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【リリース】ステージトークだけで3枚組CD発売! 噺家顔負けのさだまさしトーク集の魅力

 今年活動歴51年目を迎えた、さだまさしのステージトークだけを集めたCDが、5月22日に『歌ってはいけないCD 〜さだばなし 迷作集 令和六年版〜』というタイトルでビクターエンタテインメントより発売された。なんと歌は1曲も入っていない3枚組のステージトーク集だが、驚くことはない。過去には18枚組の通販限定セットでトーク集を発売したこともあるのだから。

絶妙なトークと歌でファンを魅了するさだまさし

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■縦横無尽に話が展開する ステージトークの集大成

 私はさだまさしのステージトークが大好きだ。長距離ドライブで渋滞にはまった時、何度、彼のステージトークのCDに救われたことか。彼のステージトークは単なる雑談ではなく、ちゃんと物語として成立しているものばかり。だから、渋滞の最中でも、その物語を聞いていると時間が経つのも忘れてしまう。

 彼のトークネタはすべて本当の話だ。自分の青春時代の話、抱腹絶倒のコンサートメンバーやスタッフとの話、さまざまな形で出会った人との楽しく人情あふれる思い出話、名曲誕生秘話等々、どの話でも生き生きとした人間模様が語られる。絶妙なトークで、物語の世界に自分が入り込んでしまうから、何度聞いても飽きることがない。

 もちろん、彼はシンガーソングライターだ。彼の創る楽曲の数々は、日本だけでなく、世界でも受ける素晴らしいものばかりなのだが、そんな楽曲たちと双璧をなす別才能の集大成が彼のステージトーク集なのだ。

 もともと学生時代に落研に所属していたほどの話好きだから、その表現のクオリティは相当高い。「話」というより「噺」と言った方が的確かもしれない。ある落語家が新弟子に「落語の勉強にさだのコンサートに行け」と言ったという嘘のような本当の話があるくらいだ。トークは彼のステージの大事な一部分なのは間違いない。

「ファンの中には、トークをたくさんステージでやって欲しい、歌はCDでも聞けるから、と思っている人もたくさんいる」と、彼がステージで話すと会場は笑いに包まれるが、あながち間違ってはいないと思えるほどコンサートに来る人たちは彼のトークを楽しみにしている。ファンのトークを熱望する雰囲気にのせられると彼のステージトークはとても長くなる。そしてファンはそれを喜ぶ。

 私が行った彼のコンサートの中には、コンサート開始から1時間で3曲しか歌っていなかったということもあった。またファンクラブ限定のコンサートでは2部構成の第1部を厳選大ネタトークオンリーでステージを組んだこともあるが、これは大変好評だった。またやって欲しいくらいだ。ちなみに、今回このトーク集の購入者に向けてトークライブ(抽選制)を8月に行うという情報が入ってきた。

 トークは、大ネタ、中ネタ、小ネタとあるが、大ネタの中にはなんと40分を超える大作まで存在する。4600回を超える全国でのコンサートを常にソールドアウト状態で続けられるのは、縦横無尽に話が展開する絶妙なトークの効果もあるからに他ならない。だからこそ、歌なしのトークだけという、驚きのパッケージ商品が発売されてもなんの不思議もないのだ。

■ファン以外にも聞いてほしい 厳選されたトーク集の魅力

 さて、今回のトーク集に収録されたのは全10話。ファンなら誰もが知っている最高のクオリティで感動や爆笑を私たちに届けてくれるトークが厳選されている。しかも、そのすべてが最新バージョンで、2018年以降のものに限定されている。前フリの部分で、近年のさだまさしの日本へのさまざまな思いがあふれる最新版なのだ。

 1枚目のT(トーク)2には、かの有名な「エレクトーン「ハイ!」事件」。さだファンなら誰もが知っている友人の結婚披露宴での爆笑エピソードだ。2枚目のT3には40分超の大作トークとして有名な「23時間57分の帰省列車」が収録された。3枚目には青春時代のアルバイトの話「バイト〜!!」、そして同じく青春時代に邪な気持ちから怪しげなUFOを呼ぶ会に参加した時の話「来てくださ〜い!」という抱腹絶倒の話も収録された。その他、ファンの間では有名なトークばかりが厳選収録されている。ファンはもちろんだが、これはファン以外の人に是非一度聞いてもらいたい。聞けばハマること間違いなしのトーク集だ。

 さだは今回のステージトーク集発売に際して以下のようにコメントしている。

「僕のように比較的哲学的なテーマの歌が多い歌手が、ステージ上でストイックに音楽だけを追求してしまえば、そこに虚像が生まれ、うっかりすると「尊敬されてしまう」恐れがありますから、虚像を廃し実像をお伝えすることが大切です。私は大きな人間でも優れた人間でもなく、人生の迷いを歌にしているだけの小さな生き物です、という思いを伝えるために、私は「喋る」のです」

「喋りだけを抜き出してCDにするのは実にけしからんことであります。ヒットしゃちゃったらどうするんだっっ!!」

 さて、どうなることやら、ランキングも楽しみなトーク集の発売だ。

■昨年の50周年コンサート映像化に続き 新曲も配信開始!

さだまさし 配信限定シングル「Believe」

さだまさし 配信限定シングル「Believe」

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 このトーク集の他にも4月から5月にかけてコンサート映像商品や新曲を発売・配信中なので、簡単ではあるがここで紹介したい。

 まずは、昨年6月と8月に四夜にわたって行われたデビュー50周年コンサートが 『さだまさし50th Annivresary コンサートツアー2023 〜なつかしい未来〜』というタイトルで、BOX仕様の限定商品として4月10日に発売されている。

 Blu-ray DISCとDVDの2形態は豪華BOX仕様で、60ページのブックレットも付いている。また、音だけで楽しみたい人向けにはCDも限定BOX化し同時に発売された(CDは一夜ごとの単品でも発売中)。一夜ごとに企画内容と演奏曲がまったく異なるコンサートを二夜連続で2回、計4回に分けて開催したものだが、70歳を超えてもなお、新しいことに挑戦しようとするさだの心意気には敬服するしかない。

 5月15日には配信限定シングルとして新曲「Believe」が配信された。この曲は「グラクソ・スミスクラインRSウイルス感染症予防啓発TVCMタイアップ曲」としてCM放映にあわせて配信スタート。感染症予防啓発のCMということで、「人間の心」という彼が追求し続けているテーマで詩を作り、美しいメロディーにのせた。アレンジはギターの音色が美しく響くシンプルなもので、詩の世界がより際立つ構成とした。人は支え合いながら生きていくもの、1人で悩まないで欲しい、誰もがあなたの力になりたいと思っているんだよと歌う。

 今回のステージトーク集発売に向けたさだのコメントを借りると、「哲学的で虚像がうまれがちなテーマ」ということになるのだが、そんなテーマで作られた曲が多数存在することも、ファンがさだを愛する理由の1つ。常に人を思うさだの実像がこの歌にはあふれている。

文・垂石克哉

<リリース情報>
さだまさし『歌ってはいけないCD 〜さだばなし 迷作集 令和六年版〜』
発売日:5月22日
VICL-65961〜3(CD3枚組)/5000円(税込)

さだまさし『歌ってはいけないCD 〜さだばなし 迷作集 令和六年版〜』

さだまさし『歌ってはいけないCD 〜さだばなし 迷作集 令和六年版〜』

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<収録内容>
DISC 1
1. 八丈島の“体当たり追っかけ娘”とちょっと久米島 <2021.06.15 ウェスタ川越>
2. エレクトーン「ハイ!」事件2022バージョン <2022.11.30 東京国際フォーラムホールA>
3. 嗚呼!十津川村 <2023.11.21 仙台サンプラザホール>

DISC 2
1. 雅人と喜代子(親父の骨折) <2018.11.20 東京国際フォーラムホールA>
2. 新幹線の車掌さんの退職日 <2024.02.28 東京国際フォーラムホールA>
3. 23時間57分の帰省列車 <2019.12.05 東京国際フォーラムホールA>

DISC 3
1. U.F.O観盤会「来てくださーい!」 <2023.06.29 東京国際フォーラムホールA>
2. バイト〜!! <2023.06.30 東京国際フォーラムホールA>
3. ロサンゼルス追突事件 <2024.02.27 東京国際フォーラムホールA>
4. 専務車掌カワゾエ <2024.02.28 東京国際フォーラムホールA>

特典
・特製・ジャケットステッカー(なくなり次第終了)
・「さだまさし“歌ってはいけない”スペシャルトークライブ」抽選応募ハガキ(初回プレス分のみ封入)

さだまさし 配信限定シングル「Believe」
(グラクソ・スミスクラインRSウイルス感染症予防啓発TVCMタイアップ曲)
2024年5月15日リリース

■さだまさし Official Site:https://masasingtown.com/

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