定盤(Blu-ray 2枚組)】
品番:YCXW-10035〜6/価格:1万2100円(税込)
・仕様:スリーブ入りデジパック(見開き2面トレイ)
・Blu-ray 初回限定盤特典ディスク:“CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX” to “Zepp TOUR CORKSCREW”

『CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX』【通常盤(Blu-ray)】

『CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX』【通常盤(Blu-ray)】

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【通常盤(Blu-ray)】
品番:YCXW-10037/価格:8800円(税込)

■Blu-ray収録内容(初回限定盤/通常盤共通)
『CORKSCREW A GO GO! SAINT MX XXXX XXXX』
TOKYO GARDEN THEATER 2025.02.09
01.FAKE STAR
02.Suck me!
03.SPOON & CAFFEINE
04.CAN’T SEE YARD
05.BARTER
06.BAD SPEED PLAY
07.HELLO, CP ISOLATION
08.YA-YA-YA!
09.MARIA
10.MASTURBATING SMILE
11.FASTER BEAT
12.ROCK’N’ROLL
13.C.Y.HEAD
14.CANDY
15.後遺症 -aftereffect-
16.Sick
17.少年
18.カマキリ
19.Spray
20.NEEDLESS
21.Like@Angel

<ライブ情報>
『黒夢Zepp TOUR CORKSCREW 2025』
9月06日(土)東京・ Zepp DiverCity ※FC ONLY
9月15日(月/祝) 神奈川・KT Zepp Yokohama
9月20日(土) 愛知・Zepp Nagoya

<プロフィール>
清春(Vo)と人時(Ba)の2人からなるロックバンド。
1994年2月にシングル「for dear」でメジャーデビュー、1995年5月にリリースされたアルバム『feminism』以降、すべてのアルバムがオリコンランキング上位を記録する。しかし人気絶頂のさなか、1999年1月に無期限活動休止を発表。
2009年1月に日本武道館にて一夜限りの復活および解散ライブを開催、活動に一旦終止符を打つも、翌2010年1月に再始動を発表。2011年2月に国立代々木競技場第一体育館にて復活ライブを開催、同年11月に復活後初めてとなるアルバム『Headache and Dub Reel Inch』をリリース。2014年7月より最後のロングツアーと銘打ち「黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP」を開催した。
2025年2月9日、東京ガーデンシアターにて約10年ぶりに復活、同11日は横浜ぴあアリーナMMにて追加公演を実施。同年7月から全国Zeppツアーを開催し、『SUMMER SONIC 2025』他、各地フェスにも出演する。
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